バッテリーEVオーナー様専用サービス「LEXUS Electrified Program(LEP)」の一環として「LEXUS ELECTRIFIED JOURNEY(LEJ)」ではお客様のBEV(電気自動車)ライフを豊かにする新しい体験価値をご提案する。今回はLEXUSが厳選した充電器のあるお宿と、世界文化遺産での特別体験を組み合わせたLEJの旅をご紹介。LEXUS RZで聖地高野山の歴史と文化にどっぷり浸る「恵光院」に向かった。

バッテリーEVオーナー様専用サービス「LEXUS Electrified Program(LEP)」の一環として「LEXUS ELECTRIFIED JOURNEY(LEJ)」ではお客様のBEV(電気自動車)ライフを豊かにする新しい体験価値をご提案する。今回はLEXUSが厳選した充電器のあるお宿と、世界文化遺産での特別体験を組み合わせたLEJの旅をご紹介。LEXUS RZで聖地高野山の歴史と文化にどっぷり浸る「恵光院」に向かった。

歴史と自然を感じられる宿坊「恵光院」へ

高野山の玄関口、九度山町から高野山道路と呼ばれる国道370号・480号をRZで駆け上がる。「日本の道100選」にも選定されるこの山岳道路は、深い山を縫うように登っていく。

蛇行が多い山道のドライブでもRZは、四輪駆動力システム「DIRECT4」による減速、加速、操舵をシームレスにつなげる技術により、安定感のある走りで気持ちよく目的地へと進む。

たどり着いた山の端に突如として現れる大きな門が、弘法大師空海が開いた真言密教の聖地、高野山の総門である大門だ。ここから先が、高野山。

1000m級の8峰の山々に囲まれた、標高800mに位置する山上の盆地に、117の寺院が密集する仏教の町だ。今なお弘法大師空海が生きたまま瞑想を続けているといわれる奥之院御廟。その参道の入り口に当たる、一の橋のほど近くに、この旅の宿となる宿坊「恵光院」はある。

その重厚な山門をくぐったら、RZは充電器へ。1200年前、弘法大師空海が五重塔を建立、毘沙門天、不動明王を安置したことに始まるという由緒ある寺院に、充電器が備えられているのは意外な気もするが、10年ほど前に導入したそうだ。

宿泊者は無料で充電することができる
宿泊者は無料で充電することができる

「クルマが好きなので、クルマの役に立つものは用意したい」とおっしゃる宿坊「恵光院」の住職 近藤説秀さんは、なんとモータースポーツにも取り組む「お坊さんレーサー」。富士スピードウェイで開催された国内唯一の24時間耐久レース、スーパー耐久シリーズ2023第2戦にも、TRACY SPORTSのAドライバーとしてRC350を駆って参戦し、長時間かつ夜間走行もある過酷なレースを制して見事クラス優勝を果たしている。

クルマ好きだという宿坊「恵光院」の近藤住職

「伝統を重んじながらも、快適に過ごしていただけるように」という近藤住職の心配りは、共有のロビーや大浴場など宿坊のいたるところに見受けられる。

中でも2022年3月に新設されたというスイートルーム「月輪(がちりん)」は、専用の半露天風呂と日本庭園、床暖房も備えたくつろぎの空間だ。

庭園を備えた贅沢なお部屋は、高野山の歴史と伝統を感じながら、ゆったり寛げる
庭園を備えた贅沢なお部屋は、高野山の歴史と伝統を感じながら、ゆったり寛げる

その和室の壁面には、高野山真言密教の瞑想法「月輪観」に着想を得たというアート「月輪」が設えられる。手がけたのは、LEXUS DESIGN AWARD 2013受賞者でもある吉本英樹さんのデザインエンジニアリングスタジオ「TANGENT」と、石川県の金箔ブランド「箔一」。

ゆったりとリラックスしながら、意識を宇宙まで広げるという月輪観の世界に触れることができる。

「宿坊というとストイックな修行の場をイメージされる方も多いですが、難しく考えず、リラックスしにいらしてください。最初の一歩は仏教、いや仏教どころか日本文化に親しんでもらうところから。まずは間口を広げて、いろいろな方に来ていただくことによって、1200年続いたお大師様の教えを後世に残していくのも必要ではないかと思います」と、近藤住職は語った。

