日本スケート界大注目の“西村姉妹”の育て方。「常に反復練習」父が語る強さの秘密

今年6月にエクストリームスポーツの世界最高峰の大会「X Games」に出場を果たし、2020年オリンピック競技・スケートボード追加種目決定の記者会見にも参加し、現地時間102日にロサンゼルスで行われた「Street League」にも出場を果たした西村碧莉(アオリ)!(結果5位)

 

※西村碧莉、父・哲雄

 

日本で最も注目を集めるスケーターの一人となった彼女と、同じく日本のガールズスケートシーンのトップランナーである姉・詞音。

 

そんな彼女たちの強さの秘訣を父である哲雄さんに迫ってみた。

 

日本を代表するガールズスケーター姉妹の父・哲雄さんにインタビュー!

※父・西村哲雄さん

 

なぜ彼女たちはこんなにもスケートがズバ抜けて上手いのか?

その秘訣を知るには“一番近くで見ている人に聞けばいいんじゃないか!?”と言うことで!

 

通称「西村3姉妹」の父、西村哲雄さんに“どうしたらそんなとんでもないスケーターが育つのか!?”インタビューを敢行しました!

 

_自己紹介をお願いします。

 

特にないっす(笑)

しいて言えば、高校生の時、2年くらいスケートしていたくらいですね。大人になってからもちょくちょくやっています。

 

仕事はカミさんの実家がステンレスの工場をやっていてそこで働いています。

 

_3姉妹の紹介をお願いします。

※沙菜・詞音・碧莉 西村哲雄Facebookより

 

長女、沙菜(サナ・20歳)はマイペースで3人の中では一番スケートDVDを観ていて「Street League」とかも夜中一人でパソコンで見ています。

 

一番スケートの話をしていて楽しいのは沙菜です。スケートはずっと趣味としてやって、詞音・碧莉の応援をしていきたいって言ってますね。西村家のブレーン的な存在になりつつあります。

 

次女、詞音(コトネ・17歳・高3)は生まれた時から反抗期ですね。全てにおいて必ず一度は否定してくる感じです(笑)

 

スケートに対する情熱が熱い訳ではないんですが、ハンドレールに突っ込んでいって、ここぞって時には決めてくれる。気合いと根性でここまで来てるって感じ。今は前十字靭帯と後十字靭帯の手術してリハビリを頑張っています。

 

三女、碧莉(アオリ・15歳・中3)はポカーンとしてますね。一番練習しないですね。コンテストも無難にこなしながらストリートもやってけっこうバランス良くやっていますね。

 

碧莉は、(コンテストでの)勝ち方を知っているというか100パーセントではやらないんで、上手いですねその辺は。一緒にルーティン考えてる時とか「お前ならどうする?」って聞くと「え、そんな感じなの?ゆるくない?」みたいな(笑)

 

もうちょっとこんぐらいの事したほうがカッコイイんじゃないとかって言うんですけど、「そこで失敗したら途切れて、せっかく勝てるとこ勝たないともったいないじゃん」って。冷静ですね。

 

_初めからスケーターに育てようと思ったんですか?

 

全く考えてないです。たまたまですね。

 

_末っ子の哲偉瑠(テイル)4歳)くんの「テイル」はスケートボードのテールから?

 

いや、実はみんな全くスケートをやらせるつもりはなかったんです、だけどサナ、コトネ、アオリの頭文字を取ってみると…SKAになるんですよ、それでテイルが生まれて名前どうしようかってなった時にSKAってきたらもうTEしかないだろって(笑)じゃあ5人目はもう考えられないから4人目でTEつけちゃおうって。

 

_狙ってないのにそうなるなんて、もうスケート一家になる運命ですね!

 

なんかそんな感じに思っちゃいましたね(笑)

 

_子育てに関して“西村家の特徴”ってありますか?

 

うちがスケートを始めた時は「春日美夢」とか「瀬尻稜」とか既にトッププロがアメージング(現・ムラサキパーク東京)に来てて、その時に稜くん家の育て方をマネして“常に反復練習”、もう泣こうがなんだろうがとにかく出来るまでやるっていう。

 

まぁ、そこまで徹底出来なかったですけども。諦めるのはすごい嫌なんでスケートに関係なく何に対しても諦めないでやっていくというのは小さい時から教えてました。

 

あと、学校の先生に何言われてもいいから自分のやりたい事をやれって言ってきて。だから学校とは常に対立してきてて(笑)

 

でも今はオリンピックの件があってから学校サイドはコロっと手の平を返してきて、「ほら見たか」って感じですね(笑)散々スケートをバカにしてきた先生たちも、もう何も言えなくなりましたね。校長先生も「碧莉さんの好きなようにやって下さい」みたいな。

 

まぁ、子育てで自慢できるような事は無いですけどね。

 

_ところで詞音さんの怪我の状態は?

※西村詞音さんface bookより

 

怪我をした時に上田豪プロが心配して「go skateboarding day」の日に来てくれたんですよ。それですごいパワーをもらいました。

 

詞音はスヌーピーが大好きなんですが、たまたまその時「ウィリー・サントス」のデッキブランドから上田豪モデルが出たんですけど、それがスヌーピーなんですよ。

 

それで豪プロが「コトネ、スヌーピー好きなの?次出るデッキこれなんだよね」って見せてくれたグラフィックがスヌーピーがバスに乗ってる絵でコトネの携帯のカバーと同じだったんですよ。

 

「えー!」みたいな(笑)豪さんも鳥肌立っちゃって。すごい偶然だよー!って

 

_ズバリどうしたらこんなに上手いガールズスケーターが育つんですか?

