富士山では10日夜も天気が急変。現地を取材しました。

 開山日初日となった10日。

 午後4時を過ぎた、富士宮口では悪天候の中でも登山を開始する人たちの姿がありました。

東京から(7合目を目指す):
「きょう新7合目に泊まってあした頂上を目指します」

Q.この悪天候、予想されましたか?

「全く分からなかった。でもなるようになるかな。ある種楽しんでいこうかと。」

取材スタッフ:
「予約してある? 」

中国人登山客:
「予約してある」

取材スタッフ:
「みんな大丈夫?風強いけど?」

中国人登山客:
「大丈夫、問題ありません」

取材スタッフ:
「本当に?気を付けて。」

中国人登山客: 
「OK,OK,OK」

 天気が急変しやすい中でも、富士山に挑戦する登山客。

 先週、一足早く山開きを迎えた山梨側とは対照的な対応となっています。

 その理由が“入山規制”です。

 山梨県側では今年から、登山者の上限を1日4000人として、通行料2000円を徴収する入山規制が導入されました。

 午後4時以降は、登山道も閉鎖されます。

 その効果もあってか、深夜から早朝に登山したとみられる人は、去年の同時期1600人以上でしたが、今年は500人余りに減ったそうです。

 ただ、山小屋関係者は山梨側の入山規制を避けて、静岡側に登山者が流れてきたのではないかとの指摘もしています。

東富士山荘 米山千春代表:
「やはり遠くから、お越し頂いている方々は、そこで帰らない。そういう方々が静岡側に回ってくるということはもう現実にあります」

 なぜ静岡県は、山梨と足並みをそろえて入山規制をしないのでしょうか。

静岡県富士山世界遺産課 岡部晋治課長代理:
「静岡県側は御殿場ルートとか至るところから入山ができる。複数箇所ゲートを設置しなければならない。当然係員を置かなければならないので、コストもかかることも想定される」

 山梨側の登山道は県有地のため、条例で規制できますが、静岡側は、ほとんど国有地だという事情も。

 静岡県は今年度の事前登録システムの運用を踏まえて、今後の対応を検討する方針です。

静岡県幹部:
「山梨県と足並みがそろわないことについては様々な方面から指摘がある。来夏は何とか規制できるように本気でやりたい」