ピンクの駅舎、恋の手紙を届ける恋ポスト、随所にちりばめられたハートマーク…

鉄道ファンや若い恋人たちの間で鳥取県・智頭急行智頭線の恋山形駅(こいやまがたえき)が注目を集めている。

恋山形駅は無人駅でトイレはなく、平均乗降人員も3人程度という少し寂しい駅だったが、2013年に鉄道各社のコラボレーション企画「恋駅プロジェクト」が始動。JR北海道の母恋駅(ぼこいえき)、三陸鉄道の恋し浜駅(こいしはまえき)、西武鉄道の恋ヶ窪駅(こいがくぼえき)など「恋」という名前の付いた駅たちと共にイメージチェンジ、各地域の活性化に取り組み、次第に注目を集めるようになったのだ。

取材で訪れた恋山形駅は想像以上にピンク一色だった。ベンチや柱、ごみ箱までもがピンク色で、ハートの絵馬をはめ込むことができるモニュメントも設置されていた。セルフタイマーで撮影が出来るフォトスタンドもあるので、手軽に集合写真を撮影することもできる。

駅全体をピンクにするというこの大胆な発想はどのように生まれたのだろうか。智頭急行総務企画課の方にお話しを伺ってみた。

橋本菜津美(以下「橋本」):駅全体をピンクにするというアイデアはどのように生まれたのでしょうか?

智頭急行総務企画課(以下「企画課」):「どこにもないような駅を造りたい」という思いから始まりました。「恋=ピンク色」というイメージから駅をピンク色に装飾し、他にはない「ピンク色の駅」として宣伝していくことで、少しでもお客様に来ていただけるように社員で検討しました。

橋本:先日、恋山形駅へ行かせて頂きましたが、映えを意識した装飾や撮影用のフォトスタンドもあり、ユーザー目線の細かい気配りを感じました。駅をデコレーションする際に特にこだわられたことを教えてください。

企画課:恋山形駅には、「恋」の字の上の点の部分にハートマークの凹みがあり、ここに智頭急行が販売しているオリジナルの絵馬をはめ込むことが出来るモニュメントを設置しています。このモニュメントは、「来られた方の恋が叶いますように」という思いを込めて特にこだわって作成したものです。

ピンク色の駅構内にも、「ハート型の駅名標」や、投函すると最寄りの郵便局からハートの風景印の消印を押印して発送される「恋ポスト」、恋人と記念撮影できる「フォトスタンド」「恋の待合室♡」「ハートのモニュメント」等、全体的に「恋」を意識した装飾がなされています。

いらっしゃったお客様に少しでも楽しんでいただけるように工夫を凝らしたものです。

橋本:今後、この駅を利用したイベントや取り組みの予定はありますか?

企画課:現在は新型コロナウイルス感染症拡大の影響によりイベント等の実施は難しい状況にありますが、コロナが収束しましたら節目となる装飾10周年で列車を利用して来ていただけるようなイベントが開催出来ればと考えております。

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SNSで「 #恋山形駅」と検索すれば沢山の映え写真が出てくる。ご興味のある方はぜひそれを参考に、恋人や友人と映え写真を撮影しに行ってみてはいかがだろうか。ひとつ注意していただきたいのは電車の本数が少ないこと。素敵な思い出作りのためにも、事前に電車の発着時間を下調べされることをオススメする。

(まいどなニュース特約・橋本 菜津美)