 

まずは環境ですね。春日美夢や瀬尻稜とか堀米悠斗や池田大亮など…日本を代表するえげつないメンツが常に周りにいましたので。

 

AJSAも女の子だと結構出ない子が多かったんですけど、うちは全然関係なしに「コンテストあるんだったら出ようよ」って、それによって自分達の位置がわかるし、そもそも本人たちが女の子だから無理って考えがなかったんで。

 

よく「環境は関係ない」っていう人もいますけど、絶対に環境は関係ありますね。

 

_碧莉さん「X games」に続き「Street League」出場にあたって“他のスケーターとはココが違ったから出場できた”っていうのはありますか?

 

コンテストに対する考え方ですね、確実にメイクする、自分が出来ることをしっかりやって滑り切るっていう考え方が良かったんじゃないですかね。

 

あと女の子は“R(セクション)”が得意って子が多い中で、唯一ハンドレールが得意っていうところ。まだ日本では詞音と碧莉以外見たことないですね。他の子がやらなかったことをやってきたってのは大きいですね。

 

※西村碧莉「B/Sノーズブラント」

 

_自分の子供がガールズスケーターのトップシーンにいることに関してどう思いますか?

 

気がついたらそこにいたって感じなんで。でも途中からは明らかに(実力が)ぶっちぎりになるのは目に見えてました。

 

3年くらい前からは敵がいないどころかヘタしたら同じようなタイプが出てこないんじゃないかって思ってるんですよね。だから碧莉・詞音には自分たちだけの世界じゃなくて自分たちのファンを作って同じようなスタイルの子が出てくるように引っ張っていってほしい。

 

_スケートを教えていて大変だったことはありますか?

 

初めにハンドレールを教える時に自分がレールにまたがって「受け止めるから自分に飛び込んでこいっ」てやってたら膝にガンガン当たって膝に水が溜まりました(笑)

 

それと、まぁ…結構いろんなことも言われましたね。

 

—どんなことを?

 

「女の子にそんな危険なことをやらせてどうすんだ?」とか「スケートボードは親がくっついてやるもんじゃない」とか、でもいろんなやり方があると思うし、たまたま自分もスケーターだったんで一緒に教えていたんですけど。

 

「アツいねぇ、お父さん」ってバカにされたこともあります。いろいろありました。

 

_東京オリピックは意識してますか?

 

詞音に関しては、オリピックが正式に決まったってことで「自分も目指したい」ってなって(膝の)手術するのも迷ってたんですけど、覚悟決めて手術して「アオリと二人で出れたら最高だな」って、今リハビリを頑張ってます。

 

碧莉は記者会見とかでは「決まってすごく嬉しいです」とか言ってるけど…。

 

次の「TRANSWORLD SKATEboarding Japan」で碧莉が本当の事を正直に答えているんで是非読んでみてください。

 

TRANSWORLD SKATEboarding JAPAN 2016年11月号(表紙・西村碧莉)
Fujisan.co.jpより

 

_実際オリンピックはどうなるんでしょうか?

 

今は2020年の東京オリンピック関係の取材が増えていて、それに対してやっぱりスケートはオリンピックに対して反対意見もあるじゃないですか。どうしてもオリンピックのクリーンなイメージで碧莉が行くと、実際は(ストリートもやるし)それだけじゃないので…。

 

自分もそうなんですけど、スケーターってカルチャーを大事にする人が多いんで、オリンピックでワーってなって、最終的に行くとカルチャーを知らないスケーターが増えるじゃないですか。

 

そうなった時に、言い方が難しいですけど、そういうカルチャーをかき消してきた先駆者みたいに“そういうのを無視してやってきた連中”みたいにバッシングされるんじゃないかっていうのがすごく心配です。「全然そんなことないよ」って、むしろそんな事言われるんだったら出ないし!みたいな。

 

連盟に「ストリートで滑っちゃダメだよ」とか言われるんだったら、オリンピックなんてクソくらえって思ってますからね。そうなったら海外行けばいいじゃんって思ってますけど。

 

TVなどのメディアでは言えないことがたくさんあって、本当のところは言えないけど、本人たちはスケートカルチャーなど、理解した上でやっているんで。オリンピックで悪者にされるのだけは勘弁してほしいです。

 

※西村碧莉「B/Sリップスライド」

 

オリンピック後のスケート業界は?

 

哲雄さんは「本人たちがスケートカルチャーを理解した上でオリンピックの取材などに取り組んでいるのを理解してほしい」と言っていた。もし、本当にそんな事を思っている人がいるなら本人たちのFacebookInstagramなどを是非チェックしてみてほしい。

 

彼女たちが本当にスケートボードが好きでスケートボードに関わっている事がわかるだろう。そこには彼女たちのスケートに対するこだわりが見えてくる。やっぱりこだわりがある人はかっこいい。スケートボーダーはある意味こだわりの塊だと思う。服装、トリック、スタイル、などなど以前、スケート雑誌の編集長にインタビューした時も「スケートはかっこよくないといけないから」と語っていた。

 

彼女たちがオリンピック選手に選ばれたら逆にスケートボードは変な道に逸れる事は無いと思う。なぜなら彼女たちは紛れもなく「カッコイイ」から。

 

 


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