佐賀県にある菓子メーカー・竹下製菓。この名を聞いてピンと来る人は、おそらく九州にゆかりのある方で、それ以外の地域の方は知らない人も多そうです。しかし、このメーカーが販売し続けるアイス、ブラックモンブランは累計10億本も販売する大ヒット商品です。パッケージはどことなく昭和感があり、和やかでかわいく感じるところもあります。

今回はこの大ヒットアイス、ブラックモンブランの秘密に迫りながら、その味をレビュー。販売元の竹下製菓の担当者の方にも話を聞いてみました。

実は120年以上の歴史を持つ超老舗メーカーによるものだった!

ブラックモンブランの販売元・竹下製菓は、そもそも120年以上の歴史を持つ超老舗メーカーなのだそうです。もともとは現会長・竹下敏昭さんの曾祖父にあたる竹下佐七さんが現在の佐賀県鹿島市あたりで菓子屋を営んでいたのだそうです。

情報が少なかった時代だからでしょう、佐七さんは全国を歩き回り、自ら「菓子」にまつわる情報収集を行い、明治27年(1894年)に「菓子製造法」というレシピ集をまとめます。この中には各地の郷土菓子のレシピも数多く書かれていたそうですが、特筆すべきはマシュマロ。実は日本にマシュマロが伝わってきた当時から竹下製菓も製造販売を開始しており、現在もなお菓子部門の主力として商品を出し続けているのだそうです。

つまり、現在ではブラックモンブランなどのアイスで知られる竹下製菓ですが、もともとは「製菓」の名の通りお菓子を作って販売したというわけです。

累計10億本にもなるヒットとなったアイス・ブラックモンブランは、竹下製菓の3代目社長の竹下小太郎さんが経済視察旅行でヨーロッパに出向いた際、フランスのシャモニーという街でアルプスのモンブラン山を見た際、「この真っ白い山にチョコレートをかけて食べたら美味しいだろうな」と思ったことがきっかけだったそうです。日本に戻ってから何度も試作を重ね、ようやく販売できたのが今から52年前、1969年のことでした。

当時のアイスは、ほとんどが着色料で色付けした水に甘味料などで甘みをつけただけの駄菓子っぽいものだったところに、前述の「真っ白い山にチョコレート」を具現化するため、バニラアイスにチョコレート、クッキークランチといった洋菓子風の高級感をもったアイスを考案。子どもたちを中心に絶大な支持を得て、今日まで続く大ヒット商品になったのだそうです。

クランチがポロポロ落ちるのには避けられない理由があった!

このブラックモンブラン、筆者はたまたま東京のスーパーで見つけ、冒頭で触れたようなパッケージのかわいさから手に取り食べたのですが、その味の美味しさに驚愕しました。ザクザクした食感のクランチが病みつきになり、他社のアイスとは比べものにならないほどの食感です。

聞けば、このクランチのレシピもまた前述の3代目社長の竹下小太郎さんが開発したオリジナルレシピによるもので、ずっと使い続けているのだそうです。

かじっている際に、クランチがポロポロと落ちてしまうこともありますが、これはご愛敬。竹下製菓でもこの点に関する声が届くそうですが、この原因は「クランチ粒の大きさをわざと均一にしていないため」に起こることなのだそうですが、このことで美味しさを実現できているわけです。竹下製菓によれば、「クランチがポロポロ落ちて、お客さまにはご迷惑をお掛けしておりますが、実はそこにブラックモンブランの美味しさの秘密があることをご理解いただけますと幸いです」とのことでした。

ブラックモンブランは店頭からも注文できる!?

半世紀以上愛され続けるブラックモンブランは、九州エリアで有名である一方、それ以外の県の人は入手しにくい点は否めません。しかし、竹下製菓の通販サイトでの注文ができるほか、特に関東圏では商品の物流網がある程度確立されていることからも大半のお店でブラックモンブランを発注しようとすれば「できる」状態なのだそうです。なので、「ブラックモンブランを食べたい!」と思った場合は、まず近くでアイスを扱うお店に要望を出すのも良いとのこと。このように、店頭からの直接のオーダーで入荷してもらえるケースも最近は多いようです。

九州エリア以外の方にも食べて欲しいブラックモンブラン

最後に竹下製菓の担当者の方からメッセージをいただきました。

「九州ではおなじみのブラックモンブランですが、それ以外のエリアではなかなかご縁をいただけておりません。かなりこだわって作っています。クランチの粒を揃えた他社製品を食べたお客さまからは『竹下のブラックモンブランのほうが抜群に美味しい』とお褒めをいただくことも多いです。九州以外のエリアの皆様にも是非ご賞味いただきたいと思っています。よろしくお願いいたします」(担当者)

筆者個人の話ですが、最近は晩酌でお酒をしこたま飲んだ後、「シメのラーメン」ならぬ「シメのブラックモンブラン」が至福の時間です。もちろん、こんな楽しみ方だけでなく、様々なシーンで美味しくいただけるはずのブラックモンブラン、是非一度食べてみてください。本当に美味しいアイスです。

ブラックモンブラン

https://takeshita-seika.jp/

(まいどなニュース特約・松田 義人)