日本パブリックリレーションズ協会による「PRアワードグランプリ」が9月1日からエントリー受付を開始した。過去にはオリパラ招致(2013年)や西武ライオンズ(2019年)が受賞。広報・PRの好事例が広く募集され、選考を経て12月に表彰される。

社会課題に向き合う、解決する広報の力

PRアワードグランプリは2001年に創設され、毎年優れた広報・PR活動を選出し表彰している。

専門家やジャーナリスト、学者らによる9名の審査員が、①課題解決のための戦略性、②独創性、③活動内容の専門性と完成度、④目標に対する成果や社会的・業界的影響力という4つの観点から評価し、グランプリ、ゴールド、シルバー、ブロンズの各賞が表彰される。

昨年は新型コロナウイルスの影響が広がった中、ダイキン工業が3密回避のための「上手な換気の方法」を公開しグランプリを獲得した。2017年にはヤフーが東日本大震災の記憶を風化させないように銀座ソニービル、渋谷スクランブル交差点に設置した津波最高値16.7mを示す屋外広告キャンペーンがグランプリ選出。

日本パブリックリレーションズ協会 顕彰委員会委員長の鈴木勇夫氏は、「昨年に引き続きまだコロナ禍が続く環境ではありますが、こうした大きな社会課題に向き合って解決を図っていくのがパブリックリレーションズの力だと思っています」と話す。

現代社会の様相を的確に捉え、社会課題に一石を投じる、そして解決するような創意工夫が凝らされた広報・PRが求められている。

オリパラ招致、西武ライオンズも過去に受賞 2019年には西武ライオンズが野生生物保全という社会課題へのアプローチでグランプリ受賞。写真提供=西武ライオンズ

スポーツ関係では、2013年に東京オリンピック・パラリンピック招致委員会の戦略広報活動が入賞したほか、西武ライオンズの「SAVE LIONS〜消えゆく野生のライオンを救うプロジェクト〜」が2019年にグランプリを獲得している。

同年に球団創設75周年を迎えたライオンズでは、球団のシンボルであるライオンの絶滅危惧という社会問題に目を向け、長年保全活動を続ける英オックスフォード大学の研究機関であるWildCRU(ワイルドクルー)への寄付活動を開始。

ホームゲームでのホームラン1本ごとに1万円を寄付したり、ファンにも寄付活動を呼びかけるなど、寄付金額は2019年シーズンで250万円以上にのぼった。その後も毎年活動を続け、今年も9月23日に「SAVE LIONS DAY」を予定している。

広報部の服部友一氏は、「本活動を始めて今年で3年目。WildCRUからも感謝のメッセージをいただいており、この活動がライオンを守ることにつながっていることを実感しています。『SAVE LIONS DAY』当日の企画も検討中です。これまでと同様に皆さまへ寄付の協力を呼び掛けていきます」と述べる。

2021年のアワードは9月1日にエントリー受付が開始、10月26日に締め切りとなる。

先出の鈴木委員長は、「今年はスポーツのもつ力に大きな注目が集まる年だと思います。コロナ禍の中、スポーツイベントの開催も様々な困難を抱えていると思いますが、そうした状況にチャレンジしているエントリーに期待しています」とスポーツ界に期待の声を寄せる。

エントリー締め切り後、11月から一次審査の後、二次審査を実施。グランプリは12月14日の表彰式で発表される。

初出=「HALF TIMEマガジン」9月1日掲載
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