月組男役スターとして高い人気を誇り、2019年に宝塚歌劇団を卒業してからも、豊かな感性を生かしてファッショナブルな活動を続けてきた美弥(みや)るりか。その美意識が凝縮したようなステージ「the Wonder『MIYA COLLECTION』」が、大阪公演を経て2月28日に東京で千秋楽を迎える。

同作は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、2020年2月に初日直前で中止となったが、1年ぶりに上演が実現。無事に開幕した大阪公演の舞台上で美弥は、「奇跡のように1年後にみなさんとお会いすることができ、この景色を見ることができて胸がいっぱいです」と、感無量の様子であいさつした。

「私にとってたくさんの挑戦がある作品」と舞台上で美弥が明かしたステージは、ジェンダーレスな個性を放つ彼女のオーラが炸裂。冒頭からストーリー性のあるファンタジーのようでもあり、お洒落なファッションショーのようでもあり、4人の豪華な振付家(大澄賢也 、KAORIalive、桜木涼介、港ゆりか)のニュアンスを表現する濃厚なダンスショーでもあり、と枠にとらわれない不思議な魅力のエンタテインメントに。

1幕はパリやニューヨーク、アフリカなどを旅する流れになっており、場面ごとに生澤美子デザインの粋で遊び心あふれる衣装を次々と着こなしながら、ダンサーたちと激しく妖艶に歌い踊り、磨きのかかった目力で観客の心を射抜く。

2幕は日替わりゲスト(東山義久・平方元基・伊礼彼方)とのダンスコラボやデュエットを、トークとともに届けるなど、彼女の飾らない素顔が見えるひとときも。大阪初日には東山が美弥のことを、「男性、女性とかではなく、人間として美しい!」と打ち明け、美弥も東山の知られざる面を引き出し、和気あいあいとしたムードになった。

また作品の世界観に溶け込み、確かな実力を見せた元花組トップ娘役・仙名彩世(せんな あやせ)は、美弥とのデュエットのほかに圧巻のソロナンバーも披露。美弥が「エネルギッシュさと娘役らしさをもっているゆきちゃん(仙名)のファンだった」と、自らラブコールしたことを話すと、仙名は美弥の衣装の着こなしなどについて熱く語った。

全体の楽曲は、舞台『グッドバイ』や宝塚作品などの音楽を手掛ける瓜生明希葉のオリジナル『Mirror』に始まり、洋楽邦楽問わず幅広いラインナップ。音楽に詳しい河原雅彦の演出が冴えていて、幕間などに流れるBGMにまでセンスを発揮していた。

同作は2月19日から21日に「梅田芸術劇場メインホール」で上演後、2月25日から28日まで「日本青年館ホール」にて上演。

取材・文/小野寺亜紀