つい先延ばししてしまうとか、集中力が続かないとか、忘れっぽいとか、やる気が出ないとかーー。

日常生活のなかで、そういった悩みに直面することはあるものです。しかもそんなときは、自分のやる気のなさや性格に原因があると考えて、「自分はダメな人間だ」などと思ってしまいがち。

ところが作業療法士である『「できない自分」を脳から変える行動大全』(菅原洋平 著、扶桑社)の著者によれば、そういった悩みの大半は精神論の問題ではなく、人間の持つ“生理的な仕組み”によるものなのだそう。

普段なにげなく行っている行動パターンや、クセになっている生活習慣が、脳と体の連携を邪魔していたり、自律神経の本来の力を発揮できなくさせたりしているというのです。

しかし、そうなのだとしたら、正しい知識と科学的なアプローチをもとに行動習慣をちょっと変えれば、「できない」と思っていたことが「できる」ようになるはず。そうすれば必然的に、仕事や日常生活のパフォーマンスは向上することでしょう。

そこで、本書の出番です。

本書では、脳に効率よくパフォーマンスしてもらうためのちょっとした行動習慣を、100項目集めてご提案しています。

私たちがこれまでクリニックでの臨床や企業内研修の現場で取り組んできて、みなさんから「これは意味があった」「なるほどと思った」と言っていただけた習慣ばかりを集めました。(「はじめに」より)

ポイントは、どれも「ちょっと試してみて、すぐにできそう」なことばかりだということ。

そんな本書のなかから、多くの方を悩ませているに違いない「やるべきことを先延ばしにしてしまう」ことについての対処法をクローズアップしてみたいと思います。

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テレビリモコンの定位置を決める

ついテレビをダラダラ見続けてしまう人は、「好きだから仕方ない」と脳内でなんとなく理由づけをしているもの。

無意識のうちにリモコンに手を伸ばしてしまうのは、視界に入ったものを自動的に手に取るという指令が脳内から出ているためなのだというのです。

そこで、“無意識のテレビタイム”に陥らないためには、そもそもリモコンを目にしないことが重要。簡単すぎるような気もしますが、著者によればこれは効果的なことであるようです。

試しに、リモコンをその辺に置くのではなく、使い終わったら同じ場所に戻すようにしましょう。

すると、リモコンを取りにいく際に「今からテレビを見ようとしている」と脳が自覚して、望ましくない行動を踏みとどまることができます。(15ページより)

また、一連の動作を脳内でイメージする「メンタルプラクティス」を行うことにも意味があるといいます。

そうすることで、実際に体を動かさなくても、動作の結果を脳に対応させることが可能だからです。脳が余計なエネルギーを消費せずにすむので、継続しやすくなるわけです。(14ページより)

会議が終わったら、そのまま議事録を1行だけ書く

「会議が終わる」までを一連の作業として脳に保存していると、「議事録をまとめる」という行為は脳にとって別のタスクになるため、先延ばししたくなってしまうのだとか。

したがってそんなときは、「議事録を1行だけ書く」までが「会議」という一連の作業の区切りだと脳に覚え込ませることが大切。

そのように「次になすべきこと」を脳に下見させて準備してもらう働きを、「フィードフォワード」というのだそうです。

そんなとき、議事録をすべて仕上げる必要はなし。あくまで脳に「新しい作業の区切り」を見せ、「自分は次の作業に手をつけてからやめる傾向にある」と学習させるのが目的だからです。

たとえば、会社から帰ってきて資格試験の勉強をするのをサボってしまうとしましょう。そんなときは、「勉強ノートに日付を書いたらダラダラしていい」と決めるだけでも有効だということ。

その法則を脳に覚え込ませれば、やがて帰宅したら自然と勉強ノートを開けるようになるわけです。(16ページより)

やりたくないことはルーティンの間にやる

脳が新しい行動を選ぶとき、体はそのリスクに対応するために“高代謝状態”をつくって身構えるのだそうです。すなわちそれが、新たなことを始めようとしたときに不安になったり、嫌な気分になったりする原因。

一方、いつもどおりの行動をしているときには脳も体も安定しているもの。そこで、やりたくない仕事があったら、それを毎日のルーティンの間に割り込ませたり、慣れない作業のあとにはいつもどおりの行動をすることが大切。そうすれば、身構えたりすることなく、自然な流れで行うことができるようになるといいます。

なお、人は起床後、帰宅後、入浴後の行動はルーティンになりやすい傾向があるそう。つまり気が進まないことがあるなら、そのタイミングを狙えばいいのです。(18ページより)

まず2割進めた段階で進捗状況を報告する

仕事の報告や資料作成などの際、完璧を求めるあまり時間がかかり過ぎてしまうという人は少なくないはず。

しかし、そもそも作業に“完璧”はないのです。それに、ミスを犯さないことや、見やすいレイアウトにこだわったりすることが目的かすると、時間だけが過ぎて苦しくなってしまうもの。

そこで、「仕事はひとりではなく、相手と共有して進めていくもの」という意識で、まずは2割程度出来上がった段階で一度、相手に報告することが重要。

自分だけだと視野が狭くなり、間違いに気づかない“構え効果”という現象に陥ってしまうことがあります。だからこそ、そんな状態から抜け出すために、他者から異なった視点に基づく意見をもらうべきなのです。(23ページより)

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行動を少し変えてみるだけで、気分や考え方は変わるもの。そしてそう実感できると、「自分の脳や体は、自分で変えていける」ということがわかり、“発揮できる力”が増えていくのだといいます。そこで本書を活用し、「できる」ことを増やしていきたいものです。

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Source: 扶桑社