安倍元首相銃撃事件以降、次々と明らかになる自民党と旧統一教会との浅からぬ関係。その繋がりは、もはや「一心同体」と言っても過言ではないもののようです。今回の『きっこのメルマガ』では人気ブロガーのきっこさんが、旧統一教会がどのような団体であるかを解説するとともに、彼らと安倍政権がお互いの利益のために行ってきた「活動」を詳細に紹介。その上で、安倍元首相は日本における政教分離の原則をも破壊したと断言しています。

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安倍晋三と統一教会の蜜月関係

参院選の最中に発生した安倍晋三元首相の殺害事件で、またスポットを浴びることになった韓国のカルト教団「統一教会」ですが、安倍政権下の2015年に名称を「世界平和統一家庭連合」に変更し、安倍政権が終わった2020年には「天の父母様教団」に変更しています。しかし、これらの名称は長いし紛らわしいので、ここでは「旧統一教会」という呼び名に統一したいと思います。統一教会だけに…なんてのも織り込みつつ、あたしが初めて旧統一教会を認識したのは、子どもの頃のワイドショーでした。

当時は「霊感商法」という言葉で大きく取り上げられ、二束三文の壺などを法外な値段で売りつけられたという被害者たちが、モザイク処理&ボイスチェンジャーで顔と声を隠し、次々と出演して被害の模様を証言していました。そして、次に旧統一教会の名前を耳にしたのは、あたしが20歳になって社会人になった1992年のこと、歌手の桜田淳子さんや新体操の山崎浩子さんなどの「合同結婚式」のニュースでした。

この時は「合同結婚式」の異様さだけでなく、桜田淳子さんの実父が「全国統一教会被害者家族の会」の秋田支部の会長をつとめたり、桜田淳子さんの所属していたサンミュージックの相澤社長が二束三文の壺を200万円で買わされたりと、カルト教団の波紋は広がり続けました。

そして、あたしが次に旧統一教会の名前を耳にしたのが、10年前に第2次安倍政権がスタートした直後でした。政権を奪還した安倍首相が満を持して発表した組閣一覧を見たところ、旧統一教会や関連団体のイベントなどに祝電を送ったり、イベントに出席して祝辞を述べたり、旧統一教会の機関紙のインタビューに顔を出していた自民党議員が、閣僚の約半数、12人もいたのです。さらには、副大臣や政務官まで入れると、政権中枢の30人以上もの自民党議員が、何らかの形で旧統一教会と繋がっていたのです。

安倍元首相と言えば、祖父である岸信介氏の時代から癒着している旧統一教会や、父である安倍晋太郎氏の時代から癒着しているジャパンライフなど、カルト教団やマルチ商法などの反社会組織と手を組んで組織票を集めて来たことで知られています。しかし、まさかここまで深く癒着していたとは、さすがに気づきませんでした。

そして、少し遡(さかのぼ)って調べてみたところ、驚くべき事実が分かったのです。旧統一教会は悪質な霊感商法として、長年にわたって公安警察から「重要監視対象」とされて来たのですが、これが2006年の第1次安倍政権下で解除されていたのです。さらには、政権奪還後の2013年、旧統一教会の機関紙『世界思想』9月号の表紙を安倍首相自らが飾ったのです。その後も安倍首相は『世界思想』の表紙にたびたび登場し、あたしが確認しただけでも、計6回も表紙を飾っているのです。

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さて、その後の流れですが、2014年10月11日、旧統一教会が東京の八王子市芸術文化会館大ホールで「祝福原理大復興会」というイベントを開催すると、安倍首相の懐刀と呼ばれていた自民党総裁特別補佐の萩生田光一議員と参議院議院運営委員長の中川雅治議員が出席し、来賓挨拶を行なったのです。

そして、翌2015年3月には、翌4月に全国で初めて「同性パートナー制度」が成立することとなった東京の渋谷区で、同性婚や同性愛を批判するビラが区民宅へ片っ端からポスティングされたのです。人海戦術で大量のビラのポスティングを行なったのは、旧統一教会の下部組織「Pure Love Alliance Japan」で、真偽は不明ですが、当時は安倍官邸からの指示だと噂されました。

その2カ月後の2015年5月、学生団体「SEALDs(シールズ)」による安倍政権への抗議デモが拡大すると、今度はどこからともなく別の学生団体が現われ、シールズを批判し安倍政治を賞賛し始めました。これが安倍官邸の指示で出動した学生団体「UNITE(ユナイト)」ですが、メンバーの大半が旧統一教会の学生信者で、旧統一教会の政治組織「国際勝共連合」の傘下団体でした。

