駿河湾名産サクラエビの春漁が解禁となりました。近年は資源回復との両立が求められて来ましたが、初日の水揚げはどうだったのでしょうか?

「103.6杯が5万1890円から4万9990円まで」

 威勢のいい掛け声とともに、26日朝静岡市清水区の由比漁港では、水揚げされたばかりのサクラエビの初競りが行われました。

林輝彦アナウンサー 由比港 午前5時半すぎ:「サクラエビの春漁が解禁になりました。美しいピンクのサクラエビが、この部屋の奥までずらっと並んでいます。」

 25日解禁日を迎えたサクラエビ。今年の初漁は由比港と大井川港からおよそ80隻が出港していて、初日の水揚げ量はおよそ19トンと、去年の初漁よりも漁獲量は下回りました。26日の初競りの取引価格は、15キロあたりの平均価格で5万344円。最高価格は5万5110円といずれも去年を上回りました。

買受人:「ものもいいし、混じりも少ないし、生育状態がいい」

買受人:「大きいみたい、個体が。だいぶいいんじゃないかな。(例年と比べて)3割ぐらい高い。通常よりまだ高い、規制されているから」

 今年は漁に出たのが去年よりおよそ1週間早く、水温も低かったため、初日の水揚げ量は去年より少なくなったそうです。しかし漁協は、近年の不漁対策の効果がきちんと出ているとして、これからのサクラエビ漁に期待を膨らませています。

由比港漁業協同組合 宮原淳一組合長:「初漁としては1000杯というまとまった量というのは、我々としてはうれしいなと」

由比港漁業協同組合 大石達也専務理事:「不漁から脱して良くなったと一概には言えないがいい兆しだということは確か」

地元の販売店も心待ちに

駿河湾の宝石と称される「サクラエビ」。サクラエビを心待ちにしていたのは、漁師だけではありません。

清水区由比 由比・むつみ市場

Q:きょう(サクラエビの)初物があがりましたが、どちらに?

原藤商店 十五代目 原 藤晃さん:「はい、こちらになりますね」

サクラエビを直売している「原藤商店」直営の「由比・むつみ市場」。由比漁港で水揚げされるサクラエビ・シラスの加工品をはじめ、地元の練り製品や地酒などを製造・販売をしています。待ちに待ったサクラエビ、初日の26日は50kg仕入れたといいます。

原藤商店十五代目 原 藤晃さん:「初日だったが、これだけの水揚げ量があって、どこか僕の中では安心しているところが多い。あとサクラエビの魚体のサイズの方も大きくまとまっていたので、(今シーズンは)期待できる」

 サクラエビは、2018年に記録的な不漁となってから産卵する個体を保護するため、自主規制をするなどして資源保護に努めてきました。この店も、ちょうどその頃オープンしたため、サクラエビの回復には期待を寄せているそうです。

原藤商店十五代目 原 藤晃さん:「漁師さんの方もかなり資源管理には気を遣っていることと、あとは産業を守るという意味で水揚げもしなければいけないというところで、結構難しい判断にずっと追われていると思うが、それでも何とか産業を守りながら、こういった資源回復が出来ているのは、漁師さんたちの努力の成果というか、他にも県だとかいろいろな研究機関が協力しているとは思うが、そういったところの成果が段々表れて来ていると思う」

 過去に比べると、明るい兆しが見えてきた「サクラエビ漁」。予定では6月7日まで春漁が続きます。

原藤商店