前評判を超える盛り上がり?

 2024年4月から始まった春アニメ作品について、「いまさらどの作品を観れば良いか分からない」という人もいるのではないでしょうか。今もなお迷っている人や、新規開拓したい人などに、選択肢のひとつにあげてもらいたいのが物語序盤から主人公が死にかけて、視聴者を驚かせた作品です。

 まずはTBS系全国28局ネット「日5」枠にて放送中の『夜桜さんちの大作戦』です。権平ひつじ先生による同題原作は「週刊少年ジャンプ」にて連載されているアクションコメディマンガです。

 主人公「朝野太陽(CV:川島零士)」は、家族を事故で亡くし、周囲から心を閉ざしてしまいます。そして幼なじみの「夜桜六美(CV:本渡楓)」は、ふさぎ込みがちな太陽にとって唯一の話し相手でした。しかし、心の支えだった六美は代々続くスパイ一家の一員であり、当主になる存在であったことが明かされます。

 六美に近づいた、としてターゲットになってしまった太陽は序盤から命を狙われ、夜桜家の日常に巻き込まれていきます。銃撃戦や爆発が日常茶飯事な環境で、一般人である太陽はどうなってしまうのか、ハラハラ、ドキドキな展開に注目です。

 続いてテレビ東京系列ほかにて毎週土曜日23時より放送されている『怪獣8号』も盛り上がりを見せています。原作は2020年から連載されている同題マンガ(著:松本直也)で、ウェブコミック配信サイト「少年ジャンプ+」にて連載中です。

 舞台は、怪獣が日常的に襲来する日本です。「日比野カフカ(CV:福西勝也)」は、かつては怪獣退治の専門部隊「日本防衛隊」への入隊を目指していました。しかし、32歳となったカフカは夢を諦め、怪獣の死骸処理の仕事に就いていました。

 ある日、死骸処理のアルバイトに来ていた「市川レノ(CV:加藤渉)」との出会いにより、カフカは再び防衛隊を目指す決意を固めます。しかしカフカは、第1話終了直前にて突如現れた怪獣に襲われ、カフカ自身が怪獣になってしまいました。

 つまりカフカは、退治する側ではなく退治される側になってしまったのです。この主人公終了とも思える展開に「前代未聞!」「言葉失ったんだけど…」「次の展開読めない」などの声があがり、多くの視聴者は動揺するとともに、今後の展開に期待する声が相次いでいました。

 最後はTBS系全国28局ネットにて、毎週日曜日より放送中の『戦隊大失格』です。原作は大人気マンガ『五等分の花嫁』を描いた春場ねぎ先生であり、監督は『TIGER & BUNNY』などを手がけた、さとうけいいち監督ということで、スタッフ陣も注目度の高い作品です。

 舞台は、怪人と大戦隊の存亡をかけた争いが続く世界、しかし、実はこの戦いは茶番劇だったのです。実際は怪人のアジトはすでに陥落し、怪人幹部も全滅しており、残された下っ端戦闘員「ダスターズ」は、大戦隊と結ばされた秘密の協定「毎週末、地上侵攻し敗れ散る」ことを繰り返していました。

 しかし、この敗け続けの人生に立ち上がったのが、やさぐれた「戦闘員D(CV:小林裕介)」だったのです。一風変わったダークヒーロー物語が始まるかと思いきや、この主人公と思わしき戦闘員Dは、第3話に大戦隊に殺されてしまいます。

 この驚きの展開には「えっ、主人公が3話で退場?」「戦闘員Dは主人公じゃなかったのかな?」など、動揺する声があがっていました。

 どのアニメも、今後どうなっていくのかまったく想像がつきません。まだ未視聴の人は、作品視聴の選択肢のひとつにいかがでしょうか?