京都府向日市の点訳サークル「きつつき」は、向日市社会福祉協議会の広報紙「福祉パレット」など公的な出版物の点訳や、市内の小中学校での点字講座など、視覚障害者への点字による情報提供と、市民への啓発活動に取り組む。

 発足は1982年。市の点訳講習会の受講者らが集まって結成された。市や地域の障害者団体、当事者からの依頼に応じた点訳をはじめ、点字図書館「丹後視力障害者福祉センター」にも定期的に点訳本を寄付している。長年の取り組みが評価され、2010年にはボランティア功労者厚生労働大臣表彰を受けた。

 メンバーは60代中心の16人。普段は自宅のパソコンで点訳に取り組み、月2回、向日市福祉会館(寺戸町)のボランティアルームに集まる。昨年、車両競技公益資金記念財団の助成で、新しい点字プリンターを購入し、活動が充実した。箏曲家で府視覚障害者協会の岡田多栄子会長=京都市右京区=が顧問として協力している。

 宇山晴美代表(72)は「定年退職後、障害者の役に立ちたいと参加した。点字のルールは難しく、新聞記事を点訳して勉強している」と話す。

 今年は7月から、市社協とともに点訳ボランティア養成講座を開催する。宇山さんは「駅やエレベーター、洗濯機、缶ビールなど、点字は身近にある。興味を持ってもらえればうれしい」と受講を呼びかけている。

<連絡先など>

向日市社会福祉協議会ボランティアセンター075(932)1960
毎月第2金曜に勉強会、第3金曜に定例会を福祉会館で開いている。
点訳ボランティア養成講座は同会館で7月13、27日、8月10、24日、9月14日の全5回。午前10時〜正午。定員5人。向日市在住・在勤者が対象。テキスト代770円。7月8日までに同センターに申し込む。