「UNITE」の活動資金は、安倍内閣の内閣機密費から支出されていたという噂もありましたが、これも真偽は分かりません。しかし、後にデジタル担当大臣に抜擢され、恫喝問題ですぐに身を引くことになる自民党IT戦略特命委員長の平井卓也議員が、当時、自身のフェイスブックなどで、この「UNITE」の活動を宣伝していました。

そして、その裏では、1994年から差し止められていた旧統一教会の名称変更が、2015年8月、約20年ぶりに認可されたのです。旧統一教会は悪名高い「統一教会」という名称を捨て、「世界平和統一家庭連合」という新しい名称で、世間の目を気にせずに活動できるようになったのです。ちなみに、この時、この名称変更を受けて、自民党の鳩山邦夫議員と亀井静香議員が祝電を送っています。

その後も安倍首相を介して、旧統一教会と繋がりを持つ自民党議員が増え続けました。それは、選挙で組織票が得られるからです。今回の参院選でも、当選した自民党の井上義行議員が旧統一教会の全面支援を受けていたことが発覚しました。井上議員は第1次安倍政権で首相秘書官をつとめた側近中の側近であり、自ら旧統一教会の賛同会員であることを認めています。今回は選挙中に同性愛者への差別発言を行なったため、当選は難しいと見られていましたが、旧統一教会の組織票の効果なのか、当選を果たしました。

長年、旧統一教会の問題を取材し続けて来たフリージャーナリストの鈴木エイト氏によると、旧統一教会と何らかの繋がりがある現職の国会議員は112人いると言います。その内わけを見ると、自民党が衆参合わせて98人と突出しており、他は立憲民主党が6人、日本維新の会が5人、国民民主党が2人となっています。

さて、今回の安倍元首相の殺害事件ですが、山上徹也容疑者(41)の供述によれば、昨年2021年9月12日に韓国で開催された旧統一教会の関連団体「天宙平和連合(UPF)」のイベントで流された安倍元首相のビデオメッセージで、韓鶴子総裁に「敬意を表する」と述べた安倍元首相を見て、殺害を決心したと言います。

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旧統一教会は、韓国をアダム国家、日本を韓国に尽くすべきイヴ国と説いており、日本の天皇は韓鶴子総裁の足元にひざまずくべきだと述べて来ました。実際、そのような演劇も繰り返し行われています。そんなカルト教団を日本に持ち込み、自分の家庭をメチャクチャにされた山上容疑者の怒りが、このビデオメッセージで爆発したそうです。

一方、このあまりにも軽率すぎるビデオ出演を危惧した「全国霊感商法対策弁護士連絡会」は、5日後の9月17日、安倍元首相に対して「今回のような行動を繰り返されることのないよう、安倍先生の名誉のためにも慎重にお考えいただきますよう強く申し入れます」という抗議文を送りました。しかし、これまでの再三の抗議文と同様に、安倍元首相はこれを完全にスルーしました。

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そして、その2カ月後の2021年12月のこと、2023年4月に創設される「こども庁」の名称が、自民党中枢の複数の議員によって、突如として「こども家庭庁」に変更されました。当時、加藤勝信前官房長官を始め自民党議員らは「それらしい理由」を口々に述べていましたが、12月21日、旧統一教会の政治組織「国際勝共連合」の公式HPに、機関紙『世界思想』1月号を引用する形で「心有る議員・有識者の尽力によって、子ども政策を一元化するために新しく作る組織の名称が『こども庁』から『こども家庭庁』になりました。」と発表されたのです。

これをそのまま読めば、「こども家庭庁」という名称は旧統一教会の希望であり、それが自民党議員らの尽力によって採用された、という意味になりますよね。他にも国際勝共連合は、憲法9条を改定して軍事力の保持を明記し、集団的自衛権を確立させるための「憲法改正」を目指しています。そして、新憲法には「家族条項」を盛り込もうとしています。

さらには「選択的夫婦別姓法案」「こども権利条例」「ジェンダーフリー条例」などに反対し、個人の権利を抑え込もうとしています。これらはすべて国際勝共連合の公式HPに明記されており、その大半が安倍自民党政権が声高に主張して来たことと合致しているのです。「こども家庭庁」への名称変更からも分かるように、すでに現在の自民党は、旧統一教会と一心同体の関係なのです。

多くの人は、日本の政権は「自民党と公明党の連立政権」だと思っているでしょうが、その実態は「旧統一教会と創価学会の連立政権」だったのです。カルト教団とグルになった組織票によるイカサマ選挙で、政権の座に居座り続けた安倍元首相は、日本の「民主主義」と「三権分立」を破壊しただけでなく「政教分離の原則」も破壊したのです。皆さん、このような人物を「国葬」にし、政治私物化による数々の疑惑を闇に葬ってしまうことに、あなたは賛成ですか?それとも反対ですか?

(『きっこのメルマガ』2022年7月20日号より一部抜粋・文中敬称略)

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