女優・杉咲花が主演をつとめる映画『市子』の先行上映会が12月5日、大阪市内の映画館にておこなわれ、杉咲とメガホンをとった戸田彬弘監督が登壇。舞台挨拶をおこなった。

ヒロインを演じた朝ドラ『おちょやん』(2020年)の撮影では、大阪と東京を何度も往復したという杉咲。大好きな場所という大阪の雰囲気を味わうため、「新大阪駅の改札に入って、串カツとうどんをハシゴして帰るというのがお決まりでした。アスパラの串カツを10本くらい食べて(笑)」と明かし、会場を沸かせた。

同作は、戸田監督が主宰する劇団「チーズ theater」の旗揚げ公演作品であり、『サンモールスタジオ選定賞2015』で最優秀脚本賞を受賞した舞台『川辺市子のために』が原作。痛ましいほど過酷な家庭環境で育ち、抗えない境遇に翻弄された市子の壮絶な半生を、圧倒的な演技力と熱量で杉咲が体現した。

撮影前には、監督とともにロケハンに同行したという杉咲。「監督がお声がけくださって。初めてだったんですが、特別な機会をいただきました。市子が暮らしてきた場所を、クランクイン前に触れることでイメージも沸いて。なにをするわけでもないんですけど、そこに居る時間を大事に過ごしたい気持ちでした」と振りかえった。

司会者から、ロケハンによって演技は変わった?という尋ねられた杉咲は、「どうなんですかね。それが直接、画に映るものでは無かったとしても、市子が過ごしてきた時間を味わうことが自分にとって必要な気がして。気づかないところで作用していたらいいなという気持ちでしたね」と、実力派女優の神髄を垣間見せた。

イベント最後には、「この映画の取材を受けていて、『市子を演じた時間は苦しかったんじゃないですか?』って聞いてくださる方が何名かいらっしゃったんですけど、自分にとってはその一言では表しきれないくらい、とんでもなくかけがえのない時間を過ごしたなと思っていて。みなさまがどのように市子を受け止めてくださるのか、すごく興味があります。自分にとって特別な作品になりました」と、神妙な面持ちで語った杉咲。

杉咲のほか、若葉竜也、森永悠希、渡辺大知、宇野祥平、中村ゆりが出演。同映画は12月8日から公開される。