政府は、東京、大阪、兵庫、京都の4都府県に出されていた新型コロナウイルスの感染急拡大に伴う緊急事態宣言を当初の期限とした今月11日から同31日まで延長し、愛知県と福岡県も対象地域に加えることになった。変異株を含む新規感染者数が増加する中、「夜回り先生」こと教育家の水谷修氏は「政府よ、目を覚ませ」として中途半端に終わった「失政」の責任を問い、4週間の「ロックダウン」導入の必要性を訴えた。

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 新型コロナウイルスの感染拡大が、止まりません。にもかかわらず、政府の対応は、多くの国民にとって、煮え切らないものです。なぜ、このような事態が起こってしまったのでしょうか。

 政府は、昨年3月13日に成立した「新型コロナウイルス対策の特別措置法」に基づいて「緊急事態宣言」を発令し、一時的には、世界から高く評価されるほど、感染の拡大を抑え込みました。これは、高く評価できます。すべての学校は、休業そしてリモート授業に。多くの企業も、リモートワークに移行し、国民生活に直接関わる業種を除いた飲食、商店は休業し、政府を支えました。政府もそれに答え、不十分ではありましたが、様々な給付金によって、国民生活や企業を守ろうとしました。

 問題は、そのあとです。外国からの渡航者、帰還者に対する対応が不十分となりました。本来なら、すべてを、シャットアウトするか、もし入国を認めるとしても、2週間は、用意した施設で隔離すべきにもかかわらず、自宅での健康観察に。これが、イギリス変異株の新型コロナウィルスが、日本に持ち込まれる原因となりました。

 外国からの渡航者、帰還者に対する対応は、依然として不十分なものです。このままでは、更なる脅威となるインド変異株が、次なる感染拡大の主因となるでしょう。

 また、「Go to トラベル」の政策です。観光、交通、宿泊、飲食等の業界が、「緊急事態宣言」によって悲惨な状況となっているから、それを支えるという理由で、大切な国民の税金を湯水のようにばらまきました。しかも、税金だけではなく、新型コロナウイルスを、各地にばらまく主因ともなりました。失政です。困っているのは、その業種だけではなかったはずです。しかも、支えようとした業界の人たちは、一時は救われても、今は、さらに悲惨な状況に追い込まれています。

 その一方で、医療が崩壊するからと、大々的なPCR検査は実施せず、専門の病院や医療施設の新設もしませんでした。しかも、中国やロシアですら開発したワクチンについて、政府や厚生労働省は、その開発に積極的に動いていません。それどころか、ワクチンを全国民分早急に手に入れることすら失敗しています。そして、今回の感染拡大です。

 政府は、一部都府県に「緊急事態宣言」を、そして一部地域に「まん延防止重点措置」を適用し、感染拡大を抑えようとしています。しかし、全国の学校は未だに授業を続け、学校内での集団感染が発生し、飲食店については、時間や酒類の提供を禁止していますが、その一方で、感染者の自宅待機によって、家庭内感染が拡がっています。また、そのような危機的状況にもかかわらず、政府や東京都は、オリンピック、パリンピックを強行し、外国から9万人を超える人たちを入国させようとしています。

 我が国の政府は、一体何を考えているのかわかりません。また、過去の失敗の反省はないのでしょうか。すでに、1万人を超える人たちが、この新型コロナウイルスによって亡くなっています。本来、政府の対策がきちんとなされていれば、命を失うことのなかった人たちです。

 政府よ、目を覚まして欲しい。今やるべき事は、4週間の完全な「ロックダウン」しかありません。諸外国のように完全に外国からの入国を認めず、国内においても不要な外出を禁止する。その一方で、これまで、国民から預かってきた税金を、その支払金額に応じて返金、還元する。また、生活困難な家庭については、その保護に動く。ぜひ、それをして欲しいと望みます。

 経済は、復興できます。しかし、一度失った命は二度と戻りません。