英検に31年ぶり“新設”級
2023年9月、「日本英語検定協会」が「実用英語技能検定」(英検)に、準2級と2級の間に新たな級新設し、2025年度より導入すると発表しました。
31年ぶりという新たな級の導入。名称は「準2級プラス(英語表記:Grade Pre-2 Plus)」で、導入の背景には、「準2級と2級の間には高い壁がある」という声や、「準2級合格者が2級に合格するまでに約2年近くかかっている」というデータがあったようです。
英検は一度取得すれば、一生有効な資格で有効期限がないとされているので、就職活動の際、履歴書の所有資格欄に「英検○級」と書くことができます。
多くの人が、中高生で取得する「英検」ですが、大学の受験生は注意が必要です。大学によっては入試優遇制度を設け、「英検」を優遇資格の一つにしているところがあります。しかし、「合格から2年以内のものを有効とみなす」などと有効期限を独自に設けている大学があるので、注意が必要です。例えば、高1の時に2級を取ったとしても、合格から2年過ぎていたら、無効になってしまう可能性があるのです。
さて、学生時代に苦労して取った「英検」を就職活動で生かしたいと考える人も多いのではないでしょうか。
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英検は就活に有利?
難関大を目指す人向けの専門塾「スタディチェーン編集部」が、2024年2月1日(木)〜6日(火)の期間、人事担当100人に対して「英検は就職に有利であったか」について調査をし、その結果を発表しました。
それによると、「英検は就活に有利である」は64%、「英検は就活では関係がない」が36%でした。
「有利である」とした理由に、
「英検準一級以上を取っていると、高校時代に高い英語力があったことが予想できるから」
「英検2級以上は履歴書に記載できる」などが挙げられました。
一方で、36%の人事担当が「英検の資格の有無は就活に影響しない」と回答しています。
「英検以外の高校・大学・前職の取り組みや実績を重視するから」「面接での感じの良さや会社のカルチャーにフィットするか、受け答えの能力を最も重視する」
「英検など資格全般を評価しない」
などの理由を挙げています。
また、「スタディチェーン編集部」が、2023年に現役東大生103人を対象にした調査では、「準1級以上の取得率」は38%で、東大生ですら、多くの人が2級までしか取得していないことがうかがえます。就職には、英検取得の重要度は高くないのかもしれません。
多くの人が保有しているであろう「英検」資格ですが、保有しているだけでは必ずしも就職に生かせるとは言い切れないでしょう。
20年前の中学生時代に2級を取得した30代の会社員女性は「当時は英語は得意科目でした。しかし、取得してこれまで英語を使う機会がほとんどなかったため、現在は2級並の知識があるかどうか怪しいところです」と明かします。
例えば、英語力を少しでも期待される職種に転職する場合、現在の英語力に不安がある人は、履歴書の保有資格欄に記載しない方がよいかもしれません。
英語から遠ざかってしまっているけど、今後転職などのために、英語の再勉強をしたい人もいるかもしれません。「英検」に受験資格はなく、年齢・職業・学歴、さらにどの級でも受験ができます。不安な場合は「取り直し」を検討してもいいかもしれません。
(LASISA編集部)