2014年に鳴り物入りでデビューしたアマゾン アレクサ。あれから8年、当時驚きをもって迎えられた音声アシスタントは今、存続の危機に晒されているようです。今回のメルマガ『週刊 Life is beautiful』では、Windows95を設計した日本人として知られる世界的エンジニアの中島聡さんが、「アレクサ戦略の失敗」を伝える記事を取り上げ内容を紹介。その上で、30億ドルの損失をアレクサチームだけに押し付けることの理不尽さを指摘しています。

プロフィール:中島聡(なかじま・さとし)
ブロガー/起業家/ソフトウェア・エンジニア、工学修士(早稲田大学)/MBA(ワシントン大学)。NTT通信研究所/マイクロソフト日本法人/マイクロソフト本社勤務後、ソフトウェアベンチャーUIEvolution Inc.を米国シアトルで起業。現在は neu.Pen LLCでiPhone/iPadアプリの開発。

この記事の著者・中島聡さんのメルマガ

初月無料で読む

 

私の目に止まった記事:Amazonのアレクサ戦略が大失敗

● Amazon Alexa is a “colossal failure,” on pace to lose $10 billion this year

Amazonのアレクサ戦略が大失敗であり、年間に$10billioon(約1兆4,000億円)の損失を出すことになる、と指摘している記事です。

この記事によると、Amazonも他のテック企業と同じく、大量のレイオフ(人員の解雇)をしていますが、その中で、もっとも大きくカットされたのが、アレクサ・チームだそうです。

アレクサ・チームは、Amazon Prime videoを提供している“Worldwide Digital”グループの一員ですが、このグループは、2022年の第一四半期だけで、$3billionの損失を出しており、Bisiness Insiderによると、その大半はアレクサ・チームによるものだそうです。

私はこの数字は少しおかしいと感じています。そもそもAmazon Prime videoは、Amazonの飯のタネであるAmazon Prime会員を繋ぎ止めるための道具であり、そこが赤字なのは当たり前なのです。

なので、$3billionの損失をアレクサチームだけに押し付けるのはおかしな話です。また、アレクサに限らず、Amazon Fire TVも含めたAmazonのハードウェア・ビジネスも、それ単体で利益を上げるものでは最初からないのです。

私から見れば、アレクサの問題は、それが消費者にとって「なくてはならないデバイス」になれなかった点にあります。私自身、Amazon Echoを入手してからは、しばらくアレクサを楽しんでいましたが、結局タイマー以外に有意義な使い方が見つからず、今では電源にすら繋いでいません。

この記事によると、Goolgeの音声アシスタント・ビジネスも同じような状況にあり、どちらも消えてしまう運命にあるのかも知れません。

そんな中で、Appleだけは、スピーカー機能を全面に出した少し異なる、「ハードウェアで稼ぐビジネス」をしている点が興味深いところです。不思議なことに、この記事を読んでいたら、Appleのスピーカーを試してみたくなりました。

(『週刊 Life is beautiful』2022年11月29日号より一部抜粋、続きはご登録の上お楽しみ下さい。初月無料です)

この記事の著者・中島聡さんのメルマガ

初月無料で読む

 

初月無料購読ですぐ読める! 11月配信済みバックナンバー

image by: Shutterstock.com

MAG2 NEWS