ロシアとの激しい戦闘が続いているウクライナですが、日本もいつロシアからの軍事侵攻を受けてもおかしくない状況に置かれているようです。そんなショッキングな事実を綴っているのは、ジャーナリスト・作家として活躍中の宇田川敬介さん。宇田川さんは自身のメルマガ『宇田川敬介の日本の裏側の見えない世界の話』で今回、戦争とは「外交上の対立」「交渉の不在」「武力侵攻」から成るもので、日ロ両国はすでに「外交上の対立」「交渉の不在」の段階にあり、つまりは我が国とロシアはすでに戦争状態にあるとの認識を記しています。

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ウクライナ情勢を見て思う「我が国は生きのこれるのか?」日本のリスク・ロシア編

日本のリスクを各論として話をしています。

前回は中国のリスクを考えてみました。

【関連】日本人が中国に対して抱く“勘違い”が「最大の中国リスク」という皮肉

ただし、日本の中国からのリスクというのは、ある意味で日本人の中に内在するリスクが大きなものではないかということを分析しています。

もちろん「政治と経済は関係がない」「経済は独立している」というようなこともあるのでしょう。

しかし、それは平和であるということが前提であって、危機やリスクをはかるときにはそのようなものではないのです。

しかし、日本人はそもそも「危機」、特に「人的なリスク」ということを全く考えない状況になるので、基本的には「危機管理」というと災害の事しか考えないのです。

実際に「犯罪に備える」という意味で、日本の住宅の中にパニックルームのようなものがある家はほとんどありません。

もともと日本の場合は、明治から昭和初期くらいまで、村や集落全体が一つの家族のような感じになっていて、その為に「家族で避難する」ということがなく、何か避難をするときには村全体で避難するというような感じになっていたのです。

そして、その時は「神社」や「寺」、あるいは「山の上」など、村人が避難する場所が決まっていて、その場所に皆が三々五々目指すというような感じになっていたのではないでしょうか。

例えば江戸時代の浅間山の噴火などを見てみたり、あるいは、江戸時代の後期の東北の鳥海山の噴火などは、まさに、そのような感じで、噴火や土石流に対して、神社に集まるというような感じになるのです。

特に浅間山の噴火の時は、あと石段数段で助かったというような遺骨が出てくることから、多くの人が、高所の神社に集まるというようなことがあり、そこに行った人がそこで助かった人を確認するというような感じではなかったかと思うのです。

当然、「村が一つの家族のような感じ」になっているのですから、当然に、家族ではなく、村全体が一つの家族のように助け合って暮らしていたということになります。

つまり「他人」であっても「同じ村の人」に対しては、まったく警戒心がないということになります。

逆に言えば、「村に入ってくる人」つまり「よそ者」に対しては非常に警戒心があり、それらは、村の境でそれを食い止めたり、そのような人を自分の家の中に止めないというようなところがあったのです。

そのような歴史的な慣習があり、それが国民性になっているので、家の中にパニックルームを作ったり、シェルターを作ったりということはあまりしないのではないかという感じなのです。

そのような意味で、家族で、または各個人の家で何か備えるということは、あまり日本ではあわないというような感じになります。

ある意味で、「街」や「市町村」単位で何かを考えなければならないのではないかと考えられるのです。

さて、そのようなことから、「個人は自由にしてしまう」ということに繋がり、それが、中国との間の日本のリスクを高めてしまうということになるのではないでしょうか。

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さて、では、ロシアとの間はどうなのでしょうか。

ロシアに関しては、現在ウクライナとの間で戦争状態でなっており、そのことからロシアそのものに対して脅威が高まっているということになりますし、また、それ以前にも日本は東西冷戦の時にソ連を敵視していたので、そのこともあってロシアに対しては警戒心があるといっても過言ではありません。

ロシアに対して、まずは「何だかわからないけれども怖い」というような感覚がある人が少なくないのではないかと思います。

またそのようなことが無くても、ロシアとの間には北方領土問題があり、たまに越境してしまう漁船が銃撃を受けたり、あるいは拿捕されるなどのことがあるのですから、日本人にとってはあまりよろしい印象は少ないのかもしれません。

一方経済的なつながりということになると、まず漁業ということがあります。

ズワイガニや毛ガニ、タラバガニ、サーモンなど、北海道で水揚げされる漁獲の中には、ロシアとの間の漁業協定に基づいて捕っている物も少なくありません。

他にもニシンなどもその中に入っており、様々なものがロシアとの間でやり取りしています。

一方、日本からは家電製品や自動車、腕時計などの精密機械などが多く輸出されています。

また、そのような単純な内容ばかりではなく、一つはロシアのサハリンの地下資源開発などに、日本はすでに10兆円近く投資しています。

今回のウクライナ侵攻の時に、岸田首相が「サハリンの地下資源からは撤退しない」などということを言っていますが、それだけの投資をしていて、それが各企業で損失を計上数すると、一気に日本の景気が悪くなるというようなことも考えられます。

