大吉(だいきち)くん(5歳・オス)は愛知県で保護されたが、保護主のところで預かれなかったため、2016年9月初旬、滋賀県で犬や猫の保護活動をしている人のところに来た。

東京都に住む溝邊さんは友人から、「実家に保護猫が来たよ!」と聞いて写真を見せてもらった。そこに写っていたのは大吉くんだったのだが、運命的なものを感じた。夫も一緒に写真を見て、「可愛い!大好き!」と言い、大吉くんを家族にしたいと思ったようだった。

「もともと私は猫ちゃんもわんちゃんも大好きでした。 ちょうど一緒に暮らしたいと思っていたところ、大吉と出会ったんです。『飼う』というよりは『一緒に暮らしたい』という気持ちでした」

生命力あふれる子猫

9月22日、溝邊さんは滋賀県の保護主のところに、新幹線で大吉くんを迎えに行った。大吉くんは手のひらに乗るくらい小さくて、繊細で温かい、天使のような子猫だった。写真で見た時も実際に会った時も、強い生命力がみなぎっていて、一生懸命生きようとする意志のようなものを感じたという。帰りの新幹線で、大吉くんはキャリーの中で小さく丸くなっていた。

「初めての乗り物に怖かったのかもしれません。家に着いてからは、不思議そうに家の中を探検していた。初日からおもちゃで遊んだりごはんを食べたり、怖がりさんのわりにはすんなりと家に馴染んでくれました」

トイレは初日からちゃんとできた。溝邊さんが仰向けで寝ていると、首元に乗っかってきて一緒に寝た。

「大吉が私をお母さんと認めてくれたのかな?と思うと嬉しかったです」

紹介してくれた友人が飼っている猫の名前はチュー吉くん。夫が「じゃあ、うちは大吉にしようか」と、この名前になった。

毎日「ありがとう」と

甘えん坊でちょっと怖がり。お昼寝とおやつタイム、そしておもちゃで遊ぶことが大好きだ。溝邊さんが体調を崩して寝込むと、必ず寄り添ってくれる。そういう時は鳴くことはなく、時々顔を舐めてくる。大吉くんなりの看病のようだ。

いるだけで、家の中の雰囲気が和み、夫との会話も増えた。大吉くんのために早く家に帰ろうとか、仕事をがんばろうとか思うことができ、活力をもらえているという。溝邊さんは大吉くんにたくさん話しかける。

「『大ちゃんありがとう』は、一日で一番言う言葉かもしれません。『かわいいね〜』とか『えらいね〜』も連発しますが(笑)。5年経った今でもずっと変わりません」

(まいどなニュース特約・渡辺 陽)