フロー状態」で仕事や作業をすることについては、何度も聞いた事があると思いますが、実際には一体どういう状態なのでしょう?

まず、このよく使われるビジネス用語のような言葉には、実はかなり深い意味があります。フロー状態とは、その時やっていることに集中する、いわゆる「ゾーン」のような状態ですが、多くの心理学の研究で裏付けされたものです。

フロー理論とは何か?

1970年、心理学者ミハイ・チクセントミハイ氏が、水に浮かんで流されている時と似たフロー状態の理論を提唱しました。

それは「人間の脳は、何の問題もなく押し流されるように前に進んでいる時に、とても効率良く働く」という理論です。

チクセントミハイ氏は、いつ、どのように最適に能力が発揮されるのか、また私たちが日常生活にどのようにフロー状態を取り入れられるかを理解するために、最高の状態のアーティストやアスリートにインタビューをしました。

フロー状態に関する著書もたくさんありますが、ここでは知っておくべきフロー状態の主な8つの特徴を紹介します。

フロー状態に入っている時の8つの特徴

チクセントミハイ氏の研究では、フロー状態の明らかな8つの特徴について次のように説明しています。

  1. 完全に作業に集中している。
  2. 頭の中で目標が明確であり、すぐにフィードバックを得られる。
  3. 時間の感覚が速くなる、遅くなるなど変容する。
  4. 作業自体に満足感ややりがいを感じる。
  5. 肩に力が入っていない、楽な感覚がある。
  6. 作業はチャレンジングだが、それができるだけの能力がある。
  7. 自分を意識しておらず、行動と意識が一体となっている。
  8. 作業を自分でコントロールしていると感じる。

「ディープワーク」や、Cal Newportの定義する完全に没頭して、集中して仕事をしている状態などを知っている人は、それと同じように思うかもしれません。この2つの考え方は非常に似ていますが、実現するにはいくつか必要なことがあります

フロー状態に入るには?

上記のフロー状態の特徴からも明らかなように、作業中にフロー状態を感じるかどうかは、その作業の習熟度とリソースが大きな役割を果たします

当然ながら、完璧に準備したことをやっている時だけフロー状態になる確率が高いので、ほかの人の手助けが必要なことや、自分にないリソースやスキルが必要なことをやっている時は、フロー状態を目指さないようにしましょう。

フロー状態になりたい時は、重要かつ努力が必要な作業をしなければならない時にしましょう。

たとえば、「1-3-5の法則」でその日やるべきことの計画を立て、一番大きなタスクにたいして十分に準備し、すべてのリソースを投入するのが良いです。

気が散っているときにする仕事は質が落ちるという、「カールソンの法則」も頭に入れておきたいところです。

色々なことに気を取られている場合、フローはおろか仕事自体もできないので、ほかに何もやるべきことがなく、完全に集中できる時に、大きなタスクをやるように予定を組みましょう

「タイムボックス」を使って分単位で自分の予定の時間を割り当て、できれば自分の予定を公開し、同僚や会社の人に空いていない時間を知らせましょう。

一生懸命仕事や作業をしているのに、フロー状態のような感覚がない場合は、上記のフロー状態のリストを見直して、足りないものは何か確認してください。

気が散っていないか? すぐにフィードバックを得られていないのでは? 必要なリソースが足りていないのか? 自分のスキルに対してチャレンジングすぎる、もしくは集中力を保つのに十分なチャレンジが足りない作業ではないか?

一番足りていない特徴を見極めれば、問題を解消し、大きな生産性を生み出すフロー状態に近づけるはずです。

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Source: The National Center for Biotechnology Information