毎朝、コーヒーを淹れて飲むのが習慣の私。1日のはじまりに美味しいコーヒーを淹れられると、その日は良いことがあるような気がする。

手に入れられる範囲でいろいろな道具を試して行き着いた、かれこれ5年ほど愛用しているコーヒードリッパーを紹介したい。

美味しいコーヒーが淹れられる秘密は?

torch「ドーナツドリッパー」

行きつけのカフェの一つで、こだわりの豆を使って中深煎り〜深煎りコーヒーを美味しく淹れてくれるお店がある。

しかし、私が同じ豆を買って自宅で淹れてみても、お店で飲んだような味にならない……。

聞いてみたら「ドリッパーが違う」という。そこで教えてもらったのがtorchのドーナツドリッパーだった。

このドリッパーは、コーヒーの粉を入れるドリッパーと木枠が別々になっており、組み合わせて使うタイプのものだ。

深煎りコーヒーを美味しく淹れられるように開発されたというが、一般的なドリッパーと違う特徴が2つある。

1つ目は縦に長い形状。普通のドリッパーよりも角度があることで、お湯がドリッパーを通る時により多くの粉に触れることになる。

縦に長い構造が特徴的だ。

2つ目は、底に空いた大きな穴。コーヒーの層を通ったお湯が、底にとどまらずにスムーズに抜ける。これが、コーヒーの風味はしっかりありつつ、スッキリした味わいを生んでいるのだと思う。

内部には段差があり、しっかりとしたコクを生み出す仕掛けになっている。

淹れ方のコツ

特殊な形状のドリッパーの場合、専用フィルターが必要なこともあるが、ドーナツドリッパーには市販の台形フィルターをそのまま使用可能。これは嬉しいポイントだ。

ただしそのままだとドリッパーの形に合わないので、斜めに折って使う。

底面の長さを4センチほど確保するのがコツ。

ポイントは、豆をあまり細挽きにしないことと、沸騰後にやや冷ましたお湯(開発者の中村さんの著書によると80〜90℃程度)をゆっくり注ぐことだ。

あまり細挽きにしないのがコツ。

詳しくは公式サイトに淹れ方の解説があるので、参照してみてほしい。

またドリップの時間を短縮したい場合は、裏ワザもある。手持ちのコーヒーサーバーに挽いた豆とお湯を入れてスプーンでかき回し4分ほど放置したのちに、ペーパーをセットしたドリッパーで濾すという。

実際にやってみたら、この方法でもそれなりに美味しいコーヒーになった。丁寧でもラフでも、それなりに味が決まるのがこのドリッパーの嬉しいところだ。

天然木使用のため、お手入れには注意

このドリッパーは、見た目の美しさもポイントだ。

ドリッパー部分は美濃焼で製作されており、受け部は、ビーチ(ブナ)材を使用している。どことなく北欧テイストもあり、インテリアにもなじみやすい。

このドリッパーの存在を教えてくれた行きつけのカフェでは、窓辺にも飾っていた。

ただし、受け部は天然木のため濡れたまま放置するのは厳禁だ。淹れた後しばらくはドリッパー本体も熱いので、ついそのままシンクに放置してしまうことなどないようにしたい。

私は無造作にそれを続けた結果、いつの間にか木枠部分が歪んでしまった……。

新品(下)と比べると歪み具合が良く分かる。

そのような面倒さもあるが、プロがドリップしたようなコクとスッキリ感が両立するコーヒーを自宅でも淹れられる「ドーナツドリッパー」は手放せない。これからも愛用したいと考えている。

執筆・撮影:美里茉奈

(撮影協力 Douce cafe nanjo)

Source: torch

Business Insider Japanより転載(2023.12.21)