黒ひげが「グラグラの実」を奪取したのは計画とは違った?

 大人気マンガ『ONE PIECE』に登場する、黒ひげこと「マーシャル・D・ティーチ」は、作中で唯一「悪魔の実」の能力をふたつ得た人物です。現在、黒ひげは自分で食べた「ヤミヤミの実」の能力と、「白ひげ」から奪った「グラグラの実」の能力を持っています。

 自然(ロギア)系の能力である「ヤミヤミの実」と、超人(パラミシア)系のなかでも強力な「グラグラの実」の組み合わせは、かなり強いものではありますが、一部ファンの間では「グラグラの実よりも優先するべき悪魔の実があったのでは?」という声もあがっているようです。そもそも黒ひげの「グラグラの実」奪取は、計画的だったのでしょうか?

 黒ひげは少年の頃から「白ひげ海賊団」に所属しており、白ひげ海賊団に加入した理由について「意中のヤミヤミの実が転がり込んでくる確率がいちばん高いと踏んだから」といった旨の発言をしています。

 そして「ポートガス・D・エース」とのバナロ島での決闘の際には「俺が成り上がる手段はもう全て計画してある!!!」といった発言をしており、かなり計画的に行動しているキャラだと考えられます。

 そのときの黒ひげが明かした計画は、「ルフィを殺してその首を世界政府の手土産にし、王下七武海に加入する」といったものでした。しかし、エースが自らを追いかけてきたため、急遽エースを生け捕りにして世界政府への手土産にするという計画に変更したと思われます。

 もし当初の計画通り「ルフィ」を世界政府の手土産にしたなら、おそらく「頂上戦争」は勃発しなかったはずで、その戦争における「グラグラの実」の奪取は想定外だったのかもしれません。

 では、黒ひげは「グラグラの実」ではなく、どのような悪魔の実を狙うのが良かったのでしょうか。

「ホビホビの実」の能力者シュガーが表紙を飾った『ONE PIECE Log Collection "SOP"』(エイベックス・ピクチャーズ)

「ヤミヤミの実」と相性が良いのは「あのパラミシア系」?

「ヤミヤミの実」の能力は、他のロギア系のように攻撃を受け流すことができず、あらゆる痛みを引き寄せるという弱点があります。そのため、ふたつ目の能力としては、この弱点を補う能力がふさわしいのかもしれません。

 たとえば、「トリトリの実 幻獣種 モデル:不死鳥(フェニックス)」や「キラキラの実」などです。

「トリトリの実 幻獣種 モデル:不死鳥(フェニックス)」はダメージを受けても不死鳥の能力で回復することができますし、「キラキラの実」は体をダイヤモンドに変化させる物理防御としては最強クラスの能力です。

 それに、これらの「悪魔の実」を食べた「マルコ」と「ジョズ」は白ひげ海賊団のクルーなので、能力を奪うのも難しくなかったと思われます。

 また、同じような理由から、黒ひげはもうひとつロギア系の能力を奪うのも選択肢としてはアリだったかもしれません。「ヤミヤミの実」の能力はロギア系のなかでも異質で、覇気をまとっていない攻撃すら受け流すことができません。

 この弱点を補うために、普通のロギア系の能力を得て物理攻撃を受け流すことができたら、さらに隙がなくなるはずです。

 そのほか「ヤミヤミの実」の能力とかなり相性が良さそうなのが、パラミシア系の「ホビホビの実」の能力です。「ホビホビの実」はドンキホーテ海賊団のシュガーが持つ能力で、「触れたものをおもちゃにし、契約して従わせる」ことができます。

「ヤミヤミの実」の能力によって強制的に引き寄せれば、対象に触れるのは比較的容易で、さらに「ホビホビの実」の能力によっておもちゃにされた者は、「世界中から忘れ去られる」という恐ろしい効果まであります。

 もちろん白ひげから奪った「グラグラの実」の能力は、「世界を滅ぼす力」といわれる最強クラスの能力であるのは間違いないでしょう。しかし「ヤミヤミの実」との相性まで考慮するなら、もっと良い能力があったのかもしれません。

 なぜ黒ひげが「グラグラの実」を奪うことを選んだのか、そして白ひげ海賊団に所属した時点で「グラグラの実」の能力を奪うことまで計画していたのかなど、今後の展開で明かされることに期待しましょう。