歴史を受け継ぐ高野山の精進料理を堪能し、ナイトツアーへ

恵光院の夕食は、「振舞料理」といわれる儀礼後の高僧に振る舞う宴席料理に倣った特別豪華な精進料理だ。五法(生・煮・焼・揚・蒸)、五味(醤油・酢・塩・砂糖・辛)、五色(赤・青・黒・黄・白)という伝統の調理法を引き継ぎ、当然、出汁にいたるまで動物性由来のものは用いない。

夕食と朝食は各客室への配膳となるので、周囲を気にすることなくゆっくり味わえる
大葉とすりごま入り酢飯でつくった寿司は夏場でもさっぱりと召し上がれるようにと一口の握りずしに
かぶらとごはんを合わせて照り焼きにした「かぶらもちつくね」
すだち、梅干し、ほうれんそうを添えたにゅうめん
デザートは、和歌山名産の若梅を甘く煮てシャーベット状にした「梅シャーベット」と甘いあら川の桃、メロン、湯むきしたぶどう

「当院の板前は元々和食の料理人なので、ここに来てから“使われへんものが多すぎるわ”とだいぶ悩んだらしいです」と近藤住職が朗らかに明かす。料理人に大いに悩んでいただいたおかげで、御膳に並んだ数々の皿には、旬のものが彩りよく並び、素材本来の滋味があふれている。

夕食を終えると、奥之院ナイトツアーへ。一の橋から奥之院の参道を進み、中の橋、御廟の橋を渡って弘法大師御廟前までを歩く。両側に点々と燈籠が灯る参道は幻想的で、運がよければムササビやホタル、フクロウに出合えることもあるそうだ。

「この階段でつまずくと3年以内に亡くなると言われていますから、どうぞ足元にお気をつけて」などとお声がけいただいたり、弘法大師空海の教えをわかりやすく説いていただいたりしながら、静謐な空気の中を進んでいく。

墓碑や供養塔が20万基以上という夜の奥之院に伝わる不思議な話の数々は、心なしか背中が涼しくなるような響きを帯びている。

御廟の橋を渡って見上げる燈籠堂は、橙色の明かりが灯り、夜ならではの美しさだ。ナイトツアーの後は、宿坊「恵光院」に戻って一日の疲れを癒す。

僧侶らの読経供養の声が響きわたる朝の勤行

宿坊の朝は早いと覚悟を決めていたが、恵光院の朝の勤行は7時からなのでひと安心だ。山内を見渡す高台の本堂に上がり、ご本尊の阿弥陀如来、弘法大師空海、不動明王と向き合って座れば、自然と呼吸が深くなる。

御本尊の阿弥陀如来に向かい、僧侶らの読経供養が行われる

読経に続いて、真言密教の宗教音楽である声明(しょうみょう)が奏じられ、本堂は重厚で美しいメロディで満たされていく。

焼香をしてお参りののち、本堂から毘沙門堂へ。弘法大師空海の作と伝わる毘沙門天が本尊として祀られる毘沙門堂で、護摩祈祷が行われる。分厚い倍音が迫力を持たせる読経とともに、腹に響く太鼓が打ち鳴らされ、薄暗いお堂の中に激しく炎が立ち昇る。

LEJのために特別に用意された最前列に座れば、まさにパチパチと護摩木が爆ぜる炎は目の前。穢れが祓われないはずがないという確信がもてる。

早い時間に夕食をとり、ナイトツアーも参加してから休んだ朝の体は軽やかだ。部屋に戻ると、勤行と護摩祈祷ですっきりとした頭と体をやさしく愛おしむかのような朝食が用意されている。

朝食も高野山の精進料理をいただく
胡蝶の器は、日本画家の定家亜由子に住職が頼んで絵付けしてもらったもの。定家さんの作品は、襖絵としても奉納されている。

ひと口ひと口、野菜や豆がうまみを伴って体にしみていく。これが味わうということかと、はっとさせられる鮮烈な体験だ。

しばらくのんびりと食休みをしたら、充電が完了したRZでチェックアウト。昼の奥之院プライベートツアー&古道巡礼路ハイキングに参加するため、清々しい午前中の奥之院へ向かう。

