「下駄箱?」「靴箱?」

時代による言葉の移り変わりがSNS上で大きな注目を集めている。

きっかけになったのはシーサー株式会社にお勤めのyoorアドバイザー、IT系ミズキさん(@Mi_Zu_Ki_H)の

「昭和生まれ〜平成中期生まれの皆さん、聞いて下さい。
『下駄箱』という言葉を平成後期生まれのうちの子は知りませんでした。
今は『靴箱』との事。
『下駄箱』だと、ハンガーの事を『えもんかけ』と言うおばあちゃんと同じような扱いになるかもしれません。※老婆心ではありますが念のため呟きました」

という投稿。

たしかにもはや下駄を履いてるひとはほとんどいないのだから、下足入れを「靴箱」と呼ぶようになるのは自然な流れなのかもしれない。IT系ミズキさんの投稿に対し、SNSユーザー達からは

「うちの長女に『幼稚園の下駄箱に入れて』って言っても通じなかったのはこれでしたか!
確認したら園長先生は幼稚園の靴箱を『げたばこ』と呼ぶけど他の先生方は『くつばこ』と言ってるらしいです…」

「東京育ちですが、下駄箱です。
しかし!今住んでる地域では『脱履』=だつり
と呼んでます!最初聞いたときには軽くカルチャーショックでした」

「うちの息子やお友達は普通に下駄箱って言ってますね…地域性もあるんですかね?
他には縦笛って言わずリコーダーって言うのは感じてます。
息子いわく縦笛は蛇が壺から出てくるイメージみたいですꉂ(ˊᗜˋ*)」

「こんにちは。ベビーカーのことを『乳母車』(うばぐるま)と言ってドン引かれたことを思い出しました。」

「新入社員にフロッピーディスクの現物見せたら『保存のアイコンの実物初めて見ました!』と言われました。」

など数々のコメントが寄せられている。

IT系ミズキさんにお話をうかがってみた。

――お子さまと下駄箱について話された経緯をお聞かせください。

ミズキ:朝、小学生の息子が忘れ物をしたため、後から家を出る保育園児の娘に「保育園の後に小学校の下駄箱へ行ってくる」と伝えた事がきっかけでした。娘から「下駄箱って何?」と言われてしまい私は呆然としましたが「靴をしまうところって何ていうの?」とたずねたところ娘は「靴箱」との事でした。

下駄なんて使っていないのに、なぜ私は下駄箱なんて言葉を疑いもせずに使っていたのだろうと動揺を隠せませんでした。これまで保育園で靴を子供に早くしまってほしいときに「下駄箱!」と言っていたのですが、なぜか聞こえないときと同じ反応を以前からしていました。下駄箱という言葉を知らないと微塵も思っていなかったので、ちゃんとした文で伝えないと駄目だと勘違いし「靴をしまえるかな」とずっと声をかけていました。

念のため帰宅した息子に、恐る恐る「下駄箱って知っている?」と尋ねたところ「知らない」と言われてしまいました。

――時代によってどんどんと言葉が移り変わっているんですね…。

ミズキ:驚いた事に「下駄箱って何?」と尋ねた娘の様子が「えもんかけって何?」と私が祖母に尋ねたときの雰囲気にそっくりでした。祖母はハンガーをえもんかけと呼ぶ人ですが、そんな祖母もハンガーに衣紋なんてかけた事はないと思います。

――ご投稿に対し数々の驚きのコメントが寄せられましたが、これまでのSNSの反響へのご感想をお聞かせください。

ミズキ:地域によっては下駄箱という言葉を知っている小学生もいるということで、下駄箱は死語ではない事を知り安堵しました。一方で、下駄箱という言葉を小さな子供に対して使っていく事は、はたして良い事なのかと疑問に感じました。

現在、2才から通う事のできるプレ幼稚園に通う子供や、0〜1才から保育園に通う子供が増えています。私の願いとしては、これからの時代を生きる子供目線に合った言葉を使う事です。「下駄箱」と教えていけば良いという価値観を否定するつもりはありませんが、その言葉は誰のためのものかという視点があってこそ言葉は真価を発揮すると感じてなりません。私は「靴箱」派として生きていこうと思います。

また、沢山の人に私のツイートを見ていただき、見ず知らずの方からの価値観の違いから生まれる批判的なリアクションもいただきました。私は仕事でウェブ上のスモールコミュニティサービスの運営に携わっているのですが、限られた人にだけ発信できるサービスの可能性を改めて感じました。

◇ ◇

地域差や環境の違いもあり、一概に「下駄箱」が若い世代に通じないとは言えないようだが、おそらく時を経るごとに「靴箱」を用いる人が増えていきそうだ。

(まいどなニュース特約・中将 タカノリ)