22日限りでグループを脱退した、アイドルグループ『King & Prince』の平野紫耀(26)神宮寺勇太(25)岸優太(27)の3人。平野と神宮寺は同日、ジャニーズ事務所を退所し、ファンからは悲しみの声が集まっています。今回、5人の『King & Prince』活動終了に言及するのは、芸能記者歴30年のベテランジャーナリスト・芋澤貞雄さんです。才能溢れる彼らの分裂に思うこと、脱退した平野の今後について語ります。

5人の『King & Prince』が終了

先週土曜日、5月20日の夜は『King & Prince』で胸が一杯になりました。

5月22日付けで岸優太、平野紫耀、神宮寺勇太が脱退。CDデビュー5周年記念日の今日23日から、永瀬廉、高橋海人2人のキンプリになります。

19時からの『嗚呼!!みんなの動物園』ではリーダー・岸優太のトリミング挑戦、続く19時56分からは『King & Princeる。』2時間スペシャル最終回、22時55分からは5人体制では本当に最後となってしまった『Venue101』…にわか“おっさん’s ティアラ”になっていました。

ここまでじっくり“キンプリ漬け”になると、故・ジャニー喜多川さんが“『嵐』の次はキンプリだョ…”と漏らした意味も、遅過ぎますがようやく理解できたような気持ちになりました。

『キンプる。』では『シンデレラガール』の生歌を披露しながら熱波師となった平野、その平野に玉砕した岸や、幼稚園の頃女の子に「廉こん!」と呼ばれて泣きながら母親が迎えに来るのを待っていた永瀬、そしておそらく誰しもが胸熱くなった大輪の花火打ち上げを観て、5人のそれぞれの個性というか人柄、メンバー内での役割みたいなものを感じ取れました。

そして待ち遠しくもあり、この時間が来なければいいとさえ思えた『Venue101』がスタート、13分少々経ったあたりでいよいよキンプリの順番が回ってきました。

ライブで2022年6月29日発売『Made in』から『ichiban』、VTRで『シンデレラガール』、そして今年の4月19日に発売されたベストアルバム『Mr.5』から『Beautiful flower』がラストの生歌唱でした。

今までの楽曲の歌詞が散りばめられた『Beautiful〜』の時は、導入部分の岸の涙目に、私も思わず年甲斐も無く泣きそうになってしまいました。

少し前、有名な脳科学者がツイッターでー

“歌も踊りもへたくそな若い男の子たちの学芸会のパフォーマンスを、「スター」というキャラ設定で垂れ流しして、番組のMCや大河の主役に起用して、日本のエンタメのレベルを落としてきた”

と呟き炎上しましたが、改めてこの呟きは見当違いも甚だしいと確認できました。

背中を向けた平野の涙、腰に回した5人の腕、平野の肩に優しく手を置く永瀬…そして全身全霊を込めた息が詰まるようなこのパフォーマンスに「Youたち、最高!」と言うジャニーさんの声が聞こえてきたような気がしました。

最新号の『女性セブン』はジャニーズ事務所退所後の平野の動向について言及しています。

芸能関係者の証言としてー

“周囲に1年は休みたいと話している”

“休暇を利用して英語を勉強するのか、あるいは武者修行をするのかは定かではないが…”

と。

これはあくまでも想像ですが、これまでの平野と事務所との交渉プロセスから、最低でも1年間は芸能活動の一切を控えて欲しい…と、事務所から念押しされているような気がします。

『SMAP』解散からの『新しい地図』への独占禁止法違反注意処分、最近の“性加害”問題等で世間からの風当たりが強くなっている事務所ですから、ソフト・ランディングを優先させたのではないかと考えられます。

あれだけの素質と才能を持つ平野を放っておくはずはなく、退所が公表された頃から水面下では複数のプロダクションがもぞもぞと、ザワザワと動いているのは間違いないでしょう。

役者として、パフォーマーとして稀に見る才能を持つ平野を、もしこのまま埋もらせてしまうことにでもなったら、日本のエンタメ界の未来は至極情けない状態になると、私個人は思います。

ひとつ気がかりなのは、退所後の『嵐』大野智がそうだったように、その私生活が事務所と懇意の芸能マスコミによって全てリークされてしまう…筒抜け状態になってしまうことの心配です。

何だかネガティブな思考ばかりで恐縮ですが、3人はこれからの人生の方が長いわけです。

ここで大きく溜め息で全部吐き出して、自分にとって最高の未来を送るために高いハードルも険しい崖も何のその、たくましく越えていってもらいたいと切に思うばかりです。

リ・スタートを選択した3人の、近い将来が明るいものになりますように。

『Beautiful〜』で見せたあのキラキラした涙を忘れず、怠ることなく、精進してくれることを願っています。

プロフィール:芋澤貞雄
1956年、北海道生まれ。米国でテレビ・映画のコーディネーター業を経て、女性週刊誌などで30年以上、芸能を中心に取材。代表的スクープは「直撃! 松田聖子、ニューヨークの恋人」「眞子妃、エジンバラで初めてのクリスマス」。現在も幅広く取材を続ける。https://twitter.com/ImozawaSadao

記事提供:芸能ジャーナリスト・芋澤貞雄の「本日モ反省ノ色ナシ」

image by: King & Prince

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