超新星爆発後自分の重力でどんどん収縮してできる

ブラックホールは、太陽の30倍以上という、とても大きな質量をもつ星の最期の姿です。超新星爆発のあとに残った星の芯のようなもので、自分自身の重力によってどんどん収縮していって、大きさが無限小の「点」になってしまったもの。逆に密度は無限大になっています。そこでは、すべての物理法則が成り立たず、光も外に逃げ出すことができません。では、光を発しないこの天体をどのようにして見つけるのでしょうか?

そのカギがX線です。太陽は1つの恒星が単独に存在していますが、宇宙には連れん星せ いがたくさんあります。連星とは、2つの星が互いの周りを回っている星で、このうちの1つがブラックホールになると、もう一方の星のガスを吸い寄せていきます。

そしてガスがブラックホールに落ち込んでいくときにものすごい高温になり、X線を放射するのです。つまり、このX線を観測すれば、そこにブラックホールが存在することの「状況証拠」となるわけです。ブラックホールは、アインシュタインの相対性理論によってチャンドラセカールが予言した天体です。

当初、それはあくまで理論上のもので、実在するとは思われていませんでした。ところが、X線を使った観測によって1970年、「はくちょう座X −1」というブラックホールが発見されたのです。これを契機に、ブラックホールとみられる天体がたくさん発見され、その存在は確実なものになっています。

出典:『眠れなくなるほど面白い 図解プレミアム 宇宙の話』