なんでも開くカギを持っているから必要ない…「アバカム」

 中学生の頃、都道府県はまったく覚えられませんでしたが、「ドラゴンクエスト」シリーズに登場する呪文は名称と効果をスラスラとそらんじることができる、筆者はそんな子供でした。ルーラ、ベホイミ、イオナズン、呪文は「ドラゴンクエスト」シリーズに欠かせない便利で頼もしい存在です。しかし、そんな呪文のなかにも、あまり使い道のないものもあります。今回はそんなザンネンな呪文を集めてみました。

 まずは鍵のかかった扉を開けることのできる呪文、アバカム。現実世界にあったら悪用間違いなし、というか「ドラゴンクエスト」の世界でも勇者達は人の家だろうがお城の宝物庫だろうがおかまいなしに入っていくので、そもそもこの呪文は悪用されていると言えるかもしれません。

 とても便利そうな呪文ですが、そもそもアバカムで開けられる扉のカギは、冒険のなかで手に入るということが大前提です。この時点で微妙な呪文の印象は拭えません。初登場の『ドラゴンクエストII 悪霊の神々』においては、ぎんのカギ、きんのカギ、ろうやのカギという3種のカギをひとつの呪文で代用できるので、持ち物のなかからそれぞれのカギを使うよりアバカムだけ使えばいい、というプレイヤーもそれなりにいたかもしれません。

 しかし、『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』になると、扉の種類を問わずカギを開けられる「さいごのかぎ」が存在し、習得レベルが最終盤に近いタイミングであることも手伝ってアバカムを使う必要性はさらになくなってしまうのでした。なんともザンネン。

●自分達が速くなった方が確実では?「ボミオス」

『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』で初登場した素早さを下げる呪文、ボミオス。敵の素早さを下げることで行動順が変わり、先手を取れるようになる呪文ですが、使用したターンの行動順は変わりません。ですから、次のターンに先手を取るために使うということになりますが、それならばボミオスなんて使わずに、その分の行動で攻撃してしまった方が早い、という場面も少なくはありません。

 また、ボミオスは敵にかける呪文なので、失敗することや、そもそも効かないこともあります。だったら味方を素早くするピオリムの方が間違いがない、と考えるプレイヤーも多く、ボミオスはますます出番が少ないザンネンな呪文になります。

大がかりなイベントで手に入る分、マジャスティスの存在感の薄さには哀愁がただよう。(画像は『アルティメット ヒッツ ドラゴンクエストVII エデンの戦士たち』パッケージ

覚えた頃には出番がない「レムオル」

 アバカムと並んで悪用できそうな呪文の代表格、自分の姿を消すことができる「レムオル」。シリーズ本編では『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』に登場したものの、使う場面がほぼ無いという悲しい呪文です。

 レムオルが攻略的に有効なのは1か所だけで、門番が見張るエジンベアの城にこっそり忍び込むために透明になる、という場面です。しかし、レムオルを使わなくても「きえさりそう」というアイテムで透明になれるうえ、レムオルは高レベルで覚える呪文であるため、実際にはほとんどの人がきえさりそうを使ったのでは、と想像できます。

 透明になることでモンスターに見つかりにくくなる、というような効果も全くないので、役に立つ呪文かで考えると、これ以上なくザンネンな呪文と言えるでしょう。しかし、攻略的に意味はなくとも、透明になって町の人などに話しかけるのは、ちょっと楽しかったりもします。

●大神官が研究したけど存在感の薄い魔法「マジャスティス」

『ドラゴンクエストVII エデンの戦士たち』に登場した、マジャスティス。大陸をも吹き飛ばすという究極の魔法を封じ込めるべく、マーディラスという国の大神官が研究したいかにも凄そうな呪文で、イベントによって主人公が覚えます。

 プレイヤーが戦闘中に使うと、敵一体にかかっている補助効果をすべて無効化できるというもので、なるほど究極の魔法すら封じ込めるというストーリーに合致した効果になっています。しかしザンネンなことに、マジャスティスを使って補助効果を打ち消しながら戦いたいような強敵はあまり現れないため、活躍の場が少ない呪文に。

 さらには、特技でいてつく波動を覚えてしまうと、マジャスティスが単体相手に15MPを使うのに対し、いてつく波動はMP消費なしで敵全体の補助効果をかき消すせるため、マジャスティスの存在意義がほぼなくなって一層ザンネンな呪文になってしまうのでした。

 効果が微妙だったり、覚えるのが遅すぎたり、使う場面があまりないザンネンな呪文を紹介しました。効果を聞けばいかにも便利そうなアバカムやレムオルがザンネンな結果に終わっているのは、コソ泥みたいなことをしていないで、さっさと世界を救いなさい、ということかもしれません。