先日、私が住む大阪・某所であった体験談。夜の7時すぎだったと思います。私はとある用事があり、地下鉄(大阪メトロ)に乗っていました。車内には人は少なく、車両内には私を含めて数人、というところでした。しばらくして、電車がある駅に止まりました。駅名は大国町。御堂筋線と今私が乗っている四つ橋線との乗り換えができ、乗客の出入りが比較的多い駅です。

そこでこちらの車両に乗ってきたある男性に僕は驚き、思わず「うそだろ」と小声ながら漏らしてしまいました。

その男性は傍らに大きな犬を連れていたのです。

■初めて見た盲導犬と、気がつかなかった優先座席

電車に動物を連れ込んでいる風景を見るのは、別にこれがはじめてではありません。よくあるのは、小型犬を専用のケージに入れている場合。ペットを飼い主が連れている場面です。体毛のトリミングや動物病院での検査があったのかもしれません。

このようにペットを電車に同乗させる場合は、相応の料金が必要になる場合もあるそうです。しかし、今回のケースは見るからにそれとは異なります。

乗客の男性は乗ってきた方の扉に向かい、僕に背中を向けるように座っていました。犬もそれにならっています。なので、見えづらくはあったのですが、ふとその犬の首元になにやらプレートが掛けられているのに気がつきました。

そこには「仕事中」とありました。もっとよくよく見ると、プレート内には「盲導犬」とも記載されていました。

なるほど――と思いました。

盲導犬であれば、このような形で電車に乗ってくるのもうなずけます。しかし、このような形で間近で見るのは初めてでした。やがて彼らは、僕が降りる予定の一つ前の駅で降りていきました。何だか目立たないように、ひっそりと乗りひっそりと去っていったように私には見えました。

と同時に、(向こうが気にしていたかは分かりませんが)盲導犬が入ってきた時に思わず非難めいた声をあげてしまったこと、彼らの方をじろじろと見てしまったことを少し申し訳なく思いました。

それから電車は次の駅、つまり私の目的地に着きました。さて降りようと席を立ち、ふと見ると、その席の窓には「優先座席」と書かれていました。

しまった……。

正当な理由がある盲導犬は奇特な目で見ておきながら、ずっと前から見慣れているはずの優先座席の表示には気がつかなかったのです。

まあ、車内は空いていましたし、あの男性にも直接迷惑はかかっていなかったとは思いますが、それにしても恥ずかしい話だ……。

■意外と身近にあふれているのに気づかない福祉の光景

「盲導犬」と「優先座席」というところから、福祉というものを個人的に再認識した今回の経験。しかし、実を言えば福祉にまつわる光景は、意外と身近にあふれているものです。

街を歩けば、杖をつく人や電動車いすで移動している人を見かけます。さらに、電車内や街でよく見る、ヘルプマーク。一見では分からないような病気や障がいのある人が、理解を求めるために所持するマークです。

また、ヘルプマーク以外にも提示されるアイテムもあります。数年前の話になりますが、あるセミナーに参加した時のこと。隣に座っている人が突然机に向かってうずくまり、何をしているのかなと思っていたら、震える手であるカードをこちらに差し出してきました。

そこには「私にはてんかんがあります」と書かれていました。

そのカードのおかげで私は現状を察知し、スタッフを呼んで対処してもらうことができました。私個人が目にしているだけでもこれだけ多くの障がい・福祉に関する場面があります。しかし私も含め、多くの人はそれにあまり気づくことはないのではないでしょうか。

■もっと福祉に関心を

気づかない理由は明白。私たちに「関心がない」からです。自分とは違うこととして意識から切り離してしまっているのです。しかし、このような問題は決して他人事、遠く離れた世界の話ではありません。

これだけ身近に福祉はあふれていますし、また自分の家族、親戚、友人、もしくは自分自身がそのような立場にいつなってしまうとも限りません。そう考えれば、関心も湧いてくるのではないでしょうか。

私ももっと関心をもちたいと思います。あなたはどう思われますか?

(まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・竹中 友一(RinToris))