戦争により時勢が激しく変わっていくなか、梅丸楽劇団が解散。スズ子(趣里)は「福来スズ子とその楽団」を結成する。今週放送された『ブギウギ』(NHK総合)第9週「カカシみたいなワテ」と、次週10週「大空の弟」を、足立紳に次いで2人目の脚本家・櫻井剛が担当している。『マルモのおきて』(フジテレビ系)や『あなたのブツが、ここに』(NHK総合)などを手がけた櫻井が書く脚本の魅力、そして脚本家2人体制にした理由を、制作統括の福岡利武さんに聞いた。

櫻井脚本の魅力は、気持ちを表現する緻密な台詞と、“心の綾”

「『ブギウギ』はメインのストーリーの他に、梅丸少女歌劇団、梅丸楽劇団、そして歌手・福来スズ子のステージがあります。それらを準備するのにとても時間が必要でした。そのため、物語をより強くしながら、台本を早く準備する必要があったので、脚本家2人体制という形をとりました。

 8週までを足立紳さん、9・10週を櫻井剛さんに書いていただいていますが、いい意味で『脚本家が変わったことがわからない』仕上がりになっているのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。9・10週では、足立さんが構築したそれぞれのキャラクターをうまく引き継ぎつつ、櫻井さんならではの、気持ちを表現する緻密な台詞や、すれ違ってはまた噛み合う“心の綾”の細やかさがよく出ているのではないかと思います」

スズ子・梅吉の何気ない会話や、小夜の福島弁で“櫻井節”が冴える

 さらに福岡さんは、櫻井剛の脚本の魅力についてこう語る。

「9週は、戦争でどんどん世の中が厳しく窮屈になっていくなか、スズ子の苦悩と、ツヤ(水川あさみ)を亡くした梅吉(柳葉敏郎)の悲しみを丁寧に描いていただいて、各キャラクターにとても『寄り添える』話になっていると思います。なかでも、45話での、伝蔵(坂田聡)のおでん屋でスズ子と梅吉が語り合うシーンが、僕は好きです。『これで寂しいの消えるん? お母ちゃんが死んで寂しい気持ち、酔っぱらったら消えるんやろ?』『消えへんよ。余計会いたなるわ。飲めば飲むほどツヤちゃんに会いたい』という娘と父のやりとりは、本当にいい台詞だなと思いました」

 スズ子への「弟子入り志願」として今週から登場した、福島から出てきた素朴な娘・小夜(富田望生)に関しても、櫻井ならではの台詞回しがあったという。

「小夜の初登場シーンを書かれた櫻井さんは茨城県北部のご出身。隣県である福島弁のニュアンスをよく理解していただいているのがわかります。小夜の『弟子にしてくんちぇ!』という台詞がとてもストレートで、富田さんがまたそれを見事に演じてくださり、響きました。あまりに素敵だったので、スタッフの間でしばらく『くんちぇ』が流行りました(笑)」

 次週10週「大空の弟」では太平洋戦争が開戦し、さらに厳しい時代へと突入していく。スズ子と梅吉、そして小夜はどう生き抜いていくのだろうか。見守りたい。

   ◇   ◇

『ブギウギ』
【出演】趣里 水上恒司/草彅剛 蒼井優 菊地凛子 生瀬勝久 小雪 水川あさみ 柳葉敏郎 ほか
【主題歌】「ハッピー☆ブギ」中納良恵 さかいゆう 趣里
【脚本】足立紳 櫻井剛
【音楽】服部隆之
【語り】高瀬耕造(NHK大阪放送局アナウンサー)

【放送時間】
▽NHK総合
毎週月曜〜土曜 前8:00〜8:15/(再)後0:45〜1:00(※土曜は一週間を振り返り)
毎週日曜(再)前11:00〜11:15
翌・月曜(再)前4:45〜5:00(※日曜、翌・月曜は、土曜版の再放送)
▽NHK BS・NHK BSプレミアム4K
毎週月曜〜金曜 前7:30〜7:45
毎週土曜(再)前9:25〜10:40(※月曜〜金曜分を一挙放送)

(まいどなニュース特約・佐野 華英)