先日掲載の「早くも失望。岸田首相、話は『聞く』が行動の伴う『効く』には至らぬ限界」等の記事でも指摘されている通り、就任から1ヶ月も経たずして疑問符が投げかけられている、岸田文雄氏の首相としての能力。先日行われた党首討論でもその限界が露呈してしまったようです。今回の『きっこのメルマガ』では人気ブロガーのきっこさんが、討論の席上で受けた質問に対し、曖昧な抽象論を答えるばかりの首相が批判的に語られたラジオ番組の内容を紹介。さらに立憲民主党の枝野代表に対して首相が行った「事実誤認に基づく質問」を取り上げ、「聞く力」を売りにする岸田氏の「読む力」に疑いを向けています。

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岸田文雄のズッコケ党首討論

10月19日の衆院選公示日の前日18日、日本記者クラブ主催の「党首討論会」が行なわれ、与野党9党の党首が舌戦を繰り広げました。テレビ局各社がYouTubeなどで無料のライブ配信をしてくれたので、自宅にテレビがないあたしもリアルタイムで見ることができました。感想としては「めっちゃ面白かった!」の一言です。

何がそんなに面白かったのかと言うと、自民党の岸田文雄総裁のポンコツぶりがハンパなかった点です。あたしは何度も噴き出しながら見ていたのですが、翌朝のTBSラジオ『スタンバイ!』でも、森本毅郎さんと火曜レギュラーの経済記者、酒井綱一郎さんが、さっそくツッコミを炸裂させていました。

森本さん 「(昨日の党首討論は)各党がそれぞれ自分の党の特色を出そうとしてましたが、何か岸田さんが一番曖昧になっちゃったかな?」

 

酒井さん 「そうですね。岸田さんは曖昧な部分とはっきりしている部分が出ましたね。まず分配について、皆さん具体的に話しているのに、岸田さんだけは具体的に言ってないんですよ。財源についても野党ははっきり言いましたね。たとえば立憲民主は『大企業の法人税の強化』を財源にする。資本金100億円超の大企業の法人税の負担が、資本金1,000万円以下の中小企業よりも軽いのは不公平だと。これが立憲の主張なのですが、岸田さんは法人税の加税については具体的な話をしなかったんですよ」

 

森本さん 「そうですか」

 

酒井さん 「岸田さんが何と言ったかというと『経済全体の活力もしっかり考え合わせた上で具体的な有様を考えて行く』という表現をされたのですが、いろんなところでこの表現が出て来るんですよね。岸田さんは『考えて行く』とか『しっかり考る』とかばかりなんですよ。いやいや、今日から選挙ですから!って言いたかったです(笑)」

 

森本さん 「考えてる場合じゃないんですよね。ちゃんと具体的な政策を出してくださいよ!って感じですよね」

 

酒井さん 「消費税についても野党ははっきり言いました。立憲、共産、維新、れいわ、社民は、それぞれ具体的に財源を示した上で減税を主張しました。しかし岸田さんは『消費税を触ることは考えるべきではない』という主張のみで終わってしまいました」

 

森本さん 「まあ、そういう歯切れの悪い岸田さんですが、憲法改正だけは元気良かったですね!(笑)」

 

酒井さん 「そうなんですよ、憲法改正だけは。改憲を国民投票にかける覚悟を問われると、急に歯切れが良くなって『もちろんです!』とすぐに答えてました。国会では、どなたかが『安倍総理が乗り移ったんですか?』と聞いていましたが、ここでもそんな雰囲気を漂わせていました(笑)」

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森本さん 「選択的夫婦別姓を導入する法案、これについては?」

 

酒井さん 「この時はですね、LGBTの理解増進法案も含めて会場から聞かれ、賛成は挙手だったのですが、8党の党首が手を挙げたのに、岸田さんは挙げなかった。つまり、賛成しなかったということなります」

 

森本さん 「そういうことですね」

 

酒井さん 「それで岸田さんが何と言ったのかというと…」

 

森本さん 「ここでも『しっかり考えて行く』ですか?」

 

酒井さん 「もう、先に言わないでくださいよ!(笑)」

 

森本さん 「あははははは!」

 

酒井さん 「僕が言うんだから…」

 

森本さん 「そっか、あははははは!」

 

