世の中にはたくさんの絵画がありますが、誰もが知っていて「名画」と呼ばれる作品はごく一部。例えば、ダ・ヴィンチの『モナ・リザ』、葛飾北斎の『神奈川沖浪裏』、ゴッホの『ひまわり』。一体、これらの名画にはどんな“すごさ”があるのでしょうか?

1年に300以上の美術展に足を運び、ブログやSNSでレビューを行う青い日記帳さんは、「名画とは、その時代に誰も知らなかった方法やテーマで世の中を驚かせた作品を意味します」と話しています。それでは、青い日記帳さんの解説とともに、時代背景や画家の知られざるエピソードをふまえて名画をじっくり楽しんでみましょう! ちょっと敷居が高く感じる美術鑑賞が身近なものになりますよ。

※本記事は著/青い日記帳、監修/川瀬佑介の書籍『名画のひみつがぜんぶわかる! すごすぎる絵画の図鑑』から一部抜粋・編集しました。






『モナ・リザ』って何がすごいの?

世界一有名な絵画、それはレオナルド・ダ・ヴィンチ『モナ・リザ』でしょう。

口もとに小さな笑みを浮かべ、穏やかに見つめる女性。服装は地味な色合いですが、よく見ると胸元に細やかな刺繍が施されており、上質なものだということがわかります。頭に薄いヴェールをかけていますが、アクセサリーはつけていません。

このモデルは一体誰なのか。さまざまな貴婦人の名前が取りざたされましたが、確証はありません。衣装や装飾品の特徴の少なさもあり、身元を推測しにくいのです。

謎の微笑を浮かべる身元不明の女性というミステリー。人々の想像をかきたて、何世紀も議論がくりひろげられる。これこそが、この作品の魅力かもしれません。

その証拠に、古今東西の画家たちがこの名画を元にした作品を残しています。

ダ・ヴィンチが死ぬまで持っていたこの絵は、それから現在までフランスにあり、ルーヴル美術館内に作られた「モナ・リザの間(国家の間)」に、特別に飾られています。

“謎”が興味を呼ぶ、世界一の名画『モナ・リザ』



■モデルはどんな人か推理してみよう
別名『ラ・ジョコンダ』とも呼ばれる、ルネサンス期の肖像画の最高傑作とされます。ダ・ヴィンチの死後、フランス王に買い取られるなど注目を集めてきました。
『モナ・リザ』1503〜1519年/ルーヴル美術館(フランス、パリ)

【豆知識】
年間800万人が訪れるルーヴル美術館の中でも、多くの人がつめかける人気の場所が「モナ・リザの間」。約800平方メートルの広い部屋は、日本のテレビ局の全面協力により作られ、2005年にオープンしました。



著=著/青い日記帳、監修/川瀬佑介/『名画のひみつがぜんぶわかる! すごすぎる絵画の図鑑』