4度目の緊急事態宣言発令を受け、大阪府の対策本部会議が7月30日に開催。会議後の会見で吉村洋文知事は、突然の宣言発令に苦しい表情を見せた。

会議では、「ワクチンが、高齢者には行き届いた。もう数カ月あればそれ以外の層にも行き、違った景色になってくる。そう考えると、今この波を押さえることが非常に重要」と発言した吉村知事。

事実、65歳以上の高齢者のワクチン接種率は29日時点で1回目81.1%、2回目67.3%。それに伴い、これまで約20〜30%を占めていた60歳以上の陽性率が、直近4日間で5.7%(2843人中163人)と激減している。

さらに、第4波で39%・105施設・1512人とこれまで多発していた高齢者施設のクラスターも、現在は6%・3施設・40人と抑えられている。

そんななか,もともと国に宣言を要請する基準として、軽症中等症病床もしくは重症病床、いずれかの運用率が50%超と設定していた大阪府。

29日時点で軽症中等症31.1%(781/2510)、重症病床12.4%(73/587)と条件を満たしていないなか、今回国から突然の宣言が発令された。

この日の対策会議で吉村知事は、「東京では宣言が出ていても(陽性者が)増えており、効果はないんじゃないかと言われている。(国民との)危機意識の共有が重要」と、これまでになく早く発令された宣言に不本意な様子だ。

直近の定例会見や対策会議での吉村知事の発言からは、「宣言発令はせず何とか病床を運用し、飲食店での酒類提供など経済活動をキープさせたい」という気持ちが伝わってくる。

しかし結局は、外出自粛や酒類提供禁止などを要請することになった吉村知事。

「宣言自体に何か効果があるわけでもなく、要請で府民・事業者の行動変容につながれば減る要素になる。感染状況を示しながら、リスクコミュニケーション(危機に関する情報共有)をとることが重要。第5波を押さえるため、ご協力をお願いしたい」と呼びかけることになった。

また、「ワクチン接種が進むなか、この波を乗り越えることが非常に重要。最後の波にしたい思いはある」と苦しい表情を見せた吉村知事。

最後の宣言とするべく、府民の活動を抑制することができるのか、抑制できずともワクチン効果で収束に向かうのか・・・。

なお、30日の新規陽性者数は882人と急増しているが、一方で同日報告のあった死亡者は0人。高齢者の感染激減にともない、死亡率も大きく減少しているのが実情だ。

取材・文・写真/岡田由佳子