酒井さん 「『多くの国民がどこまで意識が進んでいるのか、しっかり考えて行くことが重要なポイントだ』って、森本さん、先に言っちゃだめだよ」

 

森本さん 「(岸田さんの言うことは)だいたい分かっちゃうから、あははははは!それにしても、この岸田さんの文言はどうなんですかね?いっつも曖昧な抽象論にしてしまって…」

…そんなわけで、党首討論は、各党党首が誰か1人を指名して質問し、その回答を受けて短くコメントするという一往復半のやり取りを1人2回、いつもの方式で進められました。今回は9党なので、計18のやり取りが行なわれたのですが、当然のことながら、自民党以外の党首からの質問、計16問のうち、12問が岸田総裁に集中しました。

しかし、岸田総裁は、その大半の質問にきちんと具体的に答えることができず、森本毅郎さんの言う「曖昧な抽象論」で逃げ回っていました。たとえば、野党各党が財源を示した上で金額や時期などを具体的に述べている国民への一時給付金について、自民党の岸田総裁だけが具体性ゼロのぼんやりしたことしか言っていないのです。討論では国民民主党の玉木雄一郎代表が具体的な給付時期などを質問したのですが、岸田総裁は全く答えられませんでした。

社民党の福島瑞穂党首は、岸田総裁に4つの質問をしたのですが、その2つめが「自民党総裁選では金融資産加税を行なうと言っていたのに、総裁になったとたんに言わなくなったのは何故か」という痛いところを突く質問でした。すると、岸田総裁は、1つめと3つめと4つめの質問に曖昧に答えただけで、2つめの質問をスルーしたのです。見ているこちらが赤面してしまうほどの恥ずかしい場面でした。

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しかし、何よりも恥ずかしかったのは、岸田総裁から野党への質問でした。岸田総裁は立憲民主党の枝野幸男代表に対して、消費税について質問したのですが、一字一句そのまま書き起こしましたので、ぜひお読みください。

自民党・岸田文雄総裁 「先ほど共産党の志位さんの方から消費税の質問が出ましたが、これ確か、立憲民主党は1年限り消費税5%に引き下げるということを言っておられたと思います。そうしますと、1年後には消費税を増税することになります。これだけ短いスパンで減税増税を繰り返すということになりますと、先ほども少し申し上げました、買い控え、あるいは消費減退、こうした副作用がますます大きくなってしまうのではないか、こういった点についてどうお考えなのか」

 

立憲民主党・枝野幸男代表 「公表されて、正式に発表していますので、お間違いいただかない方がいいと思うのですが、われわれが『1年間の時限』と言っているのは、所得税についての減税です。消費税については、当たり前の日常が取り戻されて、飲食とか観光とか文化イベントなどに、通常に近い一定の消費ができる可能性が出て来た状況、その状況をある程度は継続させなければならないので、おそらく2年間傷んでいると、現状から回復できるとしても、少なくとも3年から5年程度、そうしたところへ対する消費を誘導しなければならない。そのための家計を支えるということなので、1年では全くありません」

皆さん、これどう思います?岸田総裁は、すでに正式に発表されている立憲民主党の公約を全く読んでおらず、「党首討論会」の前に公約を確認することもせず、自分の「うろ覚え」の記憶だけでトンチンカンな質問をしたのです。未だかつて、こんなポンコツは見たことがありません。つーか、この人って「聞く力」はあっても「読む力」はないのでしょうか?

第二次世界大戦での日本の降伏について、ポツダム宣言も読まずに時系列を無視したトンチンカンな自論を展開した安倍晋三元総裁にも呆れましたが、立憲民主党の公約も読まずに立憲民主党の政策を批判する岸田総裁にも開いた口がふさがりません。そして、そんな岸田総裁は、バカのひとつ覚えのように「成長と分配の好循環を実現する」と繰り返していますが、どのような政策をどのような財源で行ない、いつまでに実現するのかを全く述べません。アベスガ政権が10年かけても実現できなかった目標を掲げたのですから、具体性ゼロでは話になりません。どうして自民党って、こんなポンコツばかりなのでしょうか?

(『きっこのメルマガ』2021年10月20日号より一部抜粋・文中敬称略)

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image by: 岸田文雄 − Home | Facebook

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