長きに渡る軍事的中立政策から一転、北大西洋条約機構(NATO)への加盟申請を行ったフィンランドとスウェーデン。バイデン大統領は2国の加盟の全面支援を約束しましたが、欧州ではどのように受け止められているのでしょうか。今回のメルマガ『パリ大学博士・世川祐多のフランスよもやま話』では歴史学者で日仏交流に情熱を注ぐ世川祐多さんが、フランスでのこの件の報じられ方を紹介。さらに欧州各国を驚かせたフィンランドの「ある変化」についても取り上げています。

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フランス目線でのNATO拡大とロシア

日本はNATOの構成国ではないから、部外者の目線から、「ついにNATOに軍事的中立国のスウェーデンとフィンランドが加入申請するのか。国際情勢も変わるな…」という感覚でいる。

他方、フランスはNATOの構成国であるから、今回のNATOの拡大は、フランスにとって自分のことでもある。

トルコは特殊としても、フランスは西ヨーロッパの雄として、このスウェーデンとフィンランドの加入申請を歓迎し、支持すると表明している。

報じられ方の大半は、プーチンが目測を誤り、まさかのまさかで「Finlandisation(英 Finlandization)」が終わってしまったというものだ。

フィンランドは、冷戦終結までソ連に歯向かわないことで、西のロシア隣国としての独立を維持してきた。

この路線をして、NATOに加わることもせず、ロシアを刺激しないようにしてきた訳であるが、まさか彼らがNATOに加入するということは、プーチンも想定外であったろうとの意見だ。

演技なのか素なのか、日本も戦後はお人好しの八方美人のような外交姿勢を常としているが、フィンランドは演技派である。

この長らくの演技派がロシアへの演技をやめ真顔になったというのは、ある種フランスやヨーロッパも驚いている。

さて、先月、フランスはスパイ活動の疑いで41人のロシア外交官を追放したが、5月18日には、この報復措置として34名のフランス外交官がロシアから追放された。

仏露関係はピリピリしつづけ、対ロシアで一枚岩になるヨーロッパの中の主役フランスである。

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image by: Andrzej Rostek / Shutterstock.com

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