マーケターという職種について、「誰も思いつかないようなアイデアを提案する人」「組織や顧客が抱える課題をあざやかに解決する人」「社会の空気を敏感に感じ取り、ヒット商品を連発する人」というようなイメージを持っている方は少なくないかもしれません。

しかし、マーケターに求められる能力を“センス”というような感覚的なことばで片づけることはできないと、『マーケター1年目の教科書』(栗原康太、黒澤友貴 著、フォレスト出版)の著者は主張しています。

また、長らくマーケティング業界に関わってきた結果、プロジェクトを成功に導くマーケターには以下の共通した行動パターンがあることに気づいたのだとか。

「センスの良い人がマーケティングの成果を出しているわけではない」

「センスではなく、とるべき行動を理解している人が成果を出している」

(「はじめにーーマーケティング・パターンとは何か?」より)

そこで本書では、成果を出しているマーケターに共通している行動パターンを体系化しているのです。当然ながら根底にあるのは、「誰もが再現性を持って成果を出せるようにできないか」という思い。

つまりここにまとめられたマーケティング・パターンを活用すれば、リスクを避けながら成果を生み出すことができるというわけです。

きょうはマーケティングの第一段階に焦点を絞った第1章「調査」のなかから、「顧客にインタビューする」に注目してみたいと思います。

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顧客にインタビューしたほうがいい理由

マーケティング戦略を立案したり、施策の改善を行ったりするためには、まずマーケティング活動の対象となる顧客のことを理解する必要があります。

しかもその際には、ネットリサーチのような定量調査や、Google Analytics、広告アカウントなどの定量データを参考にするだけでは不十分。本質をつかむためには、顧客の生の声をインタビューする定性データも重要な意味を持つということです。

もちろん定量データからも、それなりに有用な核心を得ることは可能かもしれません。しかし、そこに顧客インタビューのような定性データを組み合わせることで、より早く、より精度の高い仮説を立てることができるわけです。

筆者も一時期までは、定量データのみからマーケティング戦略・施策を立案していたが、ある機会に顧客へのインタビューを行なった際、得られる情報のあまりの多さに衝撃を受け、それ以降は顧客へのインタビューを定期的に行なうようにしている。

今では顧客の生の声を聞かずに施策を考えるのは効率が悪いと感じているほどである。(8ページより)

顧客のことばのなかにこそ、突き止めるべき本質が隠れているということなのでしょう。(8ページより)

ポイント1:インタビューの目的を明らかにする

顧客へのインタビューを設定する前には、「どのような目的でインタビューを実施するのか」を明確にしておくことが大切。なぜなら、「マーケティングメッセージを考えるため」「商品企画のため」「コンテンツを作成するため」など、目的によってインタビューすべき相手や、聞くべき内容は変わるからです。(9ページより)

ポイント2:入念にインタビューの準備を行う

目的を明確にしたあとにするべきは、

・誰にインタビューをするのか

・どのような質問をするのか

・何人に聞くか

・インタビュー対象者をどのように集めるのか

(9ページより)

を決めること。

その場で臨機応変に聞き出すのもいいかもしれませんが、慣れないうちは事前に質問項目をしっかり洗い出しておいたほうが、インタビューの質を高めることができるわけです。(9ページより)

ポイント3:業務プロセスに落とし込む

顧客へのインタビューをマーケティング成果につなげるためには、とても重要なことがあるそうです。それは、顧客インタビューを1回だけのイベントで終わらせず、組織の仕組みとして定着させること。

四半期に一度、半期に一度など、一定期間ごとに実施するルールをつくってもいいでしょう。あるいは、商品企画や新しいキャンペーンの企画をする際の業務プロセスに、「顧客の声を集めること」を必須にしておいてもよいかもしれません。(10ページより)

成功に近づく3つの観点

実践者の声として、ここではリサーチャーの菅原大介さんの意見が紹介されています。そのなかから、“成功に近づく3つの観点”をご紹介しましょう。

① 時間軸・生活軸で把握する

調査対象物がいつ・どこで・どのように使われているのかを把握すること。

たとえば、クリアファイルの長所を「仕事の合間にもファイルのビジュアルを見ていられるから」(時間軸)、「持ち運ぶのに軽くて便利だから」(生活軸)という観点で女性から支持されていることを確認できると、それは役立つ情報になるはず。

② 受け入れられている理由を把握する

調査対象物がどのように調査対象者に受け入れられているのかを把握すること。

QUOカードの長所について「金券として使える」というような代表的意見以外に、「人目に触れずに財布などで持ち運びできるので安心」と男性に愛用されていることがわかれば、定量調査では得られない“顧客インタビューの価値”を実感できることになります。

③ ビジネス判断の根拠となる意見を集める

どういう条件なら調査対象物を利用してくれるのかを把握すること。

スマホの待ち受け画像がプレゼントになることがありますが、「他社がやっているから」ではなく、インタビューを通じて「男女ともに嫌われる要素がなく、全方位ターゲットの当社に最適」という状況を確認できれば、自信を持って投資判断ができるわけです。

このようにインタビューでは、対象者に直接情報を尋ねるからこそ得られる情報を引き出せるのです。(10ページより)

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「調査」に続く以後の章では、「戦略」「集客」「提案」「支援」「測定」「組織」についてわかりやすい解説が展開されていきます。

ここに網羅された“勝ちパターン”を身につけ、マーケターとしてのセンスを磨いてみてはいかがでしょうか?

Source: フォレスト出版