「漢方」というと即効性がないから飲まないと最初から拒否される患者さんがいらっしゃいますが、そうでもありません。今回は、漢方の著効例を紹介します。

 「先生、冬でも足が熱くて眠れないねん。なんとかしてくれ」とある患者さんが訴えられました。赤ら顔、筋骨隆々タイプで日頃から汗かきのようです。身体の熱を放散する方向の漢方を何種類か試しても効果がありませんでした。

 病態を簡単に説明すると、熱のバランスが悪く中心部には熱が溜まっているけれども、末端には熱が巡らないタイプの人でした。そこで、身体を温めながら、熱の循環をよくする漢方を処方しましたところ、劇的に効果が出ました。現在は薬なしでお過ごしになられています。

 次は、以前に書かせて頂きました認知症がある異常性欲の患者さんです。85歳の男性ですが、軽度から中等度の認知症があり、83歳の奥様に毎晩、性交を強要していました。詳細は知りませんが、男性器はものの見事に勃起して年齢を感じさせない凄さをお持ちだったようです。

 奥様が泣きながら告白、相談されたのは今年の春ごろ。当初は強い睡眠薬を投与しましたが、一日中寝ている状態となり、転倒骨折のリスクが出てきました。そこで、弱い睡眠薬にしましたが、今度は日中に性交渉を求めてくるようになったようです。

 そこで、睡眠薬を変更して、さらに認知症にもいいと言われている漢方を追加しました。先日、奥様から連絡があり、最近は全く求めて来なくなったとのことです。奥様は非常に喜ばれ、仲良くお過ごしになられているとの事です。

 ただ、漢方は症例により著効しますが、薬の選択は難しいのです。薬のお問い合わせには、一切お答えすることはございませんので、ご了承ください。

◆谷光 利昭 兵庫県伊丹市・たにみつ内科院長。外科医時代を経て、06年に同医院開院。診察は内科、外科、胃腸科、肛門科など。