ヘッジファンドの巨人であり、「ニューヨーク・メッツ」のオーナーでもあるスティーブ・コーエン氏は、週4日労働(英文記事)が米国各社の目前に迫っていると予測しています。

著名トレーダーであるコーエン氏は2024年4月3日、AIの進歩(英文記事)が、米国における週4日労働の導入を後押しするだろうと示唆しました。

「AI時代がはじまりつつあります」と、コーエン氏はCNBCに語りました。

一般的に、金曜日は全然だめ、金曜日は生産性が低い、という話を耳にします。ですから、AIの登場に伴い(週4日労働は)起こりうると思います。

こうも述べました。

正確な時期はまだ定かではないものの、コーエン氏は当然のことながら、労働日数の短縮に伴って生じる投資機会に目を向けています。週の労働日数が短くなれば、最終的には、レジャー経済圏で事業を展開する企業に利益がもたらされるはずです。

これは、旅行から体験に至るまでのあらゆることに当てはまります。彼が最近PGAツアー(プロゴルフツアーを運営する団体)に投資したのも、1つにはそれで説明がつきそうです。

週4日労働の概念は、決して新しいものではありません。リチャード・ニクソン氏は副大統領時代に、この考えを検討したことがあります。それから60年が経ち、メリーランド州では、パイロットプログラムを通じて週労働時間の短縮を検討する法案が議会に提出されました。

結局この試みは、2023年3月に法案提案者が取り下げたため、失敗に終わりました。コストの問題や、議員たちが新しいことに挑戦したがらなかったことが理由です。

けれども、2024年3月にバーニー・サンダーズ上院議員(無所属、バーモント州選出)が週4日労働を全国的に導入する法案を発表(英文記事)したことで、同様のそしてより広範な概念が復活しました。サンダース上院議員の法案は、標準的な労働時間を1週間に40時間から32時間に短縮することも求めています。

サンダース議員は、法案を発表した3月の声明で、「賃金カットなしで週32時間労働へ移行することは、過激な考えではありません」と述べました。そのコストを持つことになる企業経営者たちは、サンダース氏の意見に同意しない可能性が高く、今のところ、合意形成の足取りはおぼつかないものです。

週40時間労働は、1938年に米連邦議会が公正労働基準法を可決して以来、社会をかたちづくってきたものです。これを乗り越えるのは難しいでしょう。

さらに1世紀さかのぼれば、労働条件はもっと劣悪でした。産業革命期には、労働者は週に80から100時間の労働を強いられていました。1866年には全国労働同盟(National Labor Union)が創設され、1日8時間労働制を定着させようと働きかけました。これは失敗に終わったものの、労働時間の短縮に対する世論の支持を集めるのに役立ちました。最終的には、先述した1938年の公正労働基準法の制定につながったわけです。

サンダース議員の提案に関しては、ビル・キャシディ上院議員(共和党、ルイジアナ州選出)をはじめとする共和党の議員たちがすでに反発しており、小規模企業の人手不足を悪化させると反論しています。

ヘッジファンド会社「Point72」を所有するコーエン氏の場合、金曜日に市場が開いている限り、週4日労働は、彼の社員やトレーダーには当てはまらないとしています。「われわれのことはさておき、大多数の人々はいずれかの時点で、週末が3日あるようになるでしょう」と同氏は述べています。

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