ペルカちゃん、パブロちゃんは、兄弟姉妹4匹と一緒に神戸市動物管理センターにいたのだが、神戸市のフォレスター動物病院の獣医師夫妻がミルクボランティアとして預かっていた。 

兵庫県に住む福崎さんは、出身大学の学長と交流があったのだが、ある日、学長から「猫を飼わない?」と声をかけられた。ペルカちゃん、パブロちゃんたち兄弟姉妹のことだった。 

しかし、当時、福崎さんは、バニラちゃんという22歳の高齢猫と暮らしていた。子猫を飼うことがバニラちゃんのストレスにならないか心配だったが、学長宅で子猫たちに会ってみることにした。

初めて子猫にミルクを与えてみてキュン!

獣医師夫妻が持ってきたダンボール箱の中には4匹の子猫が入っていた。生後4〜5週間。ころころしてよく動いて、元気だった。スポイトでミルクを与えてみて、すっかり心を奪われたという。福崎さんは、キジ白のオスとキジトラのオスの兄弟を譲り受けることにした。

バニラちゃんのことはフォレスター動物病院の獣医師にも相談したが、他の猫と多頭飼いしても問題ないと思われた。

「高齢になって、粗相をしたり夜泣きをしたりすることがあったので、子猫を飼うといい刺激になるかもしれないと思いました。また、将来バニラが亡くなった時に感じるであろう寂しさを和らげたいとも考えました」

2019年3月31日、フォレスター動物病院で1回目のワクチン接種を済ませ、ペルカちゃん、パブロちゃんを連れて帰った。

正反対の性格だが仲良し

すぐにバニラちゃんと子猫を対面させると、嫌がることなくクンクンにおいをかいで興味を示してくれたので、福崎さんはひとまず安心した。

ペルカちゃんとパブロちゃんはやんちゃ盛り。2匹で走り回ったり、いたずらをしたりしたが、バニラちゃんが寝ていると、そろ〜っと静かに近づいて匂いを嗅いでいた。まるで高齢のバニラちゃんのことを気遣っているようだった。

バニラちゃんがあまりにも高齢だったので、友だちのようになったり、舐め合ったりということはなかったが、お互い付かず離れず適度な距離を保っていた。普段は別々の部屋で過ごしていたので、バニラちゃんのストレスになることはなかったという。

2匹の性格は兄弟だが正反対。ペルカちゃんは、活動的でもりもりごはんを食べて、たくさん動く。家中のいろんなドアを開けることができて、いつもどこかへ行きたくてしょうがない感じで落ち着きがない。ペルカちゃんがドアを開けようとがりがり引っ搔くと、パブロちゃんがペルカちゃんの首根っこを噛む。まるで、「ぺーちゃん!あっちに行っちゃいけないんだよ!」と言っているかのようだという

噛んでも次の瞬間にはくっついて寝ていたり、ころころ転がって遊んだりしでいるので、福崎さんは、兄弟2匹一緒に譲り受けてよかったと思っている。

2020年10月6日、バニラちゃんが24歳で亡くなった。

「心ゆくまで介護ができたので、ひとしきり泣いたあとは気持ちよくお別れができました。それもペルカとパブロのおかげです」

(まいどなニュース特約・渡辺 陽)