購入した商品の修理対応について問い合わせたら、最寄りの取り扱い店を教えてくれただけでなく、ちゃんと店舗にも問い合わせた内容や顧客情報が共有されていた…。

総合電動工具メーカー・マキタの質の高い接客応対がSNS上で大きな注目を集めてる。きっかけになったのは大阪で鹿肉・猪肉屋専門の精肉店「山肉デリ」を営む井上不二子さん(@fujikoinoue2)の「マキタという会社はよいね。数年使っていなかったインパクトドライバーの充電ができなくなっていたので、修理対応について問い合わせたら、ウチの近くの取り扱い店を教えてくれた。ここまでなら普通。さっき行ったら店にどこの誰が何を持ってくるかまで話が通っていた」という投稿。

近年は大きな企業になると電話をしてもコールセンターをたらい回しにされるなど、ユーザー目線の接客応対は期待しにくいもの。そんなご時世の中で光るマキタの姿勢にSNSユーザー達からは

「良い話を聞けて心が軽くなりました。そういえば、私が持っているマキタのインパクトドライバーを先日使ったのですが、2年前に家具の組立で使用する為充電したものがそのまま充電無しで使用できました。放電していないことに驚き、マキタすげーってなりました。製品もサービスも素晴らしいですね。」

「先日マキタのトリマーがモーター部分から煙が出て使用不能に…取扱店経由で修理依頼を出し、5000円超えるなら修理無しでって頼んだら、なんと3000円で修理完了。もう10年以上使い倒してた代物なのに、LEDライト部分まで交換されてた。外観以外ほぼオーバーホールされてたw」

「安いホールソーを使ってビット折れして駆け込んだコトがあります。その時の対応は素晴らしかった。何となくマキタを使って来たけど、マキタを選んで良かった。」

など数々の称賛のコメントが寄せられている。

今回のご体験について井上さんにお話をうかがってみた。

中将タカノリ(以下「中将」):マキタに問い合わせた時の対応というのはどのような流れでしたか?

井上:はじめ商品の説明書に書いてあった会社の番号に電話したところ、その後大阪の営業所からこちらに電話があり、最寄りの取り扱い店を紹介されました。

中将:取り扱い店に行って話が通っていることを知った時のご感想をあらためてお聞かせください。

井上:まず安心を感じました。マキタさんが事前に連絡されていることで、同じことを伝える手間の問題だけではなく「理解されている」という安心です。お店とマキタさんの信頼関係も、私への応対に現れているように思いました。

中将:続けて投稿された「最近は社内連絡でさえままならず、同じことを何度も説明する羽目になる会社が多い。昔なら"お役所仕事"と言われたことが普通に民間企業で起きる。労働の非正規化が進んだ影響ではないかと疑っている。」というお言葉にも大きな反響がありました。

井上:なんというか、会社というものの骨組みが変わったことが原因ではないかと思うのです。特定の個人や会社の問題ではなくて。

今回のマキタさんの対応と、投稿に寄せられたマキタファンの職人さん達の賛同の声を見て思ったのは、従業員のこういう所作は徒弟制で教育しないと身につかないんじゃないかということです。マキタさんで対応していただいた方が正社員なのかどうかはわかりませんが、会社という組織の一体感が弱くなったことがありがちな対応に関係しているのではないでしょうか。業務委託、非正規雇用、分社化、フランチャイズなどで、傍目には同じ屋号の一つの組織に見えるものが実際には寄せ集めということが多いですから。

合理化だったはずの変化で「会社」という組織がスカスカになって、いろんな不合理が起きているのかなと思いました。非正規で働いている方から「ちゃんとできる人もいる」というご批判もありましたが、個人の資質の問題ではなく、社会の姿に興味がわきました。

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今回の反響についてマキタの広報担当部署にもご感想をうかがった。残念ながら回答は差し控えたいということだったが、その対応は決して突き放すようなものではなく誠意に満ちたものだった。今後もマキタの質の高い接客応対が維持されるよう願いたい。

(まいどなニュース特約・中将 タカノリ)