もちろん、ウクライナの人の人権や、ロシアの国際法違反、などにかんして、そのように経済を優先することが良いのかというようなことは少なからずあると思います。

岸田内閣は、なかなかそのようなことまで気にしながらしっかりとした政治が行える内閣ではないようなので、何とも言いようがないですが、しかし、そのようにして日本国または日本の企業の信用を失うことが、最終的には大きな損失になるということも、政治的な立場からは考えなければならないのではないかと思います。

さて、そのように「中国ほど経済的な関係が高いわけではない」ということが一つあり、また、「日本は将来的なことを考えて、投資をしている相手である」ということがあります。

一方で、ロシアに関しては、今の所「日ロ平和条約」のような基本条約は締結しておらず、政治的には、対立関係が続いているというような評価ができるということになります。

そしてもう一つは国際的な状況を見ると、1991年にソ連が崩壊し東西冷戦が終わっても、現在もアメリカ・ロシアにおいてお互いの対立構造が消えていないということになります。

米中対立は、21世紀になって急に出てきたことですから、まだまだ、様々な回避方法があるかもしれません。

この内容は、基本的に中国の覇権主義と経済的な「欲望」の問題になるので、様々なところに妥協点もあるということになります。

もちろん、中国に対してあまり良い感情を持っていない人に関しては、そのような妥協は必要ないと思っているかもしれません。

一方のロシアと西側諸国の対立に関しては、そもそもレーニンが共産主義革命をする前、ロマノフ王朝などの時からの「新興勢力と老舗の戦い」というようなところがあり、なかなか根が深い部分があります。

「根が深い」ということは、当然、お互いの国民感情もよくなくなっているということになります。

つまり、政治の問題ではなく、国民同士の問題になっているということになるのです。

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さて、このような状況の中で、日本は戦後、東西冷戦の西側陣営にあり安全保障も、また経済的な内容もすべてアメリカに依存していました。

近年になって、日本は完全に独立したような気になって、独自に中国やロシアに向かって言っていますが、しかし、北方領土に関しても全く独力で解決できませんし、中国に対する尖閣諸島問題も対処できない状態です。

相手が武力で出てきた場合は、その時にアメリカに頼るというような感じで、それは北朝鮮の拉致問題でも全く同じ状況なのです。

このような状況で、「都合の良いときだけアメリカの安全保障条約に頼る」という日本人の「ご都合主義」がまずは、もっとも大きなリスクであることがよくわかります。

このことは、現在のロシアのウクライナ侵攻であっても、経済をロシアに依存しながら、ロシアの侵攻に抗議するというようなことで、地下資源の問題などで苦労しているドイツやイタリア、あるいは経済全般を依存しているモルドバなどを見ていればよくわかるのではないでしょうか。

平時の「いいとこどり」は、間違いなく「緊急時の悪いところの集積」につながってしまうのです。

平時から日本人はそのようなことを意識して行動をするべきではないかと思うのです。

そのロシアは、すでに日本との間においてウクライナの問題で外交官を追放し、また63人の政治家やジャーナリストなどを入国禁止にしています。

要するに「戦争状態」であるということは明らかなのですが、日本人はいまだに「ロシアと戦争状態にある」ということを全く感じていないということになります。

「戦争」ということの定義の問題ですが、日本人の多くは、「第二次世界大戦のような敵国の上陸と武器の使用」と言うようなことを考えてしまっています。

しかし、そもそも「戦争」ということは「外交上の対立」と「交渉の不在」ということが挙げられるわけであり、その状態から、最終の解決手段として武器の使用、もっとあからさまな言い方をすれば、武力侵攻による敵方政府の降伏(滅亡)と、傀儡政権の樹立ということになります。

その意味では、現在「武力侵攻」がない状態で、すでに「外交上の対立」や「交渉の不在」ということが存在しているので、戦争状態にあり、いつ武力侵攻があってもおかしくない状態になるのです。

ちなみに、ウクライナ侵攻になって、左翼の一部のネット言論者の中やマスコミの一部から、安倍首相のプーチン大統領との交渉過程がおかしいのではないかというようなことを言っていました。

しかし、そもそも「戦争状態にしないために、外交上の対立を排除し、交渉を持つ」ということをするのは、当然に日本国の憲法の精神に基づくものであり、同時に、その内容が日本の国益につながるものです。

少なくとも現在、ロシアの軍事力と戦って、日本が勝てるというようなことはありません。

いや、ウクライナのように戦ったとしても、日本人の民間人に被害が出てしまう可能性があるので、それをいかに避けて、平和条約を締結するかということが重要になってくる状態です。

(メルマガ『宇田川敬介の日本の裏側の見えない世界の話』2022年5月16日号より一部抜粋。続きはご登録の上、お楽しみください。初月無料です)

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image by: Sergey Rusanov / Shutterstock.com

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