松本潤主演で、徳川家康の人生を描く大河ドラマ『どうする家康』(NHK)。11月19日放送の第44回『徳川幕府誕生』では、将軍となった家康が新たなフェーズに入ったその裏で、戦乱の時代を支えた「徳川四天王」たちが次々に退場。特に本多忠勝と榊原康政の「平平コンビ」の最後の会話に、SNSは号泣状態となった(以下、ネタバレあり)。

■ どうする家康、支え続けた家臣らが次々退場

徳川幕府を開いた家康は、本多正信(松山ケンイチ)の息子・正純(井上祐貴)をはじめとする、知恵の優れた若者たちを取り立て、新しい政を進めていた。一方で井伊直政(板垣李光人)は関ヶ原の戦いのあと、まもなく逝去。本多忠勝(山田裕貴)と榊原康政(杉野遥亮)も迫りくる老いと「もう我らの働ける世ではないのかもしれん」との考えから、隠居を考えていた。

しかし三男・秀忠(森崎ウィン)を人前で叱った家康を、康政が「生涯最後」と諌めたのをきっかけに、家康は2人のように本音をぶつける家臣たちがいたから成長できたと感謝し、その力がまだ必要だと説得する。家康が完全に戦のない世を作るときまで、老体に鞭打つ覚悟を決めた2人だが、康政は1606年、忠勝は1610年に世を去ったのだった・・・。

■ 家康と同年代の家臣ら、その信頼関係に感心

酒井忠次や石川数正など、家康より年上の家臣たちはすでに亡くなり、ついに同年代の家臣たちにも人生の終焉が見えてきた44回。当時の武士たちの平均寿命が40代前半だった時代、まさにその年代で世を去ってしまったのが「徳川四天王」のひとり、井伊直政(享年42)だ。前回の関ヶ原の戦で手傷を負い、それが元で亡くなったということが、忠勝と康政の会話を通して報告された。

この突然の悲報にSNSでは「え、直政もういないの」「先週と今週の間に死んでた!」「井伊直政、会話死・・・」と戸惑う声があふれるのと同時に、忠勝の「うまくやりおった」という言葉に対して「彼の生き様を戦国の世と共に散ったようだと表すのは最大の敬意」「戦なき世は平八郎(忠勝)にとっては住みにくい世になっていくのね」「老臣たちの世は去りつつあるか」と、しんみりした言葉が並んだ。

そして康政が家康を諌めたその口で、若い頃は相当頼りなかったとディスったのに加えて、忠勝がまだ「主君と認めてない」と言い張るという流れには、「まだ認めない芸やってるのw」「まだそれ言うんかい! もう、愛じゃんよ」「『手の焼ける主』と言いながら2人ともうれしそう」と、改めてこの3人の信頼関係に感心する声が並んだ。

■ 屈指の名場面となった平八郎・小平太コンビ

そして寿命が尽きるのを予感した康政が、忠勝の元を訪れたシーンは、このドラマのなかでも屈指の名場面と言われることになるだろう。まずは肖像画を何回も描き直させる忠勝に、康政がツッコミを入れる「平八郎・小平太(康政)コンビ」名物の漫才のようなやり取り、そして槍の手合わせをしながら殿に最後まで伴走できそうにない無念を明かし、2人とも同じタイミングで家康を「主君」と認めたという告白合戦に、SNSでは感動の声が続々と。

「タイプの違う平平コンビがなんで仲良くなったか、ラストでよーくわかった。同じ日同じ時場所で同じ男に惚れた故なんですね」「ずっとニコイチだった平八郎と小平太が、最後の最後まで憎まれ口叩き合いながらケンカしてるだけで泣けてくる」「平平コンビのばかぁ。ちゃんと殿の目の前で言えよ。そばにおってよ。2人で納得するんじゃないよ。殿を1人にせんでよぉ」などのコメントが上がっていた。

そして「もっともっと強そうに」とリクエストを繰り返し、絵師ももはや想像で描いていた肖像画が、忠勝が「ずっと見つめていたかった」という、殿の背中の後ろに掛かっていたのがわかったときは、「殿の背中をいつまでも見ていたい。後ろからできるだけ強い姿で、殿を傷つけようとする者を睨みつけていたいという願いの表れとするなんて・・・」「死してなお肖像画から『認めん』て殿に睨みきかせるんだね。殿が道を踏み外さないように(泣)」と、泣きながら唸るような声があふれた。

今も残る忠勝の厳つい肖像画は、実際に絵師に何回も描き直させたという逸話が残っているが、それを巧みに笑いのネタにしたかと思ったら「死してなお大好きな殿を守るためだった」という、忠勝の忠臣(純愛?)エピソードに転換するとは。有名エピを思わぬ驚きのアイテムへと変えてきた古沢マジックが、さらに冴えわたったと思える回だった。物語も残り4回となったが、まだまだ隠し玉が残っていることを期待したい。

『どうする家康』はNHK総合で日曜・夜8時から、BSプレミアムは夕方6時から、BS4Kは昼12時15分から放送。11月26日放送の第45回『2人のプリンス』では、秀頼の人気が高まっていくことにあせった家康が、自らの代で豊臣家との問題を解決しようとする姿と、今川氏真(溝端淳平)との再会が描かれる。

文/吉永美和子