7月10日投開票の参議院議員選挙が行われています。近年、投票できる「選挙権」の年齢が18歳に引き下げられました。一方、議員に立候補できる「被選挙権」は変わらないままです。しかも、衆議院議員の25歳以上と違って、参議院議員の被選挙権は30歳以上と年齢が高くなっています。なぜ、参議院議員は30歳以上なんでしょうか。京都産業大の中井歩教授(政治過程論)に聞きました。

 −参議院議員選挙に立候補できるのは30歳以上です。これだと10代、20代の若者の意見が代弁されなかったり、若者の声はないがしろにされたりする可能性もあるようにも見えます。

 中井教授 参議院は「良識の府」とも呼ばれます。人生経験や社会経験をたくさんある人を選ぶということで、都道府県知事になることができる年齢と同じ30歳にしたのではないかと思います。

 −日本国憲法が施行され、最初の参議院議員選挙が行われた1947年の平均寿命は男性50・06歳、女性53・96歳(内閣府ホームページより)です。

 中井教授 当時の30歳は人生の折り返しくらいの地点ですし、「社会的に何か成し遂げた人が選ばれる」というイメージだったのでしょう。

 −参議院議員に立候補できる「被選挙権」の年齢は引き下げられないのでしょうか。

 中井教授 海外では被選挙権を18歳や21歳に設定している国が約6割あり、若者が同世代を議会に送り出せるという意味で重要なしくみです。ただ、日本の参議院にあたる第二院の被選挙権年齢は、衆議院にあたる第一院よりも高く設定する国が多いです。

 海外では30代の首相も誕生しています。海外の政党は、若い政治家にいろいろな経験を積ませ、大臣に登用するなどして次世代のリーダーに育てるということをしています。30歳にならなくても、立候補できるチャンスがあってもいいと思います。

インフルエンサー立候補で人気投票に?

 ただ、立候補できる「被選挙権」の年齢引き下げに否定的な考えもあります。それは、(SNSなどを駆使して社会に影響を与える)インフルエンサーのような人が立候補して人気投票になるのではないか、というものです。でも、インフルエンサーだらけになるわけではないし、票を投じた人たちの考えを表現できるならば、議員の中で少しくらいそういう立場の人がいてもいいのかなという気はします。

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 参議院議員選挙は7月10日投開票です。7月9日までは期日前投票ができるほか、選挙人名簿登録地(住民票のある場所)から離れた場所にいる人は不在者投票も利用できます。

(まいどなニュース/京都新聞・浅井 佳穂)