世界のクリエーターが集結したミラノデザインウィーク2024(2024年4月16日から21日まで開催)に「Time」というインスタレーションを公開したLEXUS。この展示に込められた想いとは。

世界のクリエーターが集結したミラノデザインウィーク2024(2024年4月16日から21日まで開催)に「Time」というインスタレーションを公開したLEXUS。この展示に込められた想いとは。

2024年4月16日から21日までイタリア・ミラノで開催された世界最大のデザインイベント「ミラノデザインウィーク2024」。

世界中のクリエーションが集結するこのイベントにLEXUSはインスタレーション「Time」を公開した。

サイモン・ハンフリーズ デザイン統括部長・Chief Branding Officer(CBO)はこのインスタレーションについてこう話す。

「Time」が表現するのは、2つだ。ソフトウェアが未来を予見しながらクルマを通じた一人ひとりの体験価値の可能性を新たに広げ、絶え間なく進化し続けていくLEXUSの想いと、
カーボンニュートラルとラグジュアリーが両立する世界を目指しエネルギーとソフトウェアに向き合いモビリティの革新を進めていくLEXUSの意志、である。

LEXUSの次世代バッテリーEVコンセプト「LF-ZC」(Lexus Future Zero-emission Catalyst)に着想を得た2組のデザイナーによる作品が、トルトーナ地区のスーパースタジオ・ピュー内にあるアートポイントとアートガーデンに出展された。

インスタレーション「BEYOND THE HORIZON」

このアートポイントでの展示を手掛けたのは、デザイナー、クリエイティブディレクターでテクノロジー起点の新規事業開発から、街づくりに関わるまで、幅広い領域において活躍する吉本英樹氏(Tangent)だ。

彼は、LEXUS DESIGN AWARD、Reddot Design Concept Best of the Bestなど、デザインと工学の両分野で数多くの受賞歴がある。

「BEYOND THE HORIZON」と題したこの作品では、ハードウェアとソフトウェアの相乗効果によって進化し続ける次世代モビリティの世界を表現する。

ソフトウェアにより常にアップデートされ、従来の乗り物としての役割以上にお客様との会話を通じて、一人ひとりに寄り添いながらパーソナルな体験価値をもたらす、モビリティの未来に対するLEXUSの考えを体現した作品となっている。

一列に並んだインタラクティブ・スカルプチャーは、全く同じ外装でありながら、それぞれに個性の異なる光の表情を持ち、その中央に、未来に向けた探求と革新の象徴として、JAPAN MOBILITY SHOWで世界初公開したLEXUSの次世代バッテリーEVコンセプト「LF-ZC」が配置される。

越前和紙によってつくられたスクリーンもこの作品の特徴の一つだ。伝統的な職人技術と最先端のテクノロジーを融合させて、移ろい変わる水平線の情景を映し出している。

この和紙には、「LF-ZC」にも採用された環境への配慮とラグジュアリーなデザインを両立する素材として竹が漉き込まれており、未来に向かいながらも、日本の伝統素材や匠の技を尊重するLEXUSの姿勢を現した。

また、この展示で流れる音楽は、先鋭的な電子音楽作品からピアノソロ、オペラ、映画音楽、サウンド・インスタレーションまで多岐に渡り、東京・パリを拠点に活動を行う渋谷慶一郎氏が担当した。

自身のサウンド・インスタレーション作品「Abstract Music」を、プログラミングによって膨大なサウンドデータからリアルタイムに生成された音像が動き回る。

夜明けから日没へと変化する水平線の移ろい、その彼方への案内人としての「LF-ZC」と10体のスカルプチャー、そして「Abstract Music」が三位一体となり、唯一無二の時間と没入体験を創出した。

インスタレーション「8分20秒」

アートガーデンに展示されたのは、カーボンニュートラルの実現を目指し、ソーラーデザインとテクノロジーに向き合った『8分20秒』だ。

持続可能な未来のために、太陽光とテクノロジーを融合させたイノベーションを探求するオランダ出身のソーラーデザイナーであるマーヤン・ファン・オーベル氏が手掛け、カーボンニュートラルとラグジュアリーの両立を目指し、エネルギーとソフトウェアに向き合いモビリティの革新を進めていくLEXUSの意志を表現する。

「LF-ZC」を原寸大で表現したインスタレーションは、太陽光発電を利用してエネルギーを取り入れ、内蔵されたバッテリーに蓄積しており、来場者の動きに反応する人感センサーを搭載し、自然環境との相乗効果を表したという。

「8分20秒」は、光が太陽から地球に到達するまでの時間にちなんで名づけられ、周りには太陽を想起させる展示物やホログラフィーで出来た木々、ベンチが配置された。

太陽を想起させる展示物は、マーヤン・ファン・オーベル氏のソーラーランプ作品「Sunne」を円形に配置したものであり、LEXUSが開発した竹繊維でできたセンサーに触れることで色が変わるという仕掛けで、来場者一人ひとりの朝日を演出する。

音楽においては、「LF-ZC」の内装に採用された竹素材に由来して、竹の揺らめきなどの自然音が流れた。

現地では、吉本英樹氏(Tangent)、渋谷慶一郎氏、マーヤン・ファン・オーベル氏、サイモン・ハンフリーズがプレスカンファレンスに登壇し、ミラノデザインウィーク2024を盛り上げた。