大阪・枚方の奥地に一風変わった自動販売機(以下:自販機)が出現したという情報を手に入れ、担当者を取材した。

レトロ自販機マニアが作る、新しくも懐かしい自販機

その自販機には、デカデカと「ハンバーガー」の文字がプリント。肝心の自販機のなかには、「ポテタル」や「メキシカン」など、なんだか気になるメニューがずらり。そして驚くことに、電車の最寄駅も遠くバスも通っていない、正直アクセスは悪めな場所にも関わらず、すべて売り切れ・・・! そもそも初めて見ましたこんな自販機。

調べると、この「ハンバーガー自販機」を販売しているのは、長野県は飯田市にある車の修理工場「ガレージいじりや」。なぜ車を扱っている会社が自販機を? 社長の小林由季さんに話しを聞くと、「元々、私がレトロ自販機好きなこともあって、2020年の8月、自社の前に1台目を置いたのが始まりです」とのこと。

聞くと、小林さんは「レトロ自販機」について、雑誌で連載企画を持つほどの筋金入りのマニア。全国を巡っていくうちに、自分でもやりたいという想いが芽生えたそう。元々ある自販機を自身で改良し、レトロ好きにはもちろん、そのほかの人からもかわいいと思ってもらえるようにとデザインを施した。販売するのは、持ち帰りも手軽なハンバーガーに。「マニアだけではなく一般の方にも楽しんで買えるようなものにしたくて。『新しいものとして販売する』という方向にシフトしました」と話した小林さん。

自販機の設置後、SNSでの反響はかなり大きかったそうで、「いろんな地域の人に見てもらえたら、『これいいね』って言ってくれる人がいるだろうと思って。そこに同じものを卸したら、製造会社さんがよろこぶ。レトロ自販機って40〜50年前の機械なので、今動いているのは全国で50台を切ってると思うんです。レトロ自販機を助けるには、それを支える販売元を助けないとって思っていましたから」と、同じ構造で外注し、「ハンバーガー自販機」の販売を開始した。

辺鄙な場所なのに・・・SNSでは予想外の反響が

小林さんの手がけた「ハンバーガー自販機」は現在、全国で6台が稼働中。中身のラインアップはすべてハンバーガーのものや、飲み物やお菓子と合わせて販売しているものも。また、自販機はオーナーが買い取り、各自で管理しているという。ディスプレイはそれぞれのオーナーさんに一任しているそうだ。

ハンバーガーは、レトロ自販機のメッカ・群馬県で長年自販機用の食品を製造している『ミトミ』から卸しているが、予想以上の売れ行きに製造が追いつかない状態に。今はもう1店舗契約している最中とのことで、ハンバーガーは6種類から12種類へと増える予定だそう(ラインアップはオーナーによる)。

この自販機のオーナーに設置経緯を聞くと、「名古屋のハンバーガー自販機で買ってみたら、それが意外とおいしくて。その後いろいろと調べて小林さんのところにたどり着きました。自分たちが好きなときに買えて、なおかつご近所さんたちが買ってくれたらいいかなーくらいに思ってたんですけど、連日人が来てびっくりしています。用事がなければ来ないところですから」と、予想外の反響に驚いている様子。

小林さんも、「枚方搬入の際にツイッターで発信したんですけど、あんなにバズると思わなくて(現在6000いいね超)。関西にある『ハンバーガー自販機』は「ドライブインダルマ」(京都府舞鶴市)だけなので、関西の方の食いつきが良かったのかな」と話した。

いざ実食! 食べてる最中も続々と人がやってくる

そして後日、噂のハンバーガーを購入。冷たい状態で出てきたハンバーガーは、持ち帰るも良し、隣に設置されている電子レンジで温めてその場で食べるのも良し・・・記者はその場でいただくことに。今回はオーナーオススメの「ポテタル」をチョイス。しっかり肉感のあるパティの上にタルタルソース、ハッシュドポテトが乗った1品で、見た目よりも食べ応えあり! そして、まるでハンバーグのようなジューシーなパティ・・・味付けも老若男女に好まれる間違いないやつです。

周りが緑に囲まれていることもあり、気分よく食べていると、大阪市内から自転車で来たという強者の男性が。「元々ここ(ミトミ)のハンバーガーが好きで、群馬県に行ったとき食べてたんですけど、関西で食べられるってことを知って。ファンにはうれしいですね」と笑顔で話していた。間髪入れずに現れたカップルは、噂を聞きつけお隣の交野市から来たとのこと。9月末に設置してから1日で約250個が売り切れるという日もあったといい、しばらく反響は続きそうだ。