日本文化の歴史と伝統を体現する都市・京都。同時にこの街には明治以降の近代建築が数多く残っており、「生きた建築博物館」という側面も持っている。そんな建築の名作が、現在「京都市京セラ美術館」(京都市左京区)で開催中の展覧会『モダン建築の京都』で堪能できる。

本展では36のプロジェクトを7セクションに分けて取り上げており、図面、模型、写真、映像、家具など膨大な資料を通して京都のモダン建築の魅力を伝えている。

そのラインアップは、「琵琶湖疏水」と「旧御所水道ポンプ室」、「京都市明倫尋常小学校」(現・京都芸術センター)、「帝国京都博物館」(現・京都国立博物館)といった公共建築、「長楽館」(旧村井吉兵衛京都別邸)や「下村正太郎邸・中道軒」(現・大丸ヴィラ)などの邸宅、「同志社クラーク記念館」などのミッション建築、戦後建築を代表する「国立京都国際会館」など、京都が誇る名作ばかり。しかもそれらすべてが現存しているのだから、さすがは京都と言うしかない。

展示室内には、京都の老舗喫茶店「フランソア喫茶室」や、「国立京都国際会館」などの椅子が並べられ、実際に座れるコーナーが設けられており、記念撮影できるのがうれしい。また、紹介されている建築の内10カ所以上と連携しており、特別公開や館内ツアー、特別メニューの販売がおこなわれる(詳細は美術館HPで要確認)。

展覧会を見た後で実物を体験すれば、京都の魅力をより体感できるだろう。12月26日まで、一般1900円ほか。

取材・文/小吹隆文(美術ライター)