新型コロナウイルス感染症が蔓延したことによってマスクを着用する機会が圧倒的に増えました。今までマスクをつける習慣が少なかった未就学の子どものママたちはマスクについてさまざまな疑問を持っているようです。今回は、子どものマスクについて子育て中の看護師の視点から解決していきます。

■そもそも子どもにマスクは必要なの?

特に未就園児など低年齢のお子様をもつお母さんの疑問として多いのが子どもにマスクが必要なのかどうか。この疑問について、公的機関の資料を参考に解説していきます。

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▽日本小児科学会の考え方

日本小児科学会では、2歳未満の子どもにはマスクは不要であるという考えを示しています。その理由としては以下の5点が挙げられます。

・呼吸が苦しくなり、窒息の危険がある。
・嘔吐した場合にも、窒息する可能性がある。
・熱がこもり、熱中症のリスクが高まる。
・顔色、呼吸の状態など体調異変の発見が遅れる。
・正しくマスクを着用することが難しいため、感染の広がりを予防する効果はあまり期待できない。

…このことから、2歳未満はマスクをするのではなくほかの方法で感染を予防することが望ましいという見解を示しています。

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▽どうやって感染を予防する?

子どもの場合、マスクをつけての感染予防よりも3密といわれている密室、密接、密集を避けたり、ソーシャルディスタンスといわれる人との距離を保つことによって感染を予防することが効果的であると考えています。また、手洗いができる年齢の子は、手洗いを行うことでも感染予防となります。まだ自ら体調不良や息苦しさを訴えることが難しい年齢ですので、3歳未満はマスクではなく、ここでご紹介した方法で感染対策を行っていきましょう。

▽WHOの考え方

日本小児科学会と異なり、WHOでは5歳以下もマスクが適切に使用できないという観点から使用を推奨しないとしています。ですが、この情報を出しているのは2020年の8月であり、現在と感染状況が違うことに加え、日本にある多くの施設が3歳以上のマスクの着用をお願いしているということから、3歳以上であればマスクは着用したほうが望ましいでしょう。

■子どもがマスクをしてくれません…

ママたちの話題で特に多いのが、子どもがマスクをしてくれないということ。使い慣れていないし、苦しさもありなかなかマスクをすすんでしてくれる子は少ないのではないでしょうか。子どものマスク、どうしているのかママたちの意見を聞いてみました。

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▽子どもが好きな柄や色をチョイス

大人も見た目がかわいいマスクだとテンションが上がるのと同じで、子どもも自分の好きな柄や色だとつけてくれる傾向にあります。

・大ヒットしたアニメのキャラクターの柄のマスクを用意したらあっという間につけてくれました。(4歳男の子ママ)
・うちの子はディズニーが大好きなので、ディズニーキャラクターがふんだんに描かれているマスクをしています。(5歳女の子ママ)

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▽女の子はママとおそろいにするとつける

女の子はキャラクターや柄はもちろんですが、案外ママとおそろいにすることでつけてくれる傾向にあるようです。

・私は医療関係のため普段から不織布の白いマスクをつけています。柄物のマスクを子どもに用意したのですが一切拒否。理由を聞いたら「ママと同じが良い!」とのこと。子ども用の白い不織布のマスクを用意したら「おそろいだね♡」と毎日つけるようになりました。(4歳女の子ママ)
・手芸が趣味のため子どもと自分におそろいのマスクをたくさん用意。毎日親子で同じものをつけています。最近は、違う柄を用意すると怒ります。ママとおそろい=大人になった気分だそうです。(5歳女の子ママ)

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▽鼻まで覆うことが無理ならばせめて口だけでも

たくさん動き回る子どもたちに鼻までしっかりとマスクで覆えという指示はかなり難題。せめて口だけつけていれば良しと思っているママさんもいました。

・男の子は動き回って気がついたらマスクが顎までずれているなんてことはほとんど。もう口さえついていればよい!と開き直っています。(5歳、3歳男の子ママ)
・2歳ですがマスクをつけたがります。窒息が怖いので、せめてもと思い口だけを覆っていますが、感染予防になっているかどうかは微妙なとこですね。(2歳双子女の子ママ)

■どんな素材のマスクがいいの?

子どもにどんなマスクをつけているか聞いたところ未就学児のママのほとんどがガーゼマスクや不織布のマスクでした。マスクにはおすすめな材質などあるのでしょうか。

▽お肌の子とも考えてガーゼや不織布が良い

WHOが公開している資料によると、ガーゼマスクや不織布マスクはウイルスの防御力が高いためよいという見解をしています。また、ほかにもいろいろな情報を調べてみると、ポリウレタン製のマスクはその材質やその人の肌質によって皮膚炎の原因となる可能性もあるため、材質に注意が必要としています。特に、肌が弱いというお子さんには使用を控えておくことが良いでしょう。

▽マスクをつけていないならうがいは必要?

特に3歳未満のマスクをつけられない年齢のお母さんが疑問としているうがいについて。マスクをつけていない子たちのうがいは必要なのでしょうか?

▽4〜5歳にならないとうがいは難しい

のどのウイルスなどを洗い流す目的のうがい、いわゆるガラガラうがいは実は低年齢の子には難しいのです。ガラガラうがいは、鼻咽腔を閉鎖することで、誤嚥や嚥下反射が起こらないようにし、呼気を利用して行います。そのため、歯磨きの後に行うブクブクうがいに比べても難しい動作といえます。

日本歯科医師会によると健常児の場合、3歳児で約25%、4歳児で約50%、5歳児で約75%の子どもたちがガラガラうがいができるようになるとしています。そのため、特に低年齢の子どもたちには無理にうがいをさせず、やはりソーシャルディスタンスや3密の回避で対策をしていくことが望ましいでしょう。

■マスク着用だけが感染対策ではない!工夫しながら感染対策を

公的な機関の資料を参考にしてきましたがやはり、3歳未満のマスク着用は難しいというのが結論です。マスク着用だけが感染対策ではありませんので、さまざまな方法で感染対策をしていきましょう。3歳以上であればマスク着用についてぜひママたちの意見も参考にしてみてくださいね。

(まいどなニュース/BRAVA編集部)