ネットブックを覚えているでしょうか。ウェブサーフィンのためにデザインされた安価で省スペースのノートパソコンです。

モバイル端末がすっかりネットブックに取って代わってしまいましたが、Chromebookは2000年代後半に使われていたネットブックの精神的後継者と言えるかもしれません。

その理由を説明しましょう。

ネットブックとは何だったのか?

2000年代に入ると、Wi-Fiが一般的になるとともにノートパソコンの人気が高まりましたが、高価で複雑でした。それに、ポータブル機器としてはかさばりすぎるという傾向がありました。

パソコン・メーカーは市場にギャップがあることを理解し、より小さくて省電力のデバイス、少なくとも2000年代後半にはモバイルとして通用したもので、そのギャップを満たしました。

Dell, ASUS, HPなど大手のメーカーがネットブックを売り出したのです。初期のモデルの多くはLinuxを搭載していましたが、後にWindows XPに切り替わって一般の人々にも馴染みやすいものとなりました。

メーカーはより高性能ラップトップの売り上げを維持するため、ネットブックの性能を低く抑えていました。スマートフォンやタブレット、特にiPadの出現によってネットブックは決定的な敗北を迎えたのです。

こういった機器はポケットや肩掛けカバンに忍ばせることができるほど、より小さく、より薄く、より軽くなり、どこでもインターネットを使えるようになっていました。

同時期に、AppleのMacBook AirやDell XPSシリーズのような薄く軽量の「ウルトラブック」も、小さな容量でパワフルな性能を発揮するハイエンド製品として販売されました。

YouTubeの91Techチャンネルは、ネットブックとは何だったのか、最終的になぜ市場で敗北したのかについてより多くの情報が提供しています。

モバイル端末の人気が高いにも関わらず、Chromebookは、かつてネットブックが占めていたコンピュータ市場でのニッチな地位を占めるようになりました。

Chromebookがネットブックの再来となる可能性を秘めている理由はいくつかあげてみましょう。

1.(ほとんどの)Chromebookは安い

しかし、発売中のほとんどのChromebookは市場では低価格帯の傾向にあります。

ベーシック・モデルであれば$300以下で、より多くのRAMとタッチスクリーンを搭載したモデルでも$500以下で入手できます。

2.Chromebookはインターネット用途にデザインされている

現代のChromebookが引き継いでいるネットブックの一面は、インターネットを指向しているところです。

Googleのようにインターネットに注力している企業にとって、これは当然のことです。

Google DocsやMicrosoft 365のようなウェブアプリが中心ですが、これはChromebookがほんのわずかなローカル・ストレージしか搭載していない理由でもあります。

ChromebookはGoogle Driveと上手く統合されており、ファイルを保存するのにGoogle Driveを利用してくれることをGoogleは期待しているのです(できれば、追加ストレージに料金を支払って)。

このやり方の問題は信頼性の高いインターネット接続が必要になることです。幸いなことに、この問題を回避する方法もあります。

Google Docのようなウェブアプリでは、ネット接続が失われた場合でも、作業中ファイルのオフライン・コピーを保存できるようになっています。

3.必要なら、ローカルアプリもインストール可能

Chromebookはウェブベースのアプリを使用することを前提に設計されていますが、ローカル・アプリをインストールしたほうがよい場合もあります。

ローカル・アプリはネット接続がない場合でも利用できるからです。

また、あちこちのウエブを横断して作業しているのなら、データをより柔軟に管理したくなります。

NetflixやSpotifyはアプリを利用すれば、オフラインでの再生用にコンテンツをダウンロードできますが、ウェブサイトからではダウンロードが許可されていません。

ゲームなどのアプリでは、ウェブでは設定できるオプションが少なくなっています。

ローカル・アプリを使用するには二つの方法があります。簡単な方法はAndroidを使うことです。

いま手に入るChromebookのほとんどは、Google PlayストアからAndroidアプリをインストールできるオプションが提供されています。たくさんの人気の高いアプリがChromebookで利用できます。

Androidのゲームで不便な点は、多くのゲームがタッチスクリーン用にデザインされていてキーボードやマウスでは操作ができないことです。

タッチスクリーンを装備したChromebookを使っている場合は、Androidタブレットを利用しているのと同じようにこういったゲームをプレイできます。

Chromebookはネットブックの精神的な後継者だ

安価であり、シンプルであり、インターネットのためにデザインされている一方で、本格的なアプリも実行できることから、Chromebookはより広範なウェブベースの作業をおこなう上では、スマートフォンやタブレットに対する実用的な代替え案となりえます。

こういった理由から、Chromebookは2000年代後半のネットブックの代替えになると考えられます。購入のしやすさや分かりやすさ、セキュリティを考慮すると、ChromebookがWindowsのラップトップに真剣勝負を挑んできた理由は容易に理解できるでしょう。

Chromebook(クロームブック)のメリット・デメリット|WindowsやMacより優れている点は? | ライフハッカー・ジャパン https://www.lifehacker.jp/article_images/what-is-a-chromebook/?p=1

見落とすな! Chromebookで生産性を上げる小技4選 | ライフハッカー・ジャパン https://www.lifehacker.jp/article/2207chromebook-matome/

Original Article: 3 Reasons Why Chromebooks Are the Spiritual Successor to Netbooks by MakeUseOf