宿坊「恵光院」での充電器で充電は満タンに
高野山の街並みをRZで走るのも爽快だ

高野山の歴史と自然に触れる

LEJ高野山の現地特別ガイドとして高野山をご案内いただくのは、恵光院の執事長を経て、現在はツアー会社代表を務める田村暢啓さんだ。英国マンチェスターに留学経験があり、英語が堪能なため海外からのお客様を案内することが多いという田村さんは、恵光院の先代住職から得度を受けた僧侶でもある。

高野山の魅力は、「聖と俗、敵味方、人と自然が共生している空間であること」と田村さんはいう。

奥之院御廟と共に高野山の二大聖地である壇上伽藍や、高野山に伝わる貴重な仏画・仏像が展示される高野山霊宝館など、ただ見て歩いても見ごたえのあるものばかりだが、田村さんの含蓄に富んだ案内とともに散策すると、弘法大師空海の分け隔てのない教えが今に生きていることが実感でき、一層深く豊かな経験となる。

明るい奥之院は、昨晩とはまったく趣きが異なる。参道沿いの巨木や供養塔を細部までよく見ながら、その形が象徴する思想や、歴史的背景、いい伝えなどを解説していただく。

新参道には社風を表すユニークな形の企業の慰霊碑も多く、眺めて飽きない。旧参道には武田信玄、上杉謙信、豊臣秀吉、織田信長、明智光秀と、敵味方構わず武将の供養塔があり、浄土宗の法然や浄土真宗の親鸞の墓碑、神道の鳥居も立つ。この世界のものすべてを差別せず、すべてが大日如来なのだという弘法大師空海の教えに圧倒される。

有名な武将の供養塔も立ち並ぶ
有名な武将の供養塔も立ち並ぶ

御廟の端の手前まで着くと、田村さんが「ちょうどお大師様のお食事の時間です」と手招きする。田村さんがここまでの間、度々ちらりと腕時計を気にしていたのは、この儀式に遅れまいとしていたのだと腑に落ちた。

時間になるとお大師様のお食事が運ばれていった
時間になるとお大師様のお食事が運ばれていった

今も御廟で生き続けているとされる弘法大師空海には、毎日朝昼2回の食事「生身供(しょうじんぐ)」が捧げられている。僧侶たちが生身供を納めた唐櫃を担いで燈籠堂へと上がっていく後ろ姿に、大して信心深くなくとも、思わず手を合わせてしまうのはなぜだろう。

燈籠堂の中や、世界で一番弘法大師空海に近い場所「地下法場」も参拝した後は、田村さんに導かれ、そのまま森林古道ハイキングへ。

鳥獣保護区の美しい山道は、かつて高野山が女人禁制だった頃、女性たちが立ち入りを許された山道「女人道」の一部。40分ほどのハイキングは、5分ほどの急な上り坂以外はほぼ平坦で、脚力に頼らずに歴史ある豊かな自然を体験できる。

苔好きにはたまらない、茎が5〜10cmにもなる日本最大の苔「高野之万年苔(コウヤノマンネングサ)」が自生する場所も見せていただいた。

山を登った先には、紀伊山地の山々をパノラマに望む絶景スポット。そこに設えられた専用の東屋に、絶景ランチが用意されていた。

絶景を眺めながら、胡麻豆腐、笹すし、生麩をはじめとする高野山の郷土料理が楽しめる
絶景を眺めながら、胡麻豆腐、笹すし、生麩をはじめとする高野山の郷土料理が楽しめる

高野山の郷土料理に舌鼓を打ち、用意された冷たい高野山の湧水で喉を潤しながら遠く吉野の方角を眺めていると、田村さんが「お大師様は、吉野から高野山に入られたそうです」と教えてくださった。

高野山を堪能し、RZ同様にたっぷりと充電できたら、腹ごなしのドライブに出かけよう。高野山と龍神温泉を結ぶ走りがいのある山岳道路、龍神スカイラインは目の前だ。

<関連リンク>
TOUCH JAPAN JOURNEY by LEXUS
https://lexus.jp/magazine/journey/touch-japan-journey/

<LEXUS ELECTRIFIED JOURNEY - 世界文化遺産の旅 – 詳細>
https://lexus.jp/magazine/20230330/1560/jou_tjj.html

恵光院
https://www.ekoin.jp/