夏季休暇や年末年始などの長期休暇をスケジュール通りに取得できるのはどの職種なのでしょうか。レバレジーズ株式会社(東京都渋谷区)が運営する就職支援サービス『ハタラクティブ』が、「休日」に関する調査を実施したところ、長期休暇をスケジュール通りに取得できる社員は2割未満に留まりました。そのなかで、「営業職」や「エンジニア職」は比較的長期休暇を取得しやすい傾向にあることが分かったそうです。

調査は、現在平日休みで勤務している正社員436人(固定の平日休みで勤務している正社員62人、シフト制で勤務している正社員374人)を対象として、2024年4月にインターネットで実施されました。

調査によると、シフト制で勤務している正社員374人のうち、約5人に1人が「希望休が全く取れない」(18.2%)と回答していることが分かりました。

希望休が「取れる」と答えた281人に「取得可能な希望休の日数」を教えてもらったところ、「8日以上」(32.0%)が最多に。企業によって希望休の取得日数にばらつきは見られるものの、約7割は1カ月に取得できる休日の半分以上を指定できることがうかがえました。

次に、全回答者に「GWなどの長期休暇をスケジュール通りに取得できますか」と聞いたところ、「必ず取れる」(15.6%)は2割未満にとどまったものの、「やや取れる」(31.9%)を合わせると、半数近い人がある程度スケジュール通りに長期休暇を取得できていることが分かりました。

「スケジュール通りに長期休暇を取得できる」と答えた割合を職種別にみると、1位「営業」(25.0%)、2位「モノづくり系エンジニア」(20.4%)、3位「建築/土木系エンジニア」(20.0%)という結果になり、営業職やエンジニア職は比較的、長期休暇を取得しやすい傾向にあることが見受けられます。

一方で、「保安」(5.5%)や「医療・福祉系専門職」(3.7%)では1割未満となり、緊急事態などで迅速な対応が求められる職種は長期休暇をスケジュール通りに取得することが難しいことがうかがえました。

さらに、「土日祝日に有給休暇」について尋ねたところ、全体の約半数が「有給を取得できる」(52.6%)と回答。その一方で、約3人に1人は「取得できるが取りづらい」(28.4%)と回答しています。

また、「有給休暇を取得する際に暗黙のルール」については、半数弱が「存在する」(47.9%)と回答。そこで、「暗黙のルール」を複数回答で答えてもらったところ、「繁忙期に有給休暇は取れない」(64.1%)、「1カ月前など、ある程度余裕を持って伝えないと取得できない」(32.1%)といった回答が上位に挙げられました。

このような調査結果を踏まえて同サービスは、「働き方改革の結果働きやすさの向上は促進されていますが、企業や業界によってその進捗状況にはばらつきがあり、課題が依然として残っていることが見受けられます。今後、人手不足による倒産や事業縮小を余儀なくされる企業の増加が加速されることが予想されます。労働者から選ばれる企業を目指すには、休日の取得について柔軟に対応することが重要なポイントとなるでしょう」と述べています。