先日掲載の「韓国ワクチンが大混乱。自慢の『K注射器』異物混入で接種に暗雲」でお伝えしたとおり、ワクチン接種の要である注射器から異物が発見され大揺れの韓国ですが、さらに大きな問題が発生してしまったようです。今回の無料メルマガ『キムチパワー』では韓国在住歴30年を超える日本人著者が、40代の女性准看護師がワクチン接種後に深刻な容態に陥ったという報道を紹介するとともに、韓国政府の対応の杜撰さを批判的に記しています。

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副作用が出るかどうかは、ロシアンルーレット

新型コロナウイルス感染症(コロナ19)ワクチンの接種を受けた後、四肢麻痺などの副作用で治療を受けている40代の准看護師の夫が20日、悔しさを訴えた。この准看護師(韓国語では看護助務士)は先月、アストラゼネカ社のワクチン接種を受け、免疫反応関連疾患である急性破腫性脳脊髄炎の診断を受けた。

この准看護師の夫である李さん(37)はこの日、青瓦台(チョンワデ=大統領府)の「国民請願掲示板」に「AZ接種後、四肢麻痺になった准看護師の夫です」というタイトルの請願文をアップした。同氏は請願文で「妻は優先接種対象者なのでワクチン接種を拒否することも、ワクチンを選択する権利もなかった」とし、もどかしさを訴えた。

李さんは妻の症状について「今になってみると、接種後具合が悪くなり入院の3、4日前から前触れの症状があった」とし「政府の言葉だけを信じてよくなると思い、鎮痛剤を飲みながら働いていたが、結局接種19日後に四肢が麻痺し、入院せざるをえないはめになった」と主張した。「治療費と介護費は週に400万ウォン=約40万円だが、どうやって負担するのか」とし「保健所から治療が終わった後に一括請求されるが、審査期間は120日もかかるという」と打ち明けた。

李氏は請願文で、政府の安易な対応を批判した。ワクチンによる副作用という点を認めていないからだ。「疾病管理庁も調査ばかりしていて、何の消息もない。電話をかけると疾病管理庁と市役所民願室、区役所保健所がピンポンをする」とし「政府は『海外での事例はあるものの(今回のことは)因果性が認められていない』と言うばかりで胸が張り裂ける思いだ」と訴えた。

続いて李さんは「労災申請をしようとしたが、だめだと言われた」とし「勤労福祉公団の事務室にはちょうど『コロナ確定被害者は労災申請してください』というポスターが貼られていた。これを見て、ワクチンを打たずにコロナにかかった方が賢明だったと思った」と話した。

彼は「国家を信じて接種したのに返ってきたのは大きな刑罰だけ」とし「国家なんて、本当にあるのか」と怒りを表出した。続いて李さんは「副作用について政府が責任を取るという大統領の話を信じていたのに、恋人に裏切られた気持ちだ」と悔しさをにじませた。

李さんは大統領府ホームページの掲示板に請願文を掲載したこの日、あるメディアとのインタビューで、ワクチン接種に伴う副作用を「ロシアンルーレット」になぞらえて表現した。彼は「ワクチン接種が『ロシアンルーレット』のように運が悪ければ副作用に当たりそのまま被害を甘受しなければならないのか」と問い返し、「政府は副作用が疑われる場合、治療費支援など対策を準備した後でワクチン接種を促すべきだった」と、悔しさを吐露した。

今回、ワクチンの副作用事例として明らかになったこの准看護師は、京畿道(キョンギド)の病院に勤める45歳の女性だ。夫の李さんによると、この准看護師は今年1月に病院に入社する際に提出した健康診断書ではとても元気だったという。しかし、3月12日、アストラゼネカワクチンの接種を受けた後、免疫反応関連疾患である急性破種性脳脊髄炎の診断を受けた。この准看護師は接種直後に1週間頭痛を患い、同月24日には物事が重なって見える「両眼複視」症状まで訴えたという。同月31日、病院に入院した後は、四肢麻痺の症状まで見せた。

その准看護師が副作用を疑われる事例が伝えられた4月19日、政府は准看護師側が審議を依頼した場合、被害調査班で審議ができるという立場を示した。コロナ19予防接種対応推進団異常反応調査支援チーム長は当時、定例ブリーフィングでこの准看護師の事例と関連し、「1次診療診断名は急性破種性脳脊髄炎(ADEM)だった。神経学的な異常反応が現れることがある疾患」とし「一般病室で治療を受けており最近確認した結果、症状は悪化していない」と説明した。

パク・チーム長は「ADEMは推定診断」と説明し、「確定診断には時間がかかる可能性がある。特異な状況を通じて発生率が上昇し、関連性が認められた場合、評価はもう少し根拠がでてくる」と付け加えた。市・道迅速対応チームと疫学調査を終えた推進団は、1カ月後に准看護師の再検査結果を確認する予定だ。その後、准看護師側が審議を依頼すれば、中央被害調査班で審議する予定だ。

誰がみてもワクチン接種による副作用であるのに、審査、検査はこんなにも複雑で要領を得ない。たぶんどこの国でも同じだろう。疾病に関する保険金がなかなか出ないといわれる(なんだかんだとナンクセをつけてこの症状の特約が契約書に入ってないから駄目だとか)が、それとだいたい軌を一にする現象だ。

韓国で新型コロナウイルス感染症(コロナ19)のワクチン接種後、異常反応が疑われると申告された事例は166件となり、このうち死亡報告は累積49件となった。勿論これでも接種はしたほうがいいのだろうが、いかがなものなのか。

政府対応の杜撰さはあるものの、一応嘘を言ったり隠蔽したりすることのないだけでも、ヨシとすべきなのかもしれないのだけれど(准看護師部分は中央日報の記事がベース。感謝)。

※ 青瓦台の「国民請願掲示板」:誰でも大統領府にネット上で訴えを書くことができる仕組み。ビューアーが20万人を超えると政府はなんらかの対処をしなければならない。これは、面白い仕組みだ。クールコリア殿堂に入るだろう

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