スポーツジムと言えば、大きな鏡がつきものです。
トレーニングルームの四方を鏡が取り囲んでいる施設もあれば、ダンベルラックの周辺だけが鏡張りになっている施設もありますね。
鏡に映った自分の姿を見ることで、正しいフォームで鍛えるべき筋肉を使ってウェイトを持ち上げてられているかどうかを確認できます。
では、鏡がないガレージでウェイトリフティングをする時は、どうしたら良いのでしょう?
実のところ、これはあなたの家のガレージ(あるいはリビングや裏庭)に限った話ではなく、世の中に鏡のないトレーニングスペースは山ほどあります。
たとえば、クロスフィット認証ジム(通称「ボックス」)はたいていの場合、鏡がありません。
私の実体験(とインスタグラムでこっそり調べた結果)から言うと、パワーリフティングの愛好家や、重量挙げの競技に出場する選手、「世界最強の男」コンテストの出場者向けのジムで、壁一面が鏡張りになっているところを見たことはないと思います。
ジムの壁が鏡張りになっている理由
ジムに鏡が置かれるようになったのは、ボディービルのトレーニングに端を発しています。
ボディービルでは、特定の筋肉のグループをターゲットにして、筋肉を鍛えます。
鏡に映る自分の姿を見れば、意図したとおりの正確な動きができているかどうかを確認するのに役立ちますし、筋肉が動いているのを目で確かめられます。
一方、パワーリフティングやウェイトリフティング系のジムでは、鏡を見かけることはあまりありません。
鏡はあっても小さめで、ダンベルのそばに置かれています。ここに置かれるのにはちゃんとした理由があります。
ラテラルレイズ(両手にダンベルを持ち、腕を真横に持ち上げる動き)をしている時は、鏡があれば、両方の腕を均等に持ち上げているかをチェックできます。
バイセップカール(両手にダンベルを持ち、手前から肩に向かって引き上げる動き)の場合は、ひじを正しい場所に置き、胴体の力を使って「ズル」をすることなく、上腕二頭筋(バイセップ)だけを鍛えられているかを確かめることができます。
鏡の前でウェイトリフティングを行なうと、鏡に映る自分の体が目に入り、自分の見た目を気にせざるを得なくなります。
これにはメリットもありますが、自分の体との関係によってはデメリットになる恐れもあります。
私自身、鏡の前でエクササイズをしていて、自分のイケているところに気づいてうれしくなったこともありますが、その反面、自分に対して厳しい目を向ける心境に陥りがちです。
エクササイズに鏡が不要なケースは?
複数の部位を同時に動かす必要があるコンパウンド種目(多関節運動)のリフティングの場合は、感覚で正しい動きをつかめるようにならなければ上達はおぼつかないものです。
かなりのウェイトリフティングの経験を持つ人が、デッドリフトを行なう際に視線を向ける先を注意深く観察してみましょう。
まずバーベルに近づき、足のポジションを決めるために目線を足元に向け、バーベルをしっかりと見てバーを握ります。
リフティングを行なう際には、真正面を見つめているはずです。近くに鏡はありません。そんな必要はないのです。
ただ、私が目にした無数のフォームチェック動画では、まだ自信がない初心者は、そばに鏡を置いてリフティングをする傾向がありました。
こうした人は、バーベルに近づき、足のポジションをセットする際に鏡を見ます。バーを見て手を置くと、全体の見た目を確かめるために振り返ってまた鏡を見ます。バーベルを持ち上げる時はまた真正面に向きますが、持ち上げると、すぐにまた鏡に視線を向けるのです。
こうしてひっきりなしに首を回しているので、リフティングの流れや集中力が削がれてしまいます。
動画を見ていると、こうした初心者が、実際の体の感覚よりも「きちんとしたフォームに見えているかどうか」を気にしているのが伝わってきます。
昨年までは、私も鏡張りのジムでトレーニングをしていたものです。スクワットをする時は、常に鏡に向かっていました。こうすることで、十分に低くかがみ込んでいるかを簡単に確かめられるからです。
でも、パワーリフティング大会に出場するための準備をする中で、目で見るチェックだけに頼っていてはダメなことに気づきました。
必要なだけ深くしゃがみ込んだことが「感覚でわかる」必要があるのです。
そこで、自分の腰だけを凝視するのをやめ、特に視点を定めずに正面を見ることにしました。
それからすぐに、適切なポジションになったことを体の感覚で把握できるようになりました。
鏡以外でフォームを確認する手段は?
鏡がなくても、動画を撮影すればフォームを確認できます(あるいは、信頼できるジム友がいればそうした人たちに意見を聞くのも良いでしょう)。
バーベルに向かい自信を持ってエクササイズを行ない、どんな風に見えていたかを動画で「あとで」チェックするわけです。
動画でのフォームチェックは、大きなバーベルを持ち上げるウェイトリフティング以外にも使える方法です。
携帯のカメラの前でラテラルレイズを試してみましょう。あとで動画を見て、正しいフォームでレイズができているかどうかを確かめれば、自分でフォームを修正できます。
鏡のない場所でトレーニングをするのは、最初は違和感があるでしょう。
でも、エクササイズの正しいやり方はあなたの体が覚えているはず。きっと慣れるので大丈夫です。
──2021年1月20日公開記事を再編集して再掲しています。
そもそも「体幹を鍛える」メリットって?プランクからつくるベストコンディション | ライフハッカー・ジャパン https://www.lifehacker.jp/article/2405-lifehacker-why-you-should-plank-before-squats-or-deadlifts/
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Source: ACE