ランニング初心者であれば、おそらく「走るスピードが速すぎるので、速度をもっと落とすべきだ」というアドバイスを聞いたことがあるでしょう。

私もそうアドバイスしました。当社のレジデントマラソンランナーであるメレディス・ダイエッツもそのようにアドバイスしました。

しかし、今日は逆の視点を提案したいと思います。すなわち、「速すぎる」けれど効果的でもあるような走り方について、すべてご紹介します。

なぜ走るペースを落とすべきだと言うのか

まとめると、ほとんどの初心者ランナーがまだ楽に走る方法を知らないため、誰もが初心者ランナーに速度を落とすようにいうのです。

楽なペースのランニングは、トレーニングの基本中の基本。 疲労を低減させられるため、常にペースを上げるよりも週ごとにランニング距離をより延ばすことができます。

もし全力疾走しか知らないようであれば、楽なペースを見つけることはできません。それでは正しいジョギングの方法がわからないままでしょう。

全力疾走で走ると、息を切らして走り続けることになります。そうなるとランニングを続けることに不安を覚えるでしょうし、シンスプリント(脛骨過労性骨膜炎)やランニングに対する恐怖感も高まるでしょう。

これらのポイントは間違ってはいませんが、これがすべてというわけでもありません。ですが、ひとまずゆっくり走るペースを見つける努力をすべきです。

また、ランニングを命がけのレースのように考えるのではなく、ランニングが比較的楽に感じられることを目指すべきでしょう。

しかし、注意点はいったん置いておいて、より速く走ることにもそれなりの効果がある理由について見ていきましょう。

ちゃんと走れているか?

もしあなたのランニングのペースがとてもゆっくりである場合、たとえば1.6kmあたり13から15分、もしくはランニングマシンで時速6.4km程度であれば、全体的に見てランニングの努力を緩やかにキープすることに成功しています。

しかし、体の動きに注目してください。

あなたの足は、軽快な走りではなく、ゆっくり地面を擦るように動いていませんか?

地面を擦るようにゆっくり走ること自体は悪いことではありません。ウルトラマラソンを走るどのランナーも、この走り方を信頼できるペースの一つと考えています。

しかし、ランニングの種類はそれだけではありません。

要は、ランニングは単なるゾーン2の有酸素運動というだけではなく、練習を要するスキルなのです。

より体力がついて、少し速く走れるようになると、両方の要件を同時に満たすことができます。しかし、それまでは、少しでも構いませんので、速いランニングを混ぜてみてください。

ストライド走を試す

「ストライド」とは、足を速く動かし、疲れる前に速度を落として止まる、という非常に短いインターバルのランニングのこと。

これはランニングの最後に行なうこともできますし、単調さを打破するためにランニングの途中で行なうこともできます。

速いペースで加速し、それを数秒間維持。それから徐々にスピードを落として止まります。再びはじめる前に1〜2分休憩してください。

ランニングコーチのジェイソン・フィッツジェラルドが以前語ったように、「ストライド走法は、速く走ることを難しくすることなく、速く走る練習をする素晴らしい方法」です。

インターバルトレーニングも効果的

一定でゆっくりとしたペースでのランニングは有酸素フィットネスを構築するのにすばらしい方法ですが、それだけが方法ではありません。

インターバルトレーニングが初心者や中級ランナーのスピードアップに役立つという考えは、多くの研究(そして実際の経験)によって裏付けられています。

インターバルは、激しい運動(速いラン)と、ウォーキングなどの簡単な運動または完全な休憩を交互に行なうトレーニングです。

ランニングコーチの中には、ランニング初心者はある程度経験を積んでから、計画的なインターバルを組むべきだとアドバイスする人もいます。

しかし、これは一般的な考えではありません。

少しだけ取り入れることからはじめる限り、いつでもインターバルを追加できると考える人もいます。

インターバルトレーニングの3つの方法

初心者や中級者ランナーに効果があることが、研究で示されているインターバルの方法をいくつかご紹介しましょう。

インターバルタイマーのアプリを設定するか、昔ながらの方法を使って時計で時間をチェックするか、どちらでも大丈夫です。少なくとも5分間ウォームアップを行なってから、10〜20分ほど次のいずれかに専念します。

  • 30-20-10:30秒間ウォーキングをして、そのあと20秒間、中程度のペースで走り、最後の10秒間は速く走ります。各セットの所要時間が正確に1分であることに留意してください。このセットを5回行ったら、2分間休憩します。これを好きなだけ繰り返してください。
  • 30秒/30秒:これはもっと簡単。30秒速く走ったあと、30秒休む、を繰り返します。これを数セット行なったあと、数分間の休憩を取ります。(経験豊富なアスリートであればこれを8〜10セット行ない、それをさらに複数回繰り返します。少ない回数からはじめても構いません)
  • 短い「最大酸素摂取量」インターバル:一般的に、最大酸素摂取量(有酸素運動の1つの指標)を向上させるためのインターバルは3〜5分で、休憩も同じぐらいの長さだと言われています。しかし、1分運動、1分休憩のような短いインターバルで最大酸素摂取量を向上させることも可能です。1分間のインターバル走を10回行なうと、合計20分かかります。はじめは少ない回数からはじめても構いません。

これらすべての方法で重要なのは、ランニング中、常に全力疾走するのではなく、再度走り出す前に短い休憩しかないことを意識して、少しスピードを抑えて走ることです。

最初の数回のインターバルは、簡単すぎるくらいに感じるべきです。しかし、終わりに近づくにつれて、負荷をより感じるようになるでしょう。

「速く走る」を楽しむ

ゆっくりとしたペースで走ることは、イライラしたり退屈したりするかもしれません(そもそもこのことが、ゆっくり走ることを学ぶのが難しい主な理由だと私は思います)。

ゾーン2や楽なランニングなど、有酸素ベースの構築ことなど重点を置いてしまうと速く走ることの楽しさを見落としてしまいます。

楽しんでいいんです。一定の心肺フィットネスレベルを達成することで、速く走る権利を 「獲得 」する必要はないのです。

心拍数や速度を監視するために、ランニングの時に毎回腕時計に釘付けになって走る必要はまったくありません。

ファートレック(Fartlek)を試してみる

ファートレック(Fartlek)」はスウェーデン語で「スピードで遊ぶ」という意味を持つ言葉。

ファートレック走の唯一のルールは、ルールがないこと。何でもありです。

Stravaを使用している場合は、あなたの身近な「セグメント」を調べてみてください(「セグメント」とはこのアプリのユーザーが非公式に互いにレースをする時に設定するロード/トレイルの区間のことを指します)。

セグメントのスタート地点に好きな方法で行き、その後はゴールに向かってスピードを上げます。そのエリアのトップ10に入れなかったとしても、自分の過去の成績との相対的な差を見ることができます。

どんなアプローチを選ぶにせよ、ぜひ楽しんでください。

速いランニングも1つの選択肢

今回紹介したより速いスピードのトレーニングをすべて行なう必要はありませんし、ゆっくりとしたランをやめる必要もありません。

体力を向上させるためには、トレーニングの少なくとも半分を、息切れすることなく会話を続けられるくらいの無理のないペースで行なうようにしてみてください。

しかし、速いランニング方法を含めても大丈夫です。たとえば、簡単なランニングの最後に数回ストライドを行ったり、特別にインターバルを行う日を設けたりすることもできます。

そして最後に、どのようなランニングでも、一定のペースを維持する力を鍛えている限り、ウォーキングとランニングを交互に行なうことは問題ありません

「楽に走る」と決めた日に、歩いたり、走ったりしなければならないなら、走る時はゆっくり走る、歩くときは速足で歩くように心がけてください。時間とともに、一つのより簡単なペースに落ち着いていくでしょう。

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