林輝彦アナウンサー(JR御殿場駅前):「御殿場市は首都圏の1都3県に緊急事態宣言が発令されたことを受け、飲食店に向けてこのような貼り紙を作りました。『一見さんお断り』と書いてあります」

御殿場市が先週、飲食店向けに配布した貼り紙が波紋を広げています。緊急事態宣言が発令された1都3県からの客、「一見さん」の入店は拒否するというのです。

JR御殿場駅前の飲食店などが立ち並ぶ商店街では、一見さんお断りの貼り紙が、バーやスナックなどお酒を提供する多くの店に貼っています。

御殿場市民は…

この貼り紙に御殿場市民は。 「一見さんお断りはいいじゃないですか、いいと思う。御殿場市でも(感染者が)出ているけど、よその方がもっと出ているからやっぱり防ぎたい」

「コロナを防ぐにはいいと思う。観光の土地なのでしょうがないとは思うが、制限していただいて、くる方も」

市民には好評のようですが、賛否は割れています。御殿場市には、今回の貼り紙をめぐって、これまでに90件の意見が寄せられ、8割が「地域限定にしているのは差別的だ」といった批判的な意見だったのです。

市長「市民の命を守らなければならない」

批判の声に、御殿場市の若林市長は。

御殿場市 若林洋平市長(13日):「もし、今回のことで本当に不快な思いをさせたとしたら、それは申し訳ない気持ちはある。ただ今は怒られたとしても私は市長の立場として、どんなことがあっても市民のみなさんの命を守らなければいけないと同時に、不安も払拭しなければいけない」

Q.批判の中には「一見さんお断り」では、表現が過激だ、というものもありますが、一見さんお断りの『一見さん』は誰が考えた?

御殿場市 若林洋平市長:「私が考えたんですけど。今は危険な状況なのでお知り合いの方でお願いしますという。そんなにきつい感じではないと思うが」

もし感染者が出た場合、一見の客は追跡できないから今は利用しないでほしい、という意味で首都圏への差別ではないといいます。実際に貼り紙を活用している飲食店に話を聞くことができました。

「掲げる」「掲げない」…飲食店は判断分かれる

ダイニングバー:「これを貼る理由は、少ない常連が来てくれて、ほとんど知っているお客さん、そういう方が一見が来たら『なんだよ 入れちゃうのかよ』と。そういう点も怖いかなと。ですから貼っておくことも必要」

1都3県からの客に抵抗があるというよりは、常連客への安心材料として有効だといいます。

その一方、一度貼った貼り紙を2日ではがしたという店も。

やきとり店:「2日間、思いっきり悩んだ。この町はずれの焼き鳥店が…。そんな高飛車に出て、一丁前のことを言う立場ではないと思う」

店は3年前にオープンしたばかり。最初は一見だった客が、ようやく常連として定着し始めたところです。客を選べるような立場ではなく、貼り紙を使うのは気が引けるといいます。

やきとり店:「確かに神奈川から近い、東京から近いのでドライブコースだから、来てくれるのはうれしいけど…。こっちがハードルを上げて、嫌な思い出を持って帰ってほしくない」

店では感染対策を徹底。市外からの客はテラス席に案内するといいます。

「一見さんお断り」を掲げる店、掲げない店。どちらも利用客のことを考えた判断です。貼り紙を作成した御殿場市は、「利用は強制ではない」としています。