今、とある医大生の溺死事故で大きく揺れている韓国社会。亡くなった男性と遺体発見現場近くで直前まで一緒に飲酒していた友人に疑いの目が向けられ、ニュース番組でも取り上げられない日がないと言います。ネットでもありとあらゆる書き込みがなされているというこの事件。今回の無料メルマガ『キムチパワー』では韓国在住歴30年を超える日本人著者が、その内容を詳しく伝えるとともに、現地の様子をレポートしています。

漢江の医大生事件

現在韓国では、ソウルの漢江(ハンガン)の盤浦(バンポ)公園で死亡した状態で発見された医学部1年生ソン・ジョンミンさん(22)事件の話題で持ち切りだ。

ソンさんは先月24日夜、同じ大学の医学部生である友人A氏(同学年)と夜の11時ごろ、盤浦漢江公園で会って翌日未明まで芝生で酒を飲んでいたが、行方不明になった。A氏は、25日午前4時半ごろ、「目を覚ましたら、ソンさんがおらず、家に帰ったと思い、1人で家に帰ってきた」と話していた。友人A氏が4月25日午前4時33分ごろ、一人で漢江公園を抜け出る様子は、監視カメラに写っている。
二人が酒を飲んだ公園の芝生の近くには、CCTVがなかった。

すぐにソンさんの捜索に突入したが、遺体が見つかったのはそれから5日後の4月30日だった。漢江の盤浦公園付近を捜索していた民間救助士とその救助犬によって発見されたもの。漢江は、引き潮、満ち潮があり、ソンさんが行方不明になったときは満ち潮で、かなり上のほうまで流されて、5日後にだいたい行方不明時と同じ場所で発見されたもののようだ。普通だったら、下流へ下流へと流れて行って、探すことはほぼ不可能に近かったはずなのだが、奇跡的にほぼ同位置で、ワンちゃんによって発見されたのだ。

国立科学捜査研究院によると、ソンさんは飲酒から2-3時間以内に死亡したとされている。死因は溺死。酔って自分から水に入っていったのか、誰かが水の中にいれたのか。この事実攻防が今も続いている。

疑われるのは当然いっしょにいた友人のA氏だ。ネットでも、ありとあらゆる書き込みがなされているらしい。占い師やムダンといわれる呪術師的な人たちも、だいたい口をそろえてA氏が犯人だろうとしている。しかし、特別の動機もみつからない中、真相究明はかなり難航しているようだ。

警察ではA氏をはじめ、その家族やら当時の目撃者らをかなり調査しているが、途中経過などを発表しないため(勿論発表する義務などはないのだろうけど)毎日、毎日、あらゆる憶測が出回っている。ニュースのパネル番組も、この話題を取り上げない日もないし局もない。政治、経済とはまったく関係のない事件なのだが、人々の関心は日増しに高まってきている。

筆者も、昔漢江のバンポ公園には何度も行っているので、真実が究明されることを願っている。いたずらに誰かを犯人に仕立て上げるような言動は、慎んでほしいと願うばかりだ。

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