ソフトメーカーは、今年もスイッチに注力!
2024年2月21日の23時に、Nintendo Switch(以下、スイッチ)の最新情報を届ける特別番組「Nintendo Direct」が配信されました。今回は、ソフトメーカーのラインナップに絞っており、任天堂以外の作品がひしめき合う形となりました。
予告の段階では、任天堂のタイトルが扱われない回だったので、物足りない内容になるのでは……と危惧する向きもありましたが、蓋を開けてみればその心配は全くの杞憂でした。見るべきところが随所に散らば目られており、濃密な27分間の映像に驚くばかりです。
任天堂以外のメーカーが、どんなタイトルを明かし、ゲームファンの朗報となったのか。今回の「Nintendo Direct」で押さえておきたい3つのポイントに絞り、注目点に迫ります。
●あの個性派RPGが、まさかの復活!
まず往年のファンを驚かせたのが、『MOTHER3』の復活です。独特のテキストセンスと世界観、そして独自性の高いストーリーで唯一無二の存在感を放った『MOTHER』シリーズのナンバリング3作目が、スイッチで遊べるようになりました。
『MOTHER』シリーズの発売当時は、RPGといえばファンタジーが主流で、プレイヤーが勇者となって世界を救うゲームが数多くありました。しかし『MOTHER』シリーズの主人公たちは、現代に生きるごく普通の少年少女たち。親しみやすい距離感と、そこから生まれる没入感が、プレイヤーを大いに魅了しました。
オリジナル版の『MOTHER3』は2006年に発売されて以来、他機種への登場は長らくないままでした。2015年にようやく、Wii U向けのバーチャルコンソールとしてリリースされましたが、そのWii Uも前世代のハードとなり、アクセスしやすいとはいえません。ですが、現行機であるスイッチでのプレイが可能となり、見事復活を遂げる形となりました。
ちなみに今回の『MOTHER3』は、「ゲームボーイアドバンス Nintendo Switch Online」の配信タイトルとして追加されます。そのため、「Nintendo Switch Online+追加パック」のサービスに加入していれば、追加で料金を支払う必要はありません。
●名作の復活は、『MOTHER3』だけじゃない
堀井雄二氏といえば、『ドラゴンクエスト』シリーズを思い出す人も多いことでしょう。ファミコン時代から現在に至るまで、常に最前線で走り続けてきた『ドラクエ』は、今も多くのユーザーに愛されており、ナンバリング最新作も現在開発中です。
ですが、堀井氏の代表作はそれだけに留まりません。特に、パソコンがまだ「マイコン」と呼ばれていた時代に登場し、ファミコン向けにもリリースされた『北海道連鎖殺人 オホーツクに消ゆ』は、名作アドベンチャーゲームのひとつとして語り継がれています。
ファミコン版の発売から数えても、36年以上もの月日が流れましたが、本作のリメイク版となる『北海道連鎖殺人 オホーツクに消ゆ 〜追憶の流氷・涙のニポポ人形〜』が発表され、話題となりました。
ビジュアルが一新されるのはもちろん、2024年を舞台とする新作ストーリーも収録されるとのこと。この追加ストーリーは堀井氏が監修しているので、ファンとしても見逃せない作品になりそうです。2024年夏にリリースされる予定なので、どうぞご期待ください。
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待望のシリーズ最新作や、気軽に試せる体験版の配信も
●シリーズ最新作も続々と発表
名作の復活にも目を奪われますが、人気シリーズの最新作が相次いで発表された点も見逃せません。まず、待望の最新作発表となった『パワフルプロ野球2024-2025』は、新シナリオを搭載する「サクセス」、歴代のボスが総出演する「パワフェス」など、今回もボリューム満点です。
こちらも根強い人気を誇るシリーズから、『真・女神転生V Vengeance』の発売も決定しました。『真・女神転生V』本編の物語に加え、虐げられた者たちによる復讐譚「復讐の女神篇」が追加され、新たな物語と全く異なる結末が楽しめるようになります。
ガンダムのプラモデル、通称「ガンプラ」をモチーフとしたユニークなアクションゲーム『ガンダムブレイカー4』も発表され、シリーズが新たな1歩を刻みます。パーツ単位で自由に組み替えられる自由度は、本作でも健在です。250機を超える登場機体を駆使し、自分だけの1体を創り上げましょう。
Wiiで活躍したダイビングゲームのシリーズも、最新作『フォーエバーブルー ルミナス』をスイッチに放ちます。見る者を引き込む美しい海中描写は本作でも健在ですが、オンラインに接続すれば、その体験を最大30人と共有できます。海洋世界の散策を、ひとりでもみんなでも楽しめる作品です。
各作品の発売時期などもすでに決まっており、『パワフルプロ野球2024-2025』と『ガンダムブレイカー4』は2024年発売予定。『真・女神転生V Vengeance』は6月21日、『フォーエバーブルー ルミナス』は5月2日に発売されます。
このほかにも、『New 電波人間のRPG FREE!』や『スーパーモンキーボール バナナランブル』、『グーの惑星2』などをはじめ、新作からシリーズの新展開まで幅広く発表されました。
●体験版が電撃配信!
新しいゲームが次々と登場しますが、自分に合うかどうかは、実際に遊んでみるまで分かりません。しかし、気になるゲームを全て買うわけにもいかず、どの作品を選ぶかは非常に悩ましい問題です。
しかし体験版があれば、そのゲームがどんな風に面白いのか、そして自分の好みと合うのか、懐を痛めずに確かめることができます。そして今回の「Nintendo Direct」に合わせ、新たな体験版がいくつも登場しました。
まずお勧めしたいのが、アトラスとヴァニラウェアがタッグを組んだ『ユニコーンオーバーロード』の体験版です。完全新作のファンタジーRPGで、自由度もかなり高く、骨太なゲーム性も備えているため、相性が合えばハマる可能性も大。体験版での「お試し」が、特に有効なゲームといえるでしょう。
人気アクションゲーム『魂斗羅』の初代を完全リメイクした『魂斗羅 オペレーション ガルガ』の体験版も、配信を開始しました。リメイクは、良作として生まれ変わる場合もあれば、ファンの期待を下回るケースもあります。ファンだからこそ、慎重に判断したい……そんなユーザーにも、うってつけの体験版です。
スイッチ版の発表と同時に配信が始まった『ソリティ馬 Ride On!』も、3DS版をベースとするリメイク作です。トランプの「ソリティア」と競馬を融合させたゲーム性は非常に完成度が高いものの、初見だとその面白さはなかなか想像できません。しかし、一見では分かりにくい魅力も、体験版ならばダイレクトに伝わります。
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驚きの発表から体験版の配信まで、多くのゲームファンに朗報をもたらした「Nintendo Direct ソフトメーカーラインナップ 2024.2.21」。どうやら今年も、多くの魅力的な作品と出